インド・チェンナイのアメリカンスクールと補習校について

私自身には子供がいないため直接補習校と関わる機会はありませんが、子どもをチェンナイのアメリカンスクール・補習校へ通わせている方から人伝てに聞いたことをご紹介します。

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チェンナイ補習校の概要

海外で暮らす日本人の子女向けに、世界各地の都市に日本人学校が設けられています。

日本人学校とは、海外在住の親が自分の子どもに日本と同様の教育を受けさせるために入学させる学校です。インドにはニューデリーとムンバイに日本人学校があります。多くの日本人学校は小学校と中学校のみで、高校の日本人学校があるのはニューヨーク、上海やシンガポールなど世界全体でごく一部の都市のみです。

しかし、私が暮らしているインドのチェンナイには日本人学校がありません。

日本人学校が存在しないチェンナイの子ども達はどうするのかというと、平日の午後3時まではアメリカンスクールに通い、平日の午後3時から午後5時と土曜日には日本の補習校に通うそうです。補習校というのは、(チェンナイの場合は)アメリカンスクールの敷地の一部を借りて小学校1年生から中学校3年生まで日本の授業をやる学校です。

※小学生は平日の午後に毎日2時間ずつ、中学生は土曜日に6時間授業を受けるそうです。日本の補習校は世界各地にありますが、平日に毎日授業をしているのはチェンナイの他メキシコ、タンザニア、オマーンにしかないそうです。

日本のように子どもが徒歩で自宅から学校まで通学するのは治安上の観点から非常に危険なため、通学は基本的に親が車で送迎します。子どもをアメリカンスクール・補習校へ通わせてる親御さんは非常に忙しそうです。

チェンナイ・アメリカンスクールと補習校の学費

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学費は目玉が飛び出るほど高いです。アメリカンスクールと補習校それぞれに学費を払うのですが、アメリカンスクールの下記ホームページによると入学金だけで10,000ドル、登録料が4,000ドル、授業料は小学校以上の場合は年間25,000ドルかかります。インドルピーではなくアメリカドルです!入学の費用だけで150万円以上、年間授業料は250〜300万円かかることになります。

諸外国・地域の学校情報

補習校については入学金と月謝がそれぞれRs.12,500(約2万円)かかるそうです。

https://jschool2013.jimdo.com/学校案内/

とにかくアメリカンスクールの授業料が高いですが、駐在員の場合には会社が負担してくれます。本来であれば日本国内で公立の学校へ通えるはずだったところを会社都合で海外に来ることになったため、その費用は会社が負担するということです。

一方、現地採用の場合にはもちろん子どもの学費など支給されませんが、現地採用の給与でアメリカンスクールの費用など払えるはずがないので日本国内へ転職するしかありません。

ちなみに、ニューデリーにある日本人学校の場合には入学金が200,000ルピー(約30万円)で学費が月に25,000ルピー(約40,000円)なので、こちらであれば頑張れば現地採用でも手が届きます。

http://ndjs.org/入学金等/

駐在員の他にアメリカンスクールと補習校へ通える人がいるとすれば、現地で成功している経営者くらいではないでしょうか?

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補習校のメリット

日本人学校(または日本国内の一般的な小中学校)と比べたときの補習校のメリットは、平日の午後3時まではアメリカンスクールに通っているため、英語と日本語の環境の両方で学習ができることです。

チェンナイのアメリカンスクールは半分が韓国人、2割が日本人で残りはドイツ人やインド人だそうなので、子どものうちから国際的な環境に身を置くことができます。アメリカンスクールとは言うものの、アメリカ人は少ないようですね。

チェンナイの小中学生はアメリカンスクールでは英語で授業で受け、クラスメイトとも英語で会話をしているのに対し補習校と家庭では日本語を使っているので、英語と日本語をバランス良く身につけることができます。

しかし一方で、平日の3時までアメリカンスクールで学んだ後に午後と土曜日に補習校へ通うというのは子どもにとって相当な負担になるはずです。普通の小学生であれば放課後や週末は校庭や友達の家で遊んだりするのが普通だと思うので、その間も学校で勉強をするというのは個人的には少し心苦しく思います。

また、友達ができて学校に慣れて来た頃に会社から突然の帰任命令が発動され帰国しなければならないかも可能性もあるので、英語と日本語を同時に学べる環境とはいえ、とても大変だなと思います。

・・・というのは建前ですが、チェンナイのアメリカンスクールに子どもを通わせている台湾人と韓国人の保護者数名からは以下のような情報を聞いています。

  • 同じ国の子ども同士で固まるから英語が身につかない
  • 試験がないから学力が向上しない
  • 休みが非常に多い(例えば、2019年のお正月休みは1月17日までだったようです)

ある韓国人のママさんは「英語が身につくわけでもないし、一方で韓国国内の学校に比べて勉強も遅れているから将来が心配」などと言っています。

一方で、ある日本人の方からは「娘はアメリカンスクールで外国人の友人もでき、英語力も伸びた」という話も伺いました。

つまり、外国人と交流したり英語力を鍛えたりする環境は整っているものの、実際に英語力が伸びるかどうかは子どもの性格や興味によるところが大きいのかも知れません。

但しその日本人の方も、日本へ帰任してから日本の公立学校の授業へ追い付くのはかなり苦労したとおっしゃっていました。

インド駐在を単身赴任で乗り切るか家族帯同にするかは、子どもの学校だけではなく総合的な判断が必要になります。

駐在時の家族の生活全般については インド駐在・現地採用の家族(配偶者と子ども)の生活という記事をご参照ください。

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