
コロナ以降、日本ではインドへの注目度が高まっています。
多くの日系企業がインドへ進出しているため、インドでは日本人の採用需要も高まっています。
インド就職には、他の国にはない多くのメリットがあります!
・就労ビザに職歴や学歴要件なし
・日本人が少なく現採でもチャンスが豊富
・現地の人達が英語ペラペラ
・日本人の最低給与がローカルの大卒初任給の約5倍海外就職できるアジアの国はいっぱいありますが、こんな素晴らしい条件を全部満たすのはインドだけではないでしょうか。#インド#海外就職
— たつや@インドwith中国妻 (@asia_kaigailife) November 17, 2019
こんな方にはインド就職がオススメです。
- 短期間で濃い経験を積みたい人
- キャリアに自信がなく、これから自信をつけたい人
- 若いうちからマネジメント経験を積みたい人
- 英語力を徹底的に鍛えたい人
- 30代を過ぎて未経験職種へ挑戦したい人
- ルールに縛られず自分で考えて動きたい人
私は2018年から2022年までインドのチェンナイの会社で働き、2022年から中国広州で働いているTATSUYAと申します。
この記事では、どうしてインドなのか?他の国とどう違うのか、インド就職のメリットをご説明します。
Contents
メリット1:日本人が不足しているからチャンスが豊富
インドは、日本人が圧倒的に少ないです。
マレーシア | タイ | インド | |
日系企業数 | 1600社 | 5800社 | 5000社 |
日本人数 | 2万人 | 7万人 | 8000人 |
日本人数/1社 | 12.5人 | 12人 | 1.6人 |
単純計算で、タイやマレーシアの日系企業では1社に12人の日本人がいます。
一方、インドの日系企業ではたった1~2人の日本人で会社を回している計算になります。
もちろんタイやマレーシアには
- 子供の教育目的で移住した家族
- 定年後のセカンドライフを送っている方
- 外資系や現地企業で働いている人
など、日系企業で働く以外の日本人も大勢いるため、単純比較は乱暴すぎます。
しかし、それを差し引いて考えてもやはりインドの日系企業では圧倒的に日本人が不足しています。
なぜなら、タイやマレーシアは人気が高いですが、インドは不人気だからです。
インドビジネスで儲けたいのに、インドに住んでくれる日本人の従業員がいなくて困っている日系企業は多いのです。
では具体的に、日本人が不足しているインドにはどんなチャンスがあるのでしょうか?
未経験の若手でも責任のある仕事を任せてもらえる
インドでは日本人が不足しているので、若くても、未経験でも責任のある仕事を任せてもらうことが可能です。
これは私の経験からも間違いなく、インドで転職エージェントから紹介された求人は、他の国に比べて裁量と責任の大きい仕事が多かったです。
例えば
- インド人スタッフのマネジメント
- 新規顧客開拓
- 社内制度の構築
などです。
インドには進出したばかりの日系企業が多く、日本人同士のコネクションや社内の内部統制なども他の国ほど固まっていません。
日本や他の国であれば大きな業務の一部分しか担当させてもらえない若手でも、インドならプロジェクト全体を見渡した仕事を担当できるので、ゼロから1を作り上げる経験を積むことが可能です。

新規開拓営業なんてやりたくないよ
と思うかも知れませんが、インドでは
- 日本人との会話に飢えている日本人が多い
- ビジネス拡大のため仕入先を増やしたいと思っている会社も多い
- 様々な課題で悩んでいる会社も多い
- とりあえず日本人なら会いたいと思っている
などの事情から、インドでは新規アポが取りやすく、実績を上げやすいので成功体験を積むことができると言われます。
一方、中国や東南アジアでは既に進出してから歴史のある日系企業も多いので、既にサプライチェーンが固まっていて新規開拓は難易度が高くなります。
学歴や職歴を問われない
インドでは過去の経験よりも将来のビジョンを問われます。
もちろん職種や専門性、年齢によって差はありますが、中国や東南アジアと比べると経験の浅い人にも門戸を開いてくれます。
なぜなら、多くの国では就労ビザの要件に大卒の学歴や就業年数などの要件を設けていますが、インドの就労ビザには学歴や職歴要件がないからです。
インドも以前に比べると新卒や未経験での就職のハードルが若干上がったとも聞きますが、それ以上に日系企業の進出ペースも上がっているため、日本人のニーズは高まっています。
他の国に比べると圧倒的に未経験や若手に対するチャンスが開かれています。
待遇が良い
タイやマレーシアなどで働く場合に比べると、インドで働いた方が待遇は良く、貯金もできます。
最近は円安で日本の物価が海外と比べて安くなったと言われていますが、インドの物価や賃金はまだまだ日本よりも安いです。
インドは大卒の新卒初任給が約4.4万円(2.5万ルピー)と言われています(参考サイト)。
日本人はビザの関係で最低給与が約24万円(13.5万ルピー)ですから、たとえ20代の若手でも、未経験職種の人でも、日本人ならインドでは豊かな暮らしを送ることができます。
実際、インドで働いている私の知人は20代の若手でも週末には頻繁に中東や東南アジアへ遊びに行っています。
メリット2:英語力が伸びる
インドは他の国と比べて英語力を伸ばす環境が整っています。
英語が苦手な人でもチャレンジしやすい
香港やシンガポール、欧米などは初めから専門性や英語力の高い人でないと門前払いされてしまいます。
しかしインドは日本人が不足しているため、英語の実務経験がなく英語が得意でない人にもチャンスが与えられます。
但し、無事に会社に採用されて就労ビザが下りたからと言って、本当に一言も英語を話せないままインドへ行ってしまうと到着してから地獄を見ます。
日本語を話せるインド人は皆無に等しく、またインドでは日本語で情報を取ることもできないので、英語で生活のセットアップをしなければいけません。
高校生(英検2級、TOEIC550点)くらいの会話ができた方が良いと思います。
とはいえ「付帯状況を表す分詞構文」とか「仮定法過去」「倒置文」などのややこしい文法は必要ありません。
英文法は中学レベルで十分で、単語だけ高校レベルのものを覚えてリスニングの練習をすれば十分です。
そこまでの英語力あれば、あとは現地でサバイバルするうちに勝手に英語力が伸びていくと思います。
日本語を話せるインド人は少ない
中国や東南アジアだと、日本語を話せる現地スタッフが豊富なので、何か困ったことがあったら日本語で助けてもらえます。
最も分かりやすい例が日本食レストランですが、私が住んでいる中国広州の日本食レストランの従業員は皆さん日本語がペラペラでした。
たまに中国語で接客されると

なんで日本食レストランなのに中国語の接客なんだろう。まさか日本語を話せる人がいないのかな?
と思ってしまうほどです。それに対してインドの日本食レストラン(数も少ないです)で働くインド人スタッフは基本的に誰も日本語を話せません。
このメニューの日本語は見るに堪えません...
例えば右下は、英語でトム・ヤム・シーフード・ラーメンと書いてあるのに、日本語でサーモンいくら丼と書いてあります。
これはインドのとある日本食レストランがメニューをアップデートした時に現れたメニューですが、スタッフが誰も日本語を理解できないことが分かります。
さすがに日本人客からクレームが殺到したようで、2週間くらいで正常なメニューに差し替えられました。
私はインドの会社を退職したあと中国で働いていますが、どこの取引先を訪問しても日本語を話せる優秀な中国人スタッフが大勢います。
中国や東南アジアでは、営業事務や総務などの仕事は、日本人ではなく日本語の話せる中国人が担当しています。
それに対して日本語を話せるインド人は皆無に近いので、インドの日系企業では日本人が営業事務や総務を担当するケースが多いです。
つまりそれだけ、英語力を伸ばせるチャンスがあるということです。
「英語力はインドへ来てから伸ばせばよいから、とりあえず日本人を採用したい」というのが日系企業の意向です。
日常生活でも英語を使う機会が多い
中国で生活していると、環境が快適すぎて毎日の生活で中国語を使う必要性が少ないと感じます。
例えばデリバリーや配車タクシー、買い物の決済などが全てアプリの簡単な操作で完結するので、中国語を話す必要がありません。
意識しないと中国語を全く話さない週末も多いです。
それに対してインドでは
- シャワーから水が出ず業者を呼ばなくてはならない
- カフェでコーヒーを注文したのにミルクティーが来る
- デリバリーが隣の家に届く
- 配車アプリでタクシーを読んだらドライバーから電話が来る
- 正しい切符を買ったのに、改札を通れず駅から出られない
のような意味不明なトラブルが毎日起こり続けるので、そのたびにインド人と英語で交渉しなければなりません。
普通にインドで生活しているだけで、気がついてみたら英語力が鍛えられているのです。
東南アジアで働いている日本人からは

もう働き始めて2年が経つけど、意外と英語を使う機会がなくて英語力が伸びてないんだよね
という悩みをよく聞きますが、インドで働いている日本人からそういう不満を聞いたことはありません。
1年くらいインドに住んでいると、世界一弁が立つと言われるインド人と対等に議論できる英語力を身に着けることが可能です。
インド人同士も英語で会話をしている
ベトナムやタイ、インドネシアでは、日本人とローカルスタッフが話す時は英語を使いますが、現地人同士はベトナム語やタイ語、インドネシア語で会話をし、メールをしています。
インドの場合、ビジネス言語が英語なので
- インド人同士のメールのやり取りも全て英語
- セミナーなども全て英語
- 政府の法令や契約書も全て英語
です。
インドは地域によって言葉が異なり、英語が共通語の役割を果たしているので、インド人の英語力は極めて高いです。
その環境に身を置くことで英語力を伸ばすことができます。
英語コンプレックスが消える
英語圏(アメリカ、カナダ、イギリスなど)へ留学しても英語コンプレックスが抜けない人は多いようですが、インド人と接しているとあまり気にならなくなります。
インドには様々な英語レベルのインド人がいて、様々な訛りの英語を話すので、相手の英語が正しいかどうか、訛っているかどうかは気にせず、ネイティブを相手にしても堂々とインド英語を話します。

アメリカ人の英語は間違っているから、アメリカ人は我々インド人から正統なイギリス英語を学ぶべきですね。
と自信満々に話すインド人もいます。インドではイギリスでも使われなくなった古い英語が残っているそうで、正統な英語を使っていると誇りに思っているインド人も多いです。
また、たまに日本語を話すインド人もいますが、彼らも間違っていても伝わらなくても堂々と日本語を話します。このメンタルは凄いです。
「国際会議を成功させる秘訣は、インド人を黙らせて、日本人に喋らせることだ」というジョークがある。自分の英語のクオリティをまったく気にしないで喋り続けるインド人の度胸というか根拠のない自信を、少し見習った方がいいんじゃないかと思う。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) December 16, 2015
私は中国へ来てからは中国語で仕事をしていますが、ネイティブの中国人を相手に臆せず中国語を話せるのは、インド人にメンタルを鍛えられたお陰です。
メリット3:キャリアアップできる
多くの人がインドでの仕事の経験を活かしてキャリアアップしています。
短期間で社会人基礎力を鍛えられる
2006年に経済産業省が12の社会人基礎力を定めました。
- 前に踏み出す力:主体性、働きかけ力、実行力
- 考え抜く力:課題発見力、計画力、創造力
- チームで働く力:発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力
「インドの1年は日本の5年に匹敵する」と言われますが、インドではこれらの社会人基礎力を全て短期間で鍛えることが可能です。
なぜかと言うと、インドでは仕事でも生活でも常に様々な問題が起こり続けるからです。
日本では想像もつかない方向から予想外の問題が起こり、自分で状況を把握して決断・行動しなければなりません。
インドではルールを決めても決めた通りに物事が進まないので、日本の常識に当てはめて考えず、常に柔軟な対応が求められるのです。
私がインドで経験した出来事についてはインドで経験した人生観が変わるレベルの仰天エピソード5選でご紹介しています。
インドで働くのは大変ですが修行の場としては最高です。
私の知人に、インドで働いた後アフリカ(ケニアやナイジェリアなど)へ移動した人が何人かいるのですが、異口同音に

アフリカよりインドの方が発展してるけど、アフリカはインドほど意味不明なトラブルが起こらないし、アフリカ人の方がインド人より静かで快適だなぁ
と言っています。
インドを経験したら世界中どこでも通用する人材になれると言われますが、間違いなさそうです(治安の悪い場所は除く)。
希少性のあるキャリアになる
インドに長くいる人は珍しく、多くの人は2~3年くらいインドで働いて日本へ戻るか他の国へ行きます。
インドで働いた経験のある人は珍しいですから、履歴書・職務経歴書にインドで働いた経験があると採用担当者の関心を引きます。
- インド人を相手に英語で仕事をした経験がある
- インド人スタッフのマネジメント経験やインド人との交渉経験がある
- ハードなインド生活を乗り越えてきたタフさがある
など、インド経験を通じてアピールできることはたくさんあります。
私もインドのあと中国へ来て、取引先の人達から「インドにいたんですか?!」と、興味を持たれることが多いです。
デメリット:仕事も生活も大変
インドは東南アジアと比べて生活が格段にハードです。
とはいえ、紛争がある訳でもなければ、南米のように強盗に襲われるほど治安が悪いわけでもありません。
では何が大変かと言うと
- 食べ物が口に合わない
- 日本のものが手に入りにくい
- インド人が時間にルーズすぎる
- 大気汚染
などが挙げられます。具体的にはインドの生活が大変である8つの理由【インド駐在・就職予定者必見】の記事でご紹介しています。
中国や東南アジアでは、どこの駅で降りてもセブンイレブンがあり、中心地にはイオンやニトリ、大戸屋やドン・キホーテなどもありますから、平均的な日本の県庁所在地よりも日本人にとって暮らしやすいかも知れません。
しかしインドには日本のお店や商品は殆どありませんので、しっかり海外感を味わうことができます。
「インドが大好き」または「もうインドには二度と行きたくない」という感想はどちらもよく聞きますが、
という感想だけは聞いたことがありません。
インドには多くのメリットがありますが、良くも悪くも強烈で人によって好き嫌いが極端に分かれる国なので、無理な人にとっては本当に無理です。
Zoom面接でインドの会社から内定をもらい、就職時が人生初めてのインド入国で、到着してから

インド無理~。思ってたのと違った。
となってしまったら勿体ないので、できればゴールデンウイークや年末年始などの長期休暇でインドへ下見に行き、適応できそうかどうか判断しましょう。
そうは言っても、初めてのインド就職に不安がある方、何から手を付けて良いか分からない方は、プロの海外就職コンサルタントからサポートを受けるのがオススメです。
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