インド駐在の苦労

これからインド駐在をする予定の方の中には、果たしてインドで暮らしていけるか不安のある方も多いと思います。

また実際にインドへ駐在後、あまりにも生活が地獄すぎて苦しんでいる方も少なくないと思います。

インドは好き嫌いが両極端に分かれる国と言われており、好きな人は永住したいと思うほどハマるものの、嫌いな人は蕁麻疹が出るほど拒否反応を起こします。

私自身はインドが好きなのですが、「インドは絶対に無理」という方にも何人もお会いしていたので、インドを好きになれない方の気持ちも分かります。

嫌いな方が無理して「好きになろう」としても無理ですし、誰にでも好き嫌いはあるので、インドが嫌いなことは別に悪いことではありません。

インドが好きか嫌いかは実際に来てみないと中々分かりませんが、この記事では「インドが無理」と感じる方が、どうしてインドを無理だと感じるのか、またどのように乗りきっていけば良いかをご紹介します。

特に、海外駐在は本人よりも家族の方が負担が大きいと言われることもあります。

なぜなら、駐在者本人は平日昼間は仕事で気が紛れますが、家族は気晴らしもできないからです。

私の知人でも発狂しそうな奥様やお子様が少なくありません。

単身赴任か家族帯同かは真剣に検討されることをおススメします。詳しくはインド駐在・現地採用の家族(駐在妻と子ども)の生活をご参照ください。

現地採用でも「キャリアアップにのみ関心があり、インド文化には興味ない」という人はインド生活が地獄だと感じると思います。

東南アジアと比べればケタ違いにキツい環境であるのは間違い無いので、地獄だと感じるのも無理はないです。

先日ツイッターで「日本とインドのどちらが暮らしやすいですか?」というアンケートを取りました。

200名の方にご回答いただき、「日本よりもインドの方が暮らしやすい」と回答した方は38%に留まりました。

日本よりもインドの方が暮らしやすい人が38%もいるなんて信じられないんだけど・・・

という感想をお持ちの方もいるかも知れませんが、インドのツイッターアカウントは殆どが経営者、現地採用、留学生、インド人の配偶者など「自分の意思でインドを選んで来た人」なので、もともとインドが好きな人が多いです。

それでも62%が「日本の方が暮らしやすい」と回答しているということは、駐在員と家族の場合にはこの割合が更に高くなると思います。

参考までに、タイの現地採用にアンケートを取ったところ、85.1%が「日本よりタイの方が暮らしやすい」と回答したそうです(タイの日本人向けフリーペーパー「DACO」2018年11月20日版「現採白書」より)。

この事実を見ただけでも、インドが東南アジアより遥かに厳しい環境であることが想像できるかと思います。

この記事を読めば、インドの何が大変なのか、どうすれば帰任まで乗り切っていけるかが分かります。

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なぜインドの生活は地獄なのか

インド生活が地獄になってしまう理由は無数にありますが、主な理由を3つご紹介します。

食べ物がマズい

インドではヒンドゥー教の教義上、牛肉や豚肉、そしてアルコールはなかなか手に入りません。

もっとも地域によって差があり、バンガロールでは牛肉もビールも簡単に入手できますが、インド全体で見るとバンガロールは例外的です。

私が住んでいるチェンナイは極めて保守的な地域のためアルコールと肉の入手が極めて困難です。

韓国食材店などへ行けば肉も含め最低限の食材は揃いますが、売っていても決して美味しくはない冷凍肉です。

日系のモール等が充実している東南アジアと比べれば何も無いに等しいため、半年に1度、バンコクへ肉の買い出しへ行く人も少なくありません(最近は検疫が厳しくなっているようですが)。

バンコクへの買い出しに関する詳細はインド在住者がタイのバンコクへ買い出しに行く時に必要な情報まとめをご参照ください。

インドであっても鶏肉、羊肉、野菜、果物は比較的簡単に入手できます。野菜はニラなど一部を除き、ほぼ全ての種類を入手できます。

とはいえ、日本や東南アジアのようにコンビニが充実しているわけではなく、昼間にスーパーへ行かなければなりません。

またスーパーも街中至る所にあるわけではないので、計画的に食材を購入・消費する必要があります(全てメイドさんに任せるのもありですが)。

一方、単身で仕事をしている方は外食中心になりがちですよね。

インド人の味覚は日本人とは違うため、たまに食べる分には良くても日常的にインド料理を食べるのはしんどいです。

これは逆も同じで、在日インド人は日本米がマズすぎて食べられず、わざわざインドから米を輸送するそうです。

インドといえども5大都市なら日本食レストランはありますが、数が限られています。

従って、日本食レストランへ行くと就業後や週末にも職場や取引先の人と顔を合わせることになり、職住分離ができずにストレスを感じるという方もいます。

東南アジアであれば、その辺の屋台やローカルレストランにフラっと入って美味しいものを食べられますが、インドの屋台はキツいです。

インドで美味しいものを食べようと思ったら車を飛ばしていかなければならないことが多く、いくらドライバー付の生活といえども面倒でウンザリします。

イライラすることが多い

インドはとにかく物事が進みません。例えば、以下のような問題が発生します。

  • 朝10時に来ると言っていた空調の修理が夜6時に来る
  • 水道から赤錆びた水が出たり、頻繁に停電したりする
  • 外を歩けず運動不足になる

インドでイライラする理由はたくさんあり、挙げだすとキリがないため別の記事でまとめました。

インドでイライラする理由の詳細についてはインドの生活が大変である8つの理由【インド駐在・就職予定者必見】をご参照ください。

時間もお金もあるが、やることがなく退屈

インドでは日系企業であっても日本国内ほどの長時間労働や休日出勤等はなく、時間は比較的あります。

一方お金についても、駐在員は手厚い手当てがありますし、現地採用であっても物価が安い分日本より余裕のある生活を送れるのが一般的です。

しかし、お金と時間があったとしてもやることがなくて退屈という方が少なくありません。

外へ出ようにも散歩をできる状況でもありませんし、日本のようにちょっとしたコンビニなどもなく、カフェを探すのも大変です。

日本であれば休日イオンモールへ行ったり、本屋や図書館で読書をしたり、映画館へ行ったり、といった気晴らしもできます。

一方、インドの映画館は英語字幕すらない現地語のものが多いですし、リラックスできるモールも少なく、本は英語のみです。

娯楽の少ないインドでは次第に家へ引き籠るようになり、監獄生活のようになってしまう方も少なくありません。

駐在期間を乗り切る方法

インド駐在にウンザリしたとき、会社が帰任を認めてくれれば良いですが、認めてくれなければ転職するか独立するか耐えるしかありません。

現実的には耐えるしかないケースが少なくないと思うので、帰任までの乗り切り方についてご紹介します。

やることを見つける

インドへ引っ越してきた当初は全てが真新しく新鮮で面白く感じるのですが、半年ほどすると慣れてしまい、新鮮さを失ったインドはただの地獄でしかない、と感じる人も多いかも知れません。

2~3年の駐在期間を我慢すれば良いだけのはずなのですが、この2~3年がとてつもなく長いのです。

人間、年齢を重ねれば重ねるほど時の経過は早く感じるのが一般的です。小学生の頃は1年がとても長いように感じますが、大人になると「また年越しか」となります。

ところがインドにいると時間の経過がとても遅く、小学生の頃よりも1年が長いのではないかと感じるほどです。

特に最初の半年から1年ほどが最もしんどく、1ヶ月が1年ほどに感じます。

色々と調べたところ、退屈すぎて病んでいる時に人は時の経過を遅く感じるようです。刑務所の囚人なども、遅く感じるのではないでしょうか?

人を待っている時などは時の経過が遅く感じますが、帰任を待っているインド生活というのは常に時の経過が遅く感じ、帰任まで乗り切れる自信を失ってしまいます。

従って、まずはやることを見つけるのが良いかも知れません。

休日の過ごし方については別の記事でインドで生活している日本人にオススメな休日の過ごし方5選をご参照ください。

上記の記事にも書きましたが、インド駐在ではお金も時間も有り余るので、旅行をしやすいです。

インドはユーラシア大陸の真ん中に位置しますので、インド国内旅行に限らず、日本からは行きづらいヨーロッパ、中東、中央アジア、東南アジアなどへも家族旅行をしやすいです。

駐在であれば毎月旅行へ出かけても大丈夫だと思います。日本にいる限り海外旅行は年に数回になってしまいますので、その点がメリットだと感じられればインド駐在はきっと楽しくなるはずです。

日本人に愚痴を言う

インドのキツさはインドに来なければ実感できないので、日本に住んでいる知り合いに愚痴を言っても中々共感してもらえないと思います。

インドの愚痴はインド在住者に話すのが一番ではないでしょうか。

駐在員が多い都市(デリー・グルガオン、ムンバイ、バンガロール、チェンナイ)には日本人会があり、サークル活動なども盛んに行われています。

そういった活動に参加して知り合いを作り、日頃のストレスを思いっきり吐き出してみてはいかがでしょうか。

但し、中には気が乗らない誘いまで断ることができず、日本人同士の付き合いに疲れてしまうという方もいます。

この点は、ご自身の性格を踏まえてバランスを取ることが必要です。

日本の悪いところを思い出してみる

先日、下記のツイートをしました。

日本は清潔でサービスが素晴らしく、ご飯も美味しくていつでも快適に過ごすことができます。

しかし、高品質なサービスは労働者側の負担によって成り立っているので、働く側からしたら大きな負担になります。

具体的には

  • 通勤ラッシュに遠距離通勤(日本に専属ドライバーはいない)
  • 高い家賃(会社は家賃を負担してくれない)
  • 長時間労働(家族と過ごす時間は短い)

などが挙げられるのではないでしょうか。

これらは全て東京を始めとする大都市圏の欠点なので地方へ行けば違うかも知れませんが、地方だと都市に比べて職種が限定されてしまいます。

インドでは、上記に挙げたようなストレスからは解放されるはずなので、イライラしたら日本の欠点を思い出してみるのも良いかも知れません。

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まとめ

私自身はインドの歴史や文化に興味があるため、比較的インドでの生活を楽しめています。

しかし周りでは、インド生活を苦しんでいる人が少なくありません。

インドは「好きな人は骨を埋めたくなるほど大好き」「嫌いな人は蕁麻疹が出るほど大嫌い」という両極端の国です。

駐在者でもインド生活を謳歌している方は大勢いますが、インド嫌いの人が無理してインドを好きになるとしても無理なものは無理です。

無理にインドを好きになろうとすると却って苦しくなるのではないかと思います。

インドを好きになるのは諦めて、週末にタイやシンガポールなどへ行って定期的にリフレッシュしつつ、何とか騙し騙し乗り切れるよう頑張ってください!

私が住んでいるチェンナイが中心にはなりますが、インド生活については下記記事をご参照ください。

こちらの記事を読んでインド生活のイメージを持っていただき、駐在を承諾するか、家族帯同か単身赴任か、などをご検討ください。

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