
インドでは中間層から富裕層はバイクに乗るかタクシー(UBERまたはOLA)を使いますが、一般市民は鉄道とバスで移動します。
鉄道には都市間を結ぶ(寝台列車が連結されている)長距離列車とチェンナイ近郊を走る列車があります。この記事では、チェンナイの近郊列車をご紹介します。
近郊列車はチェンナイだけでなくムンバイやコルカタなど他の大都市にもあります。一方、都市間を結ぶ長距離列車に着いては下記記事をご参照ください。
個人的な意見ですが、とても貴重な体験なのでインドに来たらぜひ記念に乗車することをオススメします。
チェンナイには博物館、ヒンドゥー寺院や教会などの観光地が色々ありますが、物珍しさで言えば近郊電車はトップクラスに挙げられるのではないかと思います。何しろ、扉が全開のまま走っているのです。
但し屋根の上に人が乗っているほど混雑はしていません。インド人に
なおチェンナイには地下鉄が2路線ありますが、常にガラガラでほぼ使われていません。地下鉄については下記記事をご参照ください。
この記事では、電車と併せて利用することで活動範囲が広がるインドの路線バスについてもご紹介します。
Contents
主な路線
画像引用元:Chennai Local Train Map https://erail.in/info/railway-maps-chennai-local/1802
上の引用画像はチェンナイの路線図ですが、グレーが長距離列車、色のついた路線が近郊列車となっています。
チェンナイ空港は緑の路線の真ん中ほどにある"Tirusulam"という駅が最寄りになります。
空港から市内へ向かう最も安い方法は、この一般の電車で向かうことです。
長距離列車は、画像中央右寄りにある"Chennai Central" "Chennai Egmore"が起点となっており、バックパッカー向けの宿もその周辺に集中しています。
私は黄色い路線の"MRTS"と呼ばれる路線をよく利用します。
運賃と切符の買い方
運賃は激安です。
チェンナイ近郊の列車であれば端から端まで乗っても10ルピー(16円ほど)です。
とても安いですが、インドではチェンナイからマイソール(東京から大阪くらいの距離)を乗っても一般の座席車であれば400円ほど、そして4200キロの距離を3泊4日で走るインド最長と言われる電車ですら1600円ほどで乗れてしまうので、15円という運賃は妥当です。
なお、東京から大阪までの距離が400円というのは一般座席車のランクの話で、日本人が耐えられるレベルではありません。エアコン付きの快適な車両であれば3000円ほどします(それでも安いですが)。
切符は、駅のカウンターで購入します。MRTSと呼ばれる電車の場合には、どこまで乗っても一律5ルピー(約8円)です。
購入するときは降りる駅名を言うのですが、どの駅で降りても値段は変わらないので何も言わずに5ルピーを出したらチケットを発行してくれました。
5ルピーを払うと、写真のようなチケットを渡されます。このチケットの作成だけでもお金がかかると思いますが、インドといえども流石に5ルピーの運賃では元が取れないのではないでしょうか。
乗車の注意点
電車を買って階段を上ると、そこはもうホームです。インドの電車は、地下鉄を除いて基本的に改札はありません。但し、ランダムで検札があります。無賃乗車はせず必ず切符を購入しましょう。
ホームには出発案内の電光掲示板のようなものは見当たらず(全ての駅を確認したわけではありませんが)、来るまでひたすら待ちます。場合によっては20分近く待つこともあります。
電車の扉は開けっ放しなので、電車が到着すると完全に停止する前にホームへ飛び降りる人もいれば、電車が動き出してから電車と並行してホームを走り飛び乗る人もいます。
写真の通り、ホームと反対側の扉も開きっぱなしなので、車内が混雑していてホームまで出るのが面倒な人は反対方面の線路へ飛び降り、線路を跨いで反対側のホームへよじ登る人もいます。
なお、インドでは線路を歩いて渡るのは日常茶飯事です。
乗り換えをする場合も、上の動画の中央にいる人達のように線路をそのまま横断して渡る人が絶えません。
インドの駅にもきちんと跨線橋はあるのですが
なお、インドでももちろん線路を渡ってはいけません。
インドの鉄道会社も、線路を渡らないようにポスターで呼びかけをしています。こんなポスターが日本で貼ってあったらネタかと思います。
チェンナイの電車での移動風景をご紹介します。
電車に乗ると、上の動画のように扉が全開で走り出します。少し長い(約2分)動画ですが、1駅分録画しています。
扉が開いているのは危険ではありますが、扉が開いているととても風通しがよく涼しいです。落ちないように注意していればとても快適です。
但し本当に危険で、転落して亡くなる方もよくいるそうです。
チェンナイではありませんが、ムンバイ近郊鉄道のホームページを見るとムンバイの鉄道で発生した事故の一覧を検索することができます。
参考サイト:Mumbai Suburban Accident Details
こちらで日付を絞って検索すると、確かにムンバイだけでも毎日死人が出ていることが確認できます。
慣れている地元の方は、写真のように全開の扉の隣で爆睡することができます。
よく、「日本人はどこでも居眠りをするので外国人が驚く…」と聞きますが、インド人の居眠り具合は日本の比ではありません。
チェンナイはインドの中でも治安が極めて(日本以上に?)良く、人はみんな優しくて温かいので、物を盗まれる心配をせずにどこでも安心して眠れるのかも知れません。
駅の構造
チェンナイの近郊電車の中でもMRTSと呼ばれる路線は全て高架で、駅も大きく立派な作りになっています。
とても大きいのですが、中は写真のようにお店もなく、廃墟のような状態になっています。
廃墟に見えますが現役の駅です。2007年頃建設されたらしいのですが、とても不思議で独特な雰囲気になっています。
チェンナイ観光としてオススメの電車
チェンナイに在住している日本人で、近郊電車を日常の通勤に利用しているという話は聞いたことがありません。観光や気分転換でたまに乗る程度です。
しかし冒頭でも述べた通り、日本ではできない貴重な経験となるので、ぜひインドを訪れた際にはご乗車ください。
但し早朝や夕方の通勤時間帯は下記動画の通り極めて危険なので避けてください。
路線バス
最後に、電車と併せて利用すると活動範囲を広げることができるインドの路線バスの利用方法についてご紹介します。
GoogleMapでバスのルートを調べる
まずはGoogle Mapでルートを調べましょう。例えば、チェンナイのフェニックスモールからGindy駅まで向かう場合はGoogleで
"Phoenix mall to Guindy Station by bus"
と入力します。
ルートが表示されます。
もし現在地の名称が分からない場合は、GoogleMapで最寄りのバス停の場所を調べましょう。現在地近くでバス停のマークがある場所を調べます。
最寄りのバス停はGuru Nanak Collegeです。
上記のマップで、青い丸が現在地ですが、水色の四角い枠で囲われてバスのマークがあるところが(分かりにくいですが)バス停です。
上記の図だと、赤いピンのすぐ右斜め下にあります。そこをクリックするとバス停の名称が分かります。
バス停へ移動してバスを待つ
ルートが分かるとバスの番号が表示されます。
上記の場合、最寄りのバス停Guru Nanak Collegeまで移動し、M70というバスを待ちます。
きちんとしたバス停がある場合もありますが、ただの広いスペースだけの場合があります。
その時は、左右を見渡して人が大勢待っているところが恐らくバス停です。
来たバスにのって車掌に料金を払う
写真だとM7に見えますが、こちらがM70のバスです。バスは道の真ん中に停まることがあるので注意が必要です。
道の真ん中というのは、3車線の道路の追越車線などです。渋滞で車線変更ができず、真ん中で停まる場合があります。
外側の2車線は車が走っているので注意が必要です。
また短期な運転手の場合はバスがすぐに発車してしまうので、モタモタせずにすぐ飛び乗ることが肝心です。
チェンナイの場合は、「前乗り」「後ろ乗り」のようなルールはないようで、乗りやすいところから乗れば大丈夫です。
さて、バスに乗ったら車掌がいるので行き先を言って、言われた値段を渡します。
アナログのため現金払いのみ、それも100ルピー(150円)なんて高額の紙幣を渡すと嫌がられるので、10ルピー(15円)札やコインを用意しておきましょう。
GoogleMapで現在位置を確認しながら、到着したら降りる
車内はこのようになっており、チェンナイの場合は電光掲示板も無ければ降車ブザーもなく、車内アナウンスもありません。
Googleマップを追いかけて見ていなければ、どこを走っているのか、いつ降りるのかがサッパリ分かりません。
インドでは鉄道と同じくバスも扉を開けっ放しで走ります。寄り掛かろうとすると落ちます。
降車ブザーがないため、バスは全てのバス停に停車します。
Google Mapを見ながら降車場所のバス停に辿り着いたら降ります。
この時も、バスが道のど真ん中に停まっている可能性があるので、バイクや車と衝突しないよう左右をよく見て降りるようにしてください。
場合によっては逆走してくる場合もあるので、左だけでなく右も見るようにしましょう。
バスを使えるとインド旅行の幅が広がる
バスを利用するための条件は
- Google Mapを使える(SIMかポケットWiFiがある)
- 小銭がある
の2つになります。
もちろんインドに慣れた上級者であれば、たとえGoogleMapがなくても周りのインド人から乗車と降車のバス停やバスの番号を聞き出し、小銭を両替してもらうなどの工夫をすることでバスを利用できます。
しかし、かなりハードルが高いです。
バスの利用はなかなか勇気が必要ではありますが、タクシーやリキシャと比べても極めて安い(20ルピーで結構な距離を走ります)ですし、ローカルな雰囲気を味わえるので楽しいです。
もし、ありきたりのインド観光では物足りない、もう少し変わった経験をしてみたい、と考えている方はと考えている方は路線バスがオススメです。