インド駐在・現地採用の家族(配偶者と子ども)の生活

※写真はチェンナイアメリカンスクールの入口です。

インドはとても生活環境がハードなため、インドへ駐在される方は単身赴任か家族帯同かで迷われると思います。

また、インドは給与水準の割に物価が低く、現地採用であっても片方の稼ぎだけで生活していけるため、家族帯同をされる現地採用の方もいます。実際、私は現地採用で妻を帯同(妻は専業主婦)していますし、中にはお子さんを帯同されている方もいます。

※但し、ビザ支給基準ギリギリの給与額で家族帯同をすると少し生活は苦しいかも知れません。

そこで、この記事ではインド就労者の家族の生活の様子についてご紹介します。

専業主婦も専業主夫も有り得ることですが、奥さんが海外駐在で男性が専業主夫というケースは今のところ聞いたことがないので、この記事では便宜的に「家庭主婦」と書きます。決して専業主夫を否定するものではございません。

就労者本人より苦しい家族の生活

海外就職を検討したとき、インドではありませんが、ある企業での面接で

面接官
夫婦で海外にいらっしゃる場合、旦那さんはまあ仕事があるからいいんですよ。肝心なのは奥さんなんですよね。奥さんが耐えられなくて帰るケースが多いです。

と言われたことがあります。最初はピンと来ませんでしたが、インドへ来てからその言葉を非常に実感するようになりました。

インドに来て、多くの方から

よく奥さんが一緒にインドへ来てくれましたね!駐在でもインドにはついて来ないケースが多いんですよ。

と言われます。奥さんが帰りたがっているのに旦那さんがインドから離れようとしない結果、離婚したという事例も何件か聞いたことがあります。

実際、私も住んでみて、確かに家族の方が負担が大きいのではないかと感じるところはあります。そこで、具体的に何が大変なのかをご紹介します。

子どもがいない夫婦の場合

子どもがいない夫婦の配偶者の場合、一言で言うと「やることがない」という方が多いです。

仕事を見つけられれば良いですが、日本とは異なり就労ビザの関係でパートタイムの仕事はできません。

※アジアで、配偶者ビザで働くことができるのはシンガポールと香港くらいではないかと思います。

インドでは月給数千ルピーで家政婦さんを雇えるので、お子さんがいないのであれば家事は家政婦に任せてフルタイムでガッツリ仕事をするのも良いかも知れません。

インドは慢性的に日本人不足のため未経験可の仕事も数多くあるですが、「せっかくインドに来ているので夫婦で旅行がしたい」とか「そこまでガッツリ働きたくない」という場合にはインドで仕事をすべきではないかも知れません。

もしインドで仕事をしない場合には、以下のような問題が発生します。

  • 仕事がないので家に引きこもりがち(習い事と言っても、週5日通うのは大変です)
  • 狭い日本人社会での付き合いで疲れる
  • 言葉が通じない環境での生活にストレスを感じる

インド生活で感じるストレスの詳細については下記記事をご参照ください。

中には、ヨガや英会話教室に通いつめ、奥様方のサークルに積極的に顔を出して充実した生活を送っている方もいらっしゃいます。

しかし一方で、インドでの生活や日本人との付き合いに馴染めず、引きこもりがちになってしまう方もいらっしゃいます(「暇だから、嵐の活動休止会見を暗記するほど見た」という方もいらっしゃいました)。

日本のテレビをリアルタイムで見られるサービスなどもありますし、YouTubeなどはいくらでも見られますので、「1人で引き籠っても幸せ」という方には最高の環境かも知れませんが、全ての方がそうとは言えません。

夫婦で来られる場合には、事前に期間を決めたり、主婦さんが耐えられなかった場合にどうするかを事前に検討しておくなどの準備が必要です。

子どもがいる家族の場合

駐在員の子どもは、デリーやムンバイであれば日本人学校へ通うことになります。一方チェンナイやバンガロールの場合、日本人学校はないので、アメリカンスクールやインターナショナルスクールに通いながら放課後や週末に補習校へ通うことになります。

駐在員の奥さんは毎日学校への送り迎えがあるので、暇になることはなく、学校を中心とした生活になります。そして、学校の保護者同士の繋がりを通じて人間関係も広がります。

チェンナイのアメリカンスクール・補習校について

私自身には子供がいないため直接補習校と関わる機会はありませんが、子どもをチェンナイのアメリカンスクール・補習校へ通わせている方から人伝てに聞いたことをご紹介します。

チェンナイ補習校

チェンナイ補習校の概要

海外で暮らす日本人の子女向けに、世界各地の都市に日本人学校が設けられています。

日本人学校とは、海外在住の親が自分の子どもに日本と同様の教育を受けさせるために入学させる学校です。インドにはニューデリーとムンバイに日本人学校があります。多くの日本人学校は小学校と中学校のみで、高校の日本人学校があるのはニューヨーク、上海やシンガポールなど世界全体でごく一部の都市のみです。

しかし、私が暮らしているインドのチェンナイには日本人学校がありません。

日本人学校が存在しないチェンナイの子ども達はどうするのかというと、平日の午後3時まではアメリカンスクールに通い、平日の午後3時から午後5時と土曜日には日本の補習校に通うそうです。補習校というのは、(チェンナイの場合は)アメリカンスクールの敷地の一部を借りて小学校1年生から中学校3年生まで日本の授業をやる学校です。

※小学生は平日の午後に毎日2時間ずつ、中学生は土曜日に6時間授業を受けるそうです。日本の補習校は世界各地にありますが、平日に毎日授業をしているのはチェンナイの他メキシコ、タンザニア、オマーンにしかないそうです。

日本のように子どもが徒歩で自宅から学校まで通学するのは治安上の観点から非常に危険なため、通学は基本的に親が車で送迎します。子どもをアメリカンスクール・補習校へ通わせてる親御さんは非常に忙しそうです。

アメリカンスクールと補習校の学費

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学費は目玉が飛び出るほど高いです。アメリカンスクールと補習校それぞれに学費を払うのですが、アメリカンスクールの下記ホームページによると入学金だけで10,000ドル、登録料が4,000ドル、授業料は小学校以上の場合は年間25,000ドルかかります。インドルピーではなくアメリカドルです!入学の費用だけで150万円以上、年間授業料は250〜300万円かかることになります。

諸外国・地域の学校情報

補習校については入学金と月謝がそれぞれRs.12,500(約2万円)かかるそうです。

https://jschool2013.jimdo.com/学校案内/

とにかくアメリカンスクールの授業料が高いですが、駐在員の場合には会社が負担してくれます。本来であれば日本国内で公立の学校へ通えるはずだったところを会社都合で海外に来ることになったため、その費用は会社が負担するということです。

一方、現地採用の場合にはもちろん子どもの学費など支給されませんが、現地採用の給与でアメリカンスクールの費用など払えるはずがないので日本国内へ転職するしかありません。

ちなみに、ニューデリーにある日本人学校の場合には入学金が200,000ルピー(約30万円)で学費が月に25,000ルピー(約40,000円)なので、こちらであれば頑張れば現地採用でも手が届きます。

http://ndjs.org/入学金等/

駐在員の他にアメリカンスクールと補習校へ通える人がいるとすれば、現地で成功している経営者くらいではないでしょうか?

補習校のメリット

日本人学校(または日本国内の一般的な小中学校)と比べたときの補習校のメリットは、平日の午後3時まではアメリカンスクールに通っているため、英語と日本語の環境の両方で学習ができることです。

チェンナイのアメリカンスクールは半分が韓国人、2割が日本人で残りはドイツ人やインド人だそうなので、子どものうちから国際的な環境に身を置くことができます。アメリカンスクールとは言うものの、アメリカ人は少ないようですね。

チェンナイの小中学生はアメリカンスクールでは英語で授業で受け、クラスメイトとも英語で会話をしているのに対し補習校と家庭では日本語を使っているので、英語と日本語をバランス良く身につけることができます。

しかし一方で、平日の3時までアメリカンスクールで学んだ後に午後と土曜日に補習校へ通うというのは子どもにとって相当な負担になるはずです。普通の小学生であれば放課後や週末は校庭や友達の家で遊んだりするのが普通だと思うので、その間も学校で勉強をするというのは個人的には少し心苦しく思います。

また、友達ができて学校に慣れて来た頃に会社から突然の帰任命令が発動され帰国しなければならないかも可能性もあるので、英語と日本語を同時に学べる環境とはいえ、とても大変だなと思います。

・・・というのは建前ですが、チェンナイのアメリカンスクールに子どもを通わせている台湾人と韓国人の保護者数名からは以下のような情報を聞いています。

  • 同じ国の子ども同士で固まるから英語が身につかない
  • 試験がないから学力が向上しない
  • 休みが非常に多い(例えば、2019年のお正月休みは1月17日までだったようです)

ある韓国人のママさんは「英語が身につくわけでもないし、一方で韓国国内の学校に比べて勉強も遅れているから将来が心配」などと言っています。

一方で、ある日本人の方からは「娘はアメリカンスクールで外国人の友人もでき、英語力も伸びた」と言っていました。

つまり、外国人と交流したり英語力を鍛えたりする環境は整っているものの、実際に英語力が伸びるかどうかは子どもの性格や興味によるところが大きいのかも知れません。

但しその日本人の方も、日本へ帰任してから日本の公立学校の授業へ追い付くのはかなり苦労したとおっしゃっていました。

親の駐在に際して単身赴任にするか、家族帯同にするかを検討される際のご参考にして頂ければと思います。

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