欧米は就労ビザの要件が厳しいため、「行きたい国に行きたい期間だけ行く」という現地採用という形式で欧米へ行くのは極めてハードルが高いです。
多数の欧米就職実現者を輩出しているグローバル人材塾の田村さつきさんによると、欧米へ行くためには圧倒的な専門性と語学力を身につけることが必要です。
そして田村さんによれば、欧米就職を実現した人の多くはアジアの国での就労経験を通じて専門性と語学力を向上させています。
私は今インドで働いていますが、インドへの転職を決断する前にアジアの様々な国を比較検討しました。
その経験から、欧米でも通用する実力を身につけたい場合には香港・シンガポールでの就職が最もオススメです。
この記事では、香港・シンガポールがオススメの理由、香港・シンガポール就職を実現するための条件などをご紹介します。
この記事を読めば欧米就職実現までのロードマップが分かります。
Contents
欧米就職にグローバルな仕事力が必要な理由
アジアの国の場合、以下の3点の理由により突出した専門性がない日本人にもチャンスが開かれています。
- 現地で在住する日本人が少ない
- 市場が成長しており、新しく進出する日系企業が多い
- 就労ビザの取得要件が緩い
多くのアジアの国は21世紀に入ってから急成長を遂げており、人の移住も企業の進出も最近になって始まったことです。
そして現地の政府としても、経済発展のために必要な人材を欲していますので、就労ビザは比較的おりやすいです。
一方、欧米諸国の場合には全く逆の理由により今から新しく日本人が移住するのは非常にハードルが高いです。
- 昭和の時代から多くの日本人が移住している
- 市場が成熟しており日系企業の新規進出が少ない
- 就労ビザの取得要件が厳しい
欧米は既に市場が成熟しており、日系企業も古くから進出しています。
そして昭和の時代から多くの日本人が渡り、現地で配偶者ビザや永住権を取得している日本人も多いため、現地の日本人だけで求人の需要を賄えるという実情があります。
欧米諸国へは世界中の人々が移住を目指すため就労ビザの取得も厳しく、突出した専門性のない日本人が就職するのは極めてハードルが高いです。
従って欧米諸国を目指すには、「日本語ができて日本式のビジネスができる」だけでは不十分で、世界中どこへ行っても成果を出せる突出した専門性と語学力が必要になります。
香港・シンガポールでグローバルな仕事力がつく理由
アジアの中でグローバルな仕事力を身につけられる場所は香港とシンガポールです。
ここでいう「グローバルな仕事力」というのは、日本語能力や日本人であることを除いても勝負できる力です。
香港とシンガポール以外の国では、日本人が日本人であることを活かさずに仕事をするのは極めてハードルが高いです。
例えば私が住んでいるインドでは、インド人の大卒の初任給は月収3万円程度、スキルがある人でも月収15万もらえれば高い方です。
それに対して日本人は、新卒でも額面で16万円近くもらえます(ビザ最低基準のため)。
どうして企業がそんな高額な給料を払ってまで日本人を雇いたいかというと、日本語能力や日本人としてビジネス能力を活用したいからです。
もし日本人であることを全く活かさずにインドで働くとなると、インド人と同じ土俵で戦うことになります。
英語がネイティブレベルで金融やITなどの専門知識があるインド人は無数にいますので、彼らと同じ土俵で戦うなら給料も彼らと同じレベルまで下がってしまうことになります。
インドネシアやベトナムなどの途上国でも同様に、日本人に対して高い給料が払われるのは日本語能力や日本人としてのビジネスマナーなどを期待されてのことです。
たとえ外資系やローカル系の企業に就職したとしても、日本語能力や日本式ビジネスを理解していることを活かして、日系企業を顧客とした営業などを担当することになります。
一方、香港やシンガポールの場合には日本の給与とそこまで大きくは変わりません。
香港やシンガポールの場合、金融やITなどのスキルを活かして、外資系やローカルの企業で英語だけで仕事をしている日本人がいます。
私は海外各地で働いている日本人のブログやTwitterなどをよくチェックしていますが、香港・シンガポール以外の国で、全く日本語を使わずに外資系やローカル系の企業で働いている人は見たことがありません。
香港・シンガポールへ就職するには
香港・シンガポールは欧米に比べればまだビザが下りやすいものの、アジアの中では比較的厳しい条件が課されている国です。
職務経歴と語学力が必要ですし、シンガポールの場合には学歴要件も極めて厳格です(香港も、原則は4大卒であることが必要です)。
TOEICも800点以上が目安となるため、初めて海外就職をされる方には少しハードルが高いと感じるかも知れません。
もし最初から香港・シンガポールへ就職するのはハードルが高いと感じたら、他のアジアの国で1〜2年働いて職歴と英語力をつけてから香港・シンガポールへチャレンジするのも良いかも知れません。
特に、インドはオススメです。インドは
- 未経験の職種にもチャレンジしやすい
- ビザが下りやすい
- 英語をよく使う
という理由により、インドで経験を積めば香港・シンガポールへは行きやすくなると思います。
金融やITなど、特定の職種は欧米へ就職しやすいため、インドで職種をチェンジしてから香港・シンガポールへ転職し、欧米を目指すというキャリアプランもあるかと思います。
欧米に就職できる保証があるわけではない
アジアの場合には、たとえ香港やシンガポールであっても条件を満たせばビザが下りますが、欧米の場合には運により左右されるところもありますので頑張っても移住できる保証はありません。
例えばアメリカの専門技能職向けビザであるHI-Bビザの場合には、約65,000人の枠に対して25万人近くの応募があり、抽選で決められます。
どんなに素晴らしい人材であっても抽選で漏れてしまえばビザは得られないので、運により左右されると言えます。
アメリカやイギリスに比べるとヨーロッパ大陸の国々には比較的ビザが下りやすい国もあるようですが、英語の他に現地語が必要となるケースが多いようなので注意が必要です。
なお日本とオランダは1912年に日蘭友好通商協定という条約を締結しており、この条約に基づいて日本人は4500ユーロを投資すればオランダでビジネスを開業することが可能です。
海外就職という訳ではありませんが、この枠組みでオランダへ移住している人も少なからずいます。
プログラミングやWebライティングなどのスキルを身につけ、オランダに住みつつクラウドソーシングで仕事を受注するというのも、ヨーロッパに住むための1つの方法かも知れません。
まとめ
私自身はアジア以外の国に住む予定がないのでアメリカやヨーロッパ就職に向けて活動をしているわけではありませんが、欧米に住むことを考えて真剣に調べていた時期がありました。
ワーホリやJ-1ビザなら1年間は暮らすことはできますが、不安的で持続しません。
色々と調べた結果、欧米へ現地採用で就職するのは極めて難しいということが分かりましたが、実現している人もいます。
最適なキャリア戦略は1人1人具体的な戦略については、プロのコンサルタントに相談して進めてください。
記事内でご紹介したグローバル人材塾では欧米への就職を実現している人もいて、実現者数は年々増加しています。
詳しくは海外就職の希望者は必見!グローバル人材塾をオススメする3つの理由をご参照ください。