【インドのトイレ事情】初めての日本人旅行者が利用する時の注意点

インドでもトイレを利用しないわけにはいきませんが、インドのトイレは独特です。初海外の方はもちろん、中国や東南アジア経験者でもインドが初めてという方は面食らう場合があります。

そこでこの記事では、インドでトイレを使う上での注意事項や、インドのトイレがどのくらい清潔(不潔)なのかをご紹介し、初めてインドへ来る方の不安を解消できたらと思います。

インドのトイレは汚いのか

バラナシ

インドのトイレは汚いというイメージがあるかと思いますが、実際のところどうなのでしょうか。

汚いトイレが多いことには間違いありませんが、インドの汚いトイレは中国や東南アジアの汚いトイレよりはマシかもしれません。

街中はインドの方が中国よりも圧倒的に汚いのですが、なんとトイレに限ってはインドの方が清潔なので驚きました。

※もちろん中国でも都会のオフィスやモールのトイレは清潔でピカピカです。インドより中国の方が汚いのは公衆トイレです。

なぜ中国のトイレが汚いかと言うと、中国では大量のトイレットペーパーがゴミ箱に溜まり、酷いと汚物にハエがたかり地獄絵図のようになっているからです。

前提知識
日本以外のアジアの国では、中国でも東南アジアでもインドでも、基本的にトイレットペーパーを便器に流してはいけません。下水管が細かったり水圧が弱かったりといった事情により、トイレが詰まってしまうからです。

インドも便器にトイレットペーパーを流してはいけない点では同じなのですが、そもそもインド人はトイレットペーパーを使わないのでゴミ箱にトイレットペーパーが溜まることがなく、トイレ自体は清潔に保たれるのです。

とはいえ、底辺レベルのトイレについては、トイレットペーパーの散乱したゴミ箱がない点以外は不衛生なので、油断してはいけません。

ランク別のトイレの様子

ここからはランク別のトイレをご紹介します。

高級ホテルのトイレ

インド 高級トイレ

私の印象では、インド各地にある5つ星ホテルのトイレはどこでもこれと同程度の印象です。

必ずトイレットペーパーが備えつけられており、極めて清潔で、外国人でも違和感なく利用することができます。

インド 高級トイレ

ウォシュレットや音姫はありませんが、さすがにこのトイレが「汚くて無理」という方は少ないのではないでしょうか?高級オフィスのトイレも同レベルです。

日本人であれば、特に怪しまれることもなく一流ホテルのトイレを利用できます。

駐在でインドへ来るのであれば、恐らくこのランクのトイレしか利用することはないです。

一般的なカフェのトイレ

インド カフェのトイレ

私が暮らしているチェンナイの一般的なカフェのトイレですが、どこもこんな感じです。

インド カフェ トイレ

スターバックス程度のカフェです。中間層以上が利用します。コーヒーが1杯200ルピー(300円)程度するため、1食50ルピー(約80円)のご飯を食べて生活しているブルーカラー層は利用できません。

トイレットペーパーはある場合とない場合があります。

高級ホテルのようにピカピカというワケではありませんが、まぁ許容範囲ではないでしょうか。

神経質な人だとちょっと無理かも知れません。

ローカルレストランのトイレ

インド トイレ

この辺りになると無理な人も多いかも知れません。このレベルのトイレにトイレットペーパーはありません。

節約バックパッカー旅行をする場合にはもっと汚いトイレを利用する可能性がありますが、駐在や出張であればこのランク以下のトイレを利用する機会はほぼないと思います。

但し、道の途中でお腹を壊すとガソリンスタンドのトイレを利用しなければいけなくなるかも知れません。

なお私が住んでいるチェンナイのガソリンスタンドのトイレは、上記トイレより更に汚く、床が泥だらけで足の踏み場もないレベルです。

吐き気を催すので写真はありません。

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インドのトイレを利用する上での注意

インドのトイレを利用する際には幾つか注意事項があります。

インドのトイレを利用するうえでの注意事項
  • 行けるときには早めに行っておく
  • トイレットペーパーは常に持参する
  • トイレットペーパーを便器に流してはいけない
  • トイレットペーパーを捨てるゴミ箱がない場合がある
  • 有料トイレでは5~10ルピーを払う

注意1:トイレへ行ける時には早めに行っておく

インドに限らず海外ではどこでも同じかも知れませんが、トイレは簡単には見つかりません。レストランなどのトイレの場合、鍵がかかっていて客でなければ使わせてくれない場合も多いです。

またスーパーやガソリンスタンドなどのトイレは日本人の許容範囲外である可能性が高いので、ホテルやオフィスなど清潔なトイレを利用できるのであれば、可能な限り早めにトイレを済ませてしまいましょう。

注意2:トイレットペーパーは常に持参する

インドのトイレは、一流ホテルや高級レストランなどでない限りトイレットペーパーはありません。インド人はペーパーを使わず、自分の左手と水(ウォシュレットではなく水桶)を使って洗うためです。

なお、インド人でもトイレットペーパーを使用する人はいるようで、どこのスーパーへ行ってもトイレットペーパーは販売されています。但し価格は日本よりも高いため、物価の安いインドの中ではかなりの高級品という印象です。

注意3:トイレットペーパーを便器に流してはいけない

上述の通り、インドだけでなく台湾、中国、東南アジア諸国など、日本以外のアジアの国では一般的なことですが、トイレットペーパーを便器に流してはいけません。

下水管が細かったり水圧が弱かったりといった事情により、トイレが詰まってしまうからです。これはインドも同様です。

旅慣れている人にとっては常識となっていることなので、初めての海外の方は説明を受ける機会がなくトイレを詰まらせてしまったという話を何度か聞いたことがあるのでご注意ください。

では使用後のトイレットペーパーはどうするのかというと、トイレ内に設置されているゴミ箱に捨てます。

注意4:トイレットペーパーを捨てるゴミ箱がない場合が多い

中国などの場合にはトイレットペーパーを捨てるゴミ箱が必ず設置されていますが、インドの場合はもう一段階カルチャーショックがあります。

インドのトイレは、トイレットペーパーを便器に流せないにも関わらずゴミ箱がない場合が多いです。

なぜなら、インド人はトイレットペーパーを使わず、シャワー(または水桶)と左手でお尻を拭くからです。

ここは諦めてインド式にシャワーと左手でお尻を拭くのが1番なのかも知れませんし、実際に多くの日本人はそうしているようです。

しかし、それが耐えられない場合にはトイレットペーパーを捨てる用のポリ袋などを持参すると良いかも知れません。

それを持ってトイレから出る必要はないかも知れませんが、トイレットペーパーをポリ袋に入れてトイレに放置しておいてあげれば清掃の人も片付けやすいのではないかと思います。

注意5:有料トイレではお金を払う

入口に清掃員が待っていて、お金を払わなければならない場合があります。私が住んでいるチェンナイでは地下鉄の駅などで有料トイレの場合がありますが、利用料は5ルピー(約8円)です。

500ルピーや2000ルピー札しか持っていないと利用させてくれない場合もあるので、できるだけ小銭を持ち歩くようにしましょう。

バスやオートリキシャに乗る時も、高額紙幣だと嫌がられるので、ローカルなインドを楽しみたい方は小銭を持ち歩くようにしましょう。

緊急時に備えてオムツと携帯トイレを用意!

インドでは多くの日本人がお腹を壊します。

不衛生な環境に加えて、容赦ないスパイスや油でお腹を壊すのです。

その時、道が大渋滞で3時間以上もトイレに行けないなんて地獄は日常茶飯事です。朝晩、バンガロールやグルガオンは特に渋滞します。

ずっと自宅やオフィスに籠っていられるならお腹を壊しても問題ありませんが、旅行や出張ではそうはいかないでしょう。

そこで、最悪の事態に備えて念のためオムツを準備しておくことを強く強くお勧めします。

 

インドでお腹を壊してからではもう手遅れです。

農村部の荒野や砂漠の中なら物陰に隠れて用を足すこともできますが、いくらインドと言えどもさすがに町の路上で大をしてる人はいません。

もしオムツに抵抗があれば、緊急用トイレでも良いかも知れません。

 

駐在員や出張者であれば、ドライバーにちょっと車を外してもらって車内で用を済ませるのもアリでしょう。

インドで綺麗事は言っていられません。見栄も外聞も捨てて、生き残ることだけことに集中しましょう。

インドでのトイレの探し方

いくらオムツや携帯トイレを持っていても、それらを使うのは最後の手段にして、できればトイレに辿り着きたいものです。

日本では緊急事態の場合にはコンビニのトイレ等を利用できますが、インドでトイレを探すのは至難の業です。

インドで確実にトイレが利用できるのは一流ホテルガソリンスタンドです。それぞれにメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
一流ホテル 清潔 探すのが大変
ガソリンスタンド 簡単に見つかる 不潔

ホテルと言っても、ローカルの人が宿泊するような1泊300ルピー程度のホテルではなく、1泊3000ルピー以上するような、入口でセキュリティチェックがあるレベルの高級ホテルです。

貧しいインド人がホテルへ入ろうとすると確実に追い払われるのですが日本人であればバックパッカーであっても中へ入れます。

またガソリンスタンドは大通り沿いにあります。ホテルのトイレにはペーパーがありますが、ガソリンスタンドにペーパーはないので持参が必要です。

なおインドのガソリンスタンドのトイレは、日本でいうとマラソン大会などのイベント時に公園の河原に設置される簡易トイレのレベル以下だと覚悟してください。

まとめ

インドは壮絶な格差社会です。富裕層、中間層、低所得層で使うトイレのレベルも全く異なります。

貧乏なバックパッカー旅行をしない限りは日本人が低所得層のトイレを利用することはありませんので、駐在でインドへ来られる方はご安心ください。

逆に、インドで貧乏旅行をしようという方はそれ相応の覚悟を持って来てください。

トイレに限らず、インド旅行は準備が大切です!インドに到着してから戸惑わないように、必要なものを準備しましょう。

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