「現地採用での海外就職は悲惨だからやめとけ」と言われる3つの理由

皆さんは、海外就職に関する賛否両論の極端なアドバイスを見て不安になることがないでしょうか?

賛成派
アジアでの海外就職は簡単です。誰にでもチャンスがあります。

反対派
海外就職は悲惨だから絶対に辞めた方がいい。

 

海外就職に限った話ではないかも知れませんが、インターネットには極端にポジティブな情報や極端にネガティブな情報が溢れかえっているので情報収集をすればするほど不安になる方も多いと思います。

転職エージェントなどは、皆さんに海外へ来て欲しいので海外就職の良い面ばかりを強調する可能性も高いです。

逆に、個人ブログの中には自分が海外就職で失敗したからと言って海外就職の全てが悪いかのように書いている人もいます。

先日、下記のツイートをしました。

結論から言うと、海外就職をして満足している人もいれば後悔している人もいます。

この記事では、海外就職が悲惨だと感じてしまう理由と、その防止策についてご説明します。

このブログ「アジアで暮らす」は個人ブログですが、現地採用として海外就職をしている人に多数インタビューをしているため、私の経験だけでなく、多くの海外就職実現者の方の経験を基に記事を書いています。

この記事を読めば、海外就職をして直面する大変さが理解でき、それでも海外就職をしたいかどうか判断がつきます。

インターネット上には、現地採用として海外就職をしたら人生が終わってしまうかのように不安を煽っている個人ブログが多数あります。

しかし、きちんと情報収集をしてキャリアプランを立てたうえで海外就職に臨めば海外就職は怖くありません。

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「現地採用での海外就職は悲惨だからやめとけ」と言われる3つの理由

現地採用が反対される理由は大きく分けて3つあります。
  • 駐在員と比べて待遇が悪い
  • 現地採用は駐在員に比べて見下される
  • キャリアアップに繋がらない

駐在員と比べて待遇が悪い

駐在員は会社の業務命令で派遣されて海外へ赴任する人です。

一方、現地採用は自分で国とタイミングを決めて自分の意思で海外へ来る人です。

駐在員は会社の業務命令で海外へ来た人なので、渡航費の会社負担はもちろん、日本の給与や社会保険は維持されたまま海外赴任手当や住宅補助などが支給されます。

子どもがいる場合には、子どもの学費も会社が負担してくれる場合が多いです。

それに対して現地採用は自分の意思で海外へ来ているため、日本の厚生年金からは外れ、自分で国民年金の任意加入に申し込まなければなりません。

また給与も現地通貨での支給のみとなるため、駐在員に比べると大幅に見劣りします。

通勤も、駐在員は会社からドライバー付き社有車を支給されるのに現地採用はタクシー通勤という会社もあります(国や会社によって異なります)。

飲み会のあと、駐在員は自分のドライバーを電話で呼んで会社負担で帰宅できるのに、現地採用は安い給料から自腹でタクシーを手配しなければならないため、そこで格差を痛感するという方もいます。

駐在員と現地採用の待遇差の詳細については海外就職希望者必見!海外駐在員と現地採用のメリットとデメリットの記事をご参照ください。

現地採用は駐在員に比べて見下される

世の中には「駐在員の方が現地採用よりも偉い」と考えている人がいて、現地採用の人のことを見下した態度を取る駐在員の方もいます。

日本国内でも、正社員が派遣やパートより偉いと考えている人がいますが、それと同じです。

駐在員の方が責任が大きい仕事をしており給料も良いというのも理由ですが、会社のために海外まで来てしまうような滅私奉公の精神が強い駐在員から見ると、自分の意思で日本社会のレールから外れる現地採用は無縁者に見えてしまうのかも知れません。

現地採用やローカルスタッフに対してパワハラやセクハラのような行為を行う駐在員もいるようです。

日本に比べてコンプライアンスが緩いアジアの国ではパワハラが横行しやすい傾向にあるかも知れません。

キャリアアップに繋がらない

現地採用なんて墓場行きの片道切符だよ。特にアジアの現地採用なんて遊んでるのと同じだと思われて日本では全く評価されないから、辞めておいた方がいい。

という人を見かけます。

こういう人が何を根拠に言っているのかと言うと、大抵は自分や自分の周りの人の経験です。

しかし「私が失敗したから、あなたも失敗するに決まっている」などと誰が言えるのでしょうか?

海外就職に失敗して悲惨なことになっている人もいますが、それは日本国内転職でも同じです。

実際、現地採用として海外で働いてから日本へ帰国後にスムーズに仕事が決まっている人は大勢います

正直なところ、「アジアの現地採用は遊んでいるのと同じ」などと言っている会社は時代錯誤で、キャリアの内容を具体的に確認しないような会社は相手にする必要がないと思います。

大きな時代の流れとしては、現地採用でも日本帰国後にキャリアアップできる可能性が増えています。

理由は3つあります。

理由1:現地採用でも裁量の大きい仕事が増えている

上述の通り駐在員の方が現地採用よりも待遇が良いですが、これは企業にとっては負担となります。

以前はアジア全体の物価が安かったので企業にとっては大した負担ではありませんでしたが、香港やシンガポールを中心に家賃は高騰しており、中国やシンガポールなどビザ支給基準が厳しい国もあります。

そこで、高い駐在員コストを節約したいと考える企業が、今まで駐在員が担当していた仕事の一部を現地採用へ置き換える動きが進んでいます。

一方、私のいるインド、それからベトナム、インドネシアなどでは駐在を希望する人が少なく、現地採用であっても人が集まりません。

インドなどでビジネスをしたい企業は増えているのに、インドに住みたい人がいないからです。

こういった国では現地採用でも裁量の大きな仕事を任される傾向があります。

例えば私の専門である財務経理の分野であれば、会計・税務の取りまとめや本社への決算報告といった、日本であれば50代が担当するような仕事にインドでは30代前半でチャレンジすることができます。

理由2:日本企業の海外進出は増える一方

日本の経済成長は緩やかなのに対し、アジア諸国の経済成長は著しく、今後ますます成長する国が増えてきます。

人口が減少する日本は市場の規模が縮小する可能性もあるため、海外の市場を求めて進出せざるを得ない企業も増えていきます。

2020年現在はコロナウィルスの影響によりグローバル化が止まったものの、5年、10年、20年という長期スパンで見ればグローバル化の波が止まることは考えられません。

そうなると、日本国内でも海外子会社や海外の取引先とやり取りが発生する求人が増えることは間違いなく、海外での業務経験が評価される可能性が高まります。

理由3:外国人をマネジメントする仕事が増えていく

日系企業の海外進出はどんどん進んでいますが、一方で今後は外国人労働者の日本進出も進んできます。

日本政府は出入国管理法を改正して新しい在留資格「特定技能1号」を創設し、外国人労働者を増やしていく予定です。

外国人労働者が増えるということは、それらの新しい外国人をマネジメントできる人材が必要です。

しかし、日本国内で日本人に囲まれ日本語での仕事ばかりを経験してきた人が、いきなり外国人のマネジメントができるでしょうか?きっと難しいはずです。

そこで、現地採用であっても海外で外国人と一緒に働いた経験がある人、特に外国人のマネジメントをした経験のある人が求められます。

自分自身が海外で現地採用として働いた経験がある分、現地採用として日本で働いている外国人の気持ちも分かるのではないかと思います。

海外に興味がある方は、日本国内で悶々としているよりも海外へ飛び込んでしまって問題ない時代になっていると感じます。

海外就職で悲惨な結果を避けるために必要なこと

海外就職で悲惨な結果になってしまう方がいる事実は否定できません。

ではどうすれば悲惨な結果を避けられるかというと、いつでも転職できる人材になることが重要です。

なぜなら、「必要な人材だから他社へ行って欲しくない」と思えば会社側も安易にパワハラやセクハラなどはしづらいからです。

そして会社の待遇などに不満があれば、いつでも日本へ帰るなり、海外の外資やローカル企業へ転職するなりといった対策を打てます。

人間関係を原因とした転職を繰り返すのは非常に悪い印象を持たれますが、キャリア計画が明確で「このスキルを身につけるために転職した。そして、目標としたスキルを身につけたので今の会社は卒業し、次のステップへ行きたい」という動機の転職であればネガティブな印象は持たれません。

いつでも転職できる人材になるために具体的にどうすれば良いかというと

  • 海外就職の目的を明確にする
  • キャリアプランを立てる
  • 語学力と専門性を磨く

の3つが重要です。

海外就職の目的を明確にする

海外

先日、下記のツイートをしました。

上記ツイートの通り、海外就職の目的は人によってそれぞれ異なります。

ここを見誤ってしまうと悲惨な結果になってしまいます。

例えば「語学力を磨きたい」という目的で海外就職をしたのに、現在の英語力が不足しているため英語を使う求人に応募することができず、「日本語のみ可」という求人に応募した結果、英語を使う機会がなく英語力が伸びない・・・といった場合です。

このような事態を避けるには、事前に語学の学習をして英語求人に応募できる最低ラインの英語力を身につけてから海外就職に臨む必要があります。

海外就職の目的が明確でないと、海外で大変なことがあったときに

そもそも何のために海外へ来たんだっけ?

と悩んでしまい、行き詰ってしまいます。

海外生活は楽なことばかりではないので、大変な時でも乗り越えられるよう強い志望動機が必要です。

キャリアプランを明確にする

海外へ行きたい動機を明確にしたら

  • 海外でどのようなスキルを身につけたいか
  • どのようなスキルを身につけたら卒業するか

を明確にする必要があります。

ここが曖昧だと、

日本国内の企業の場合、1つの会社の中で様々な仕事をジョブローテーションで経験し、ゼネラリストを目指す傾向があります。

ここで重要となるのは、新卒入社であること、勤続年数の長さ、会社の方針に従うこと、などです。

しかし現地採用のキャリアの場合は、(外資系やローカル系だけでなく日系企業でも)語学力と専門性が必要です。

転職回数が多くても、余人に代え難い専門性があれば評価されます。

但し海外で求人の多い職種は限られているので、専門性を伸ばしたい場合には注意が必要です。

文系または高卒の社会人が未経験職種から挑戦し、専門性を伸ばしていくことができる職種は会計、物流、IT(Webマーケター、エンジニア、デザイナーなど)です。

これらの分野で高い専門性があればあるほど、海外就職で悲惨なことになる可能性は低くなります。

上記職種がオススメな理由については文系or高卒出身の社会人が未経験で海外就職するときにオススメの職種の記事をご参照ください。

なお営業職の場合は新規顧客に対して高い売上実績があれば評価される可能性はあります。

もし会計、物流、ITの職種が嫌な場合は、国内で事業の責任者などを経験してから高い役職で海外就職をするという方法もあります(40代以降で海外へ行くイメージです)。

語学力と専門性を磨く

ここは実際に海外就職を実現した後の話になりますが、キャリアプランの方向性に従って絶えず専門性と語学力を磨いていく必要があります。

仕事を通じて自動的に専門性が高まっていく部分もありますが、より専門性を高めていくためには仕事外でも専門分野の知識を広げたり、語学力を磨いていくことが大切です。

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キャリアプランが重要

海外就職には、周到なキャリアプランと、自分自身の志望動機に合った国選び・職種選び・会社選びが極めて重要です。

ここを間違えると悲惨な海外就職になってしまう可能性もあります。

そうは言っても、自分でキャリアプランを立てられる自信がない

と不安に感じる方も多いと思います。

キャリアプランの構築は重要ですが、正確なキャリアプランを立てるためには、そもそも海外各国での求人動向や業界の動向などの情報を正確に把握して置く必要があります。

海外就職のキャリアプラン構築で失敗しないためには、プロの力を借りることが重要です。

そこで、グローバル人材塾のキャリア相談がオススメです。

グローバル人材塾のキャリア相談をオススメする理由は海外就職の希望者は必見!グローバル人材塾をオススメする3つの理由をご参照ください。
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