短期間でのキャリアップを目指してインド就職を決意
英語を伸ばしたい、キャリアアップしたい、でも海外旅行など遊びの面も諦めたくないという私にとって、海外就職は全てが叶う選択でした。
2017年の当時は27歳でしたが、2度転職をし、その間海外に行ったりしている期間もあり、キャリア的に弱いと感じていました。
30歳までに会社に必要とされるスキルを身に着けたいと考えた時に、このまま日本で働いても、他の新卒からキャリアを積んできた人達には追いつけないと思いました。
その点、海外で働いた方が市場価値を上げられ、裁量の多い仕事を経験することができ、また精神面でも成長できるのではと考えました。
英語圏の国であるマレーシア、フィリピン、インドを検討しました。
マレーシアはビザの取得に5年の職務経歴が必要だったので厳しかったです。
最終的にフィリピンとインドの比較になりましたが、これからの経済の伸びを注目されているインドでの経験は自分の市場価値を上げられると思いましたし、成長するためにできるだけタフな環境を選択をしたいと思いました。
また、元々旅行が好きで旅行も楽しみたかったので、インドがベストな国でした。
元々その業界に興味があったところ、向こうから声を掛けてくれ、トントン拍子で話が進みました。
また、就職前に日本で数ヶ月間の研修もしてくれるということで、安心感がありました。
一次面接は採用決定権のある日本人による面接でした。
二次面接はインド人による英語力チェックでした。
自己紹介、志望動機などで一般的な質問で、難しい質問はなかったです。
三次面接で日本本社の役員との面接がありました。
旅行英語程度で、英語力には自信がありませんでした。
TOEICでいうと400点程度でした。
カナダにワーホリで7ヶ月間、フィリピンで3ヶ月留学しました。
私が就職した2017年頃はインド就職は今よりもハードルが低く、英語力が日常会話レベルから募集している企業は沢山ありました。
2020年の今は3年前と比べてインドが注目されており、インド就職の希望者も増えてきているためか、ハードルが上がっており、それなりの社会人経験と英語力が求められます。
インド就職を通じて日本人としての自覚をもつ
日系企業向けに営業をしています。
インドは日本人が全土で一万人、チェンナイは800人と規模が小さく、多くの方が顔見知りなので、日本のように営業を断られたりといういうことはなく、温かく迎え入れてくれる方が多いです。
様々な面でインドは日本とは違うので、情報を求めている方も多く、初めての営業でも非常に営業がしやすく恵まれた環境だと思います。
日本だと一言言えば伝わることも、こちらでは詳細に伝えないと後から「それに関しては言われていないのでやっていません」なんてことがあります。
提出物が期限内にあがってこないことも日常茶飯事です。
そのため、途中で何度も進捗状況を確認したり、リマインドを入れる必要があります。
また、口頭で伝えるだけでなく、同じことをメールでも送り、言い逃れ出来ないように証拠を残すのが肝です。
また、報連相の文化がないので、こちらから確認する必要があります。
インドでは一般的に、一々報連相をするのは自分の仕事に自信がないからと捉えられるようで、文化の違いもあり一々報連相はしてくれません。
また、間違いを認めなず、〇〇だったからしょうがないと言って他人や環境のせいにする人が多いです。そのためミスが改善されず、同じ間違いを繰りえしてしまいます。
デリーは陽気で明るい人が多く、派手なことが好き、悪く言えばお調子者といったイメージです。
一方、チェンナイはのんびりしていて、真面目で寡黙な人が多く、日本人との親和性があると感じます。
仕事面で言うと、うちの会社に限った話かもしれませんが、デリーはテキパキ仕事をこなしますが、休憩も多く、定時ぴったりに退社する、オンオフがはっきりしている人が多いです。
チェンナイは休憩もせずに黙々と働いていますが、仕事が終わらず残業する人も結構います。
定時は9:00〜17:45で、大体18時には会社を出ています。必要があれば残業しますが、次の日に持ち越しても問題ない仕事であれば、次の日にするようにしています。
日中は仕事も忙しく、ストレスも多いので、オンオフを付けるように意識しています。
流暢とは言えないものの、社内での意思疎通は問題なくできますし、営業先でインド人と会議することもできます。
ただ、正直な感想としては、自分が想像していたより伸ばすことはできませんでした。
やはりちゃんと勉強しないと、英語環境に身を置くだけでは伸びないと感じました。
また、営業先も日本人、友達も日本人の完全に日本人コミュニティの中で生活してしまったのも要因かと思います。
- 現地医療保険
- 年に一度の帰国費用の負担
- 年に一度の健康診断
- 予防接種費用の負担
- 通勤車の支給
インド就職は明確な目的を持って来るべき
しっかりした、細かい人間になりました。
インドに来る前は、だらしがなく、細かいことは気にしない人だったはずなのですが、周りがそうだと、自分がしっかりしないといけないという気持ちになるみたいです。
その点は親もびっくりするほど変わりました。
また、忍耐力がつきました。
来た当初は自分の想像を超える出来事にイライラしてしまうこともありましたが、今は過度に期待しないこと、他責ではなく自責として考えることを意識するようにしています。
また、「自分の当たり前と人の当たり前は違う」ということをよく理解しました。
文化の違いも大きいですが、人と接する上で、このことを念頭におくことで、相手を理解し、リスペクトして接することができます。
インドに来る前は、自分は海外の方があっていると思っていたし、他人からも海外が合うと言われていましたが、実際にインドへ来て生活してみて、自分は心底日本人だときづかされました。
例えば、時間の感覚や、約束を守る、嘘をつかない、責任感など、、、
私はもうすぐ日本へ帰国します。
転職活動もしましたが、最終的に現職の本社から声を掛けて頂いて、本社で働くことになりました。
日本の役員がインドに出張に来た時に、実績の報告をしたり、食事をする機会があり、その時に知り合えたのが今回のチャンスに繋がりました。
インド就職をして市場価値を上げたいという人が多いですが、単にインドで働いただけでは意味がなく、インド就職を終えた後の次のキャリアを考えた上で、それに繋がる経験を積んだ方が良いです。
また、海外で働いていると、辛いことも、寂しいと思うことも沢山ありますので、その時に「なんで来たんだっけ?」とならないように目的を明確にしておくのは大切だと思います。
インド就職において求められるのは、日本側とインド側の橋渡しになるような存在です。そのため、日本の常識や感覚を理解しているかというのは非常に大切なポイントです。
ただ日本語が話せる方がほしいのであれば、インド人の日本語話者を雇った方が、企業としてはコスト削減になりますから。
Y.A.さんの体験談を読んでアジアでの海外就職に興味を持った方は、ぜひ【はじめてのアジア海外就職】実現までの道のりまとめの記事をお読みください。