アジア就職の目的の1つに、英語力の向上があるのではないかと思います。
そんな疑問にお答えします。
実は、「アジアの国」といっても国によって英語力向上の伸びしろは異なります。
私は日本で8年間働いたあとにインドへ転職しました。
私が働いているのはインドだけですが、転職前にアジア各国の求人条件や英語力の情報などを一通り確認しました。
また実際に自分で現地へ足を運んだり、アジア各国に住む友人と状況をシェアしたりしているため、アジア各国の英語力についても把握しています。
そこで、この記事ではアジア就職で英語力が向上する国をランキング形式でご紹介します。
Contents
英語の通用度と就職時に求められる英語力
まず、それぞれの国でどのくらい英語が通用するのか、また就職するときに求められる英語力がどの程度なのかというのをご紹介します。
国別の英語力
一般的に、旧イギリス・アメリカ植民地の国・地域は英語力が高いです。
旧宗主国 | 国名 | 英語力 |
旧イギリス領 | シンガポール | 高 |
旧イギリス領 | マレーシア、インド、香港 | 中 |
旧アメリカ領 | フィリピン | 中 |
旧フランス領 | ベトナム、カンボジア、ラオス | 低 |
旧オランダ領 | インドネシア | 低 |
独立国 | 中国、タイ | 低 |
シンガポールの英語は「シングリッシュ」などと言って独特な訛りがありますが、どこへ行っても英語がよく通じます。
マレーシアやフィリピンも英語話者が多いですが、タガログ語やマレー語など現地語しか話せない層も一定程度います。
香港は中国の影響が年々高まっており、徐々に英語よりも標準中国語の方が通じるようになってきています(但し香港人の母語は標準中国語ではなく広東語です)。
インドは格差が著しいのでネイティブ並みに話せる人から全く話せない人までいますが、人口が膨大なので仕事で関わるのは英語が流暢に話せる人のみです。
中国就職は中国語が必須です。
国別に就職時に求められる英語力
求められる英語力ですが、TOEICでいうと以下のようになります。
国・地域 | TOEIC点数 |
香港・シンガポール | 800点 |
インド・マレーシア | 700点 |
ベトナム、インドネシア、タイ | 600点 |
中国 | 英語より中国語 |
やはり国の英語力が高い国は就職時に求められる英語力も高くなる傾向があります。
とはいえ、TOEIC満点でも流暢に話せなければ相手にされないと言われる欧米の英語圏に比べればハードルが低いのは間違いありません。
英語力を鍛えたい人のためにオススメの国3選
上記2つの指標に基づいて、英語力を高めたい人にオススメの国をご紹介します。
シンガポール
シンガポールは上記の表の通り、アジアの中では最も英語力が高い国と言って間違いありません。
シンガポールには国民の大半を占める中華系の他にマレー系、インド系が住んでおり、それぞれ中国語、マレー語、タミル語を母語として話しています。
民族を超えて会話をする場合には英語で会話をすることになるため、国の共通語は英語になります。
シンガポールの中華系は、日常生活は中国語で行うものの学校教育や仕事は英語で行うため「中国語は話せるが漢字の読み書きは苦手」という人が少なくないようです。
シンガポールは東南アジアの中心であるため各企業の本社が置かれており、ビジネスのレベルも極めて高いです。
そのような環境で英語を使ってビジネスをすれば英語力が向上するのは間違いありません。
しかしシンガポールは就職で求められる水準も極めて高いです。
就労ビザの要件には収入や学歴などの要件が細かく規定されています。
生活費が高い分給料も高くなるため、シンガポールは日系企業でも日本人に要求する水準が極めて高いです。
学歴、職歴、英語力を兼ね備えた人でなければ就職は難しいです。
英語力について言えばTOEIC800点でもギリギリついていけるレベルではないでしょうか。
2018年には就労ビザの基準が一層厳しくなり、更新することができなかった多くの日本人が香港やタイなどの周辺諸国への転職を余儀なくされました。
シンガポールで英語力が向上することは間違いありませんが、初めからある程度の実力がなければ門前払いされてしまうのが実情です。
マレーシア
シンガポールの隣にあるのがマレーシアです。
マレーシアも旧イギリス植民地で、国内にはマレー系の他に中華系やインド系も住んでいるため、シンガポールほどではないものの英語の通用度が極めて高いです。
東南アジアはシンガポールが中心となっているため、マレーシアはシンガポールに比べれるとビジネスのキャリアアップは期待できません。
しかし逆にいうと、シンガポールに比べて多くの人にチャンスが開かれており、TOEIC700点くらいあればチャレンジできます。
物価も安く日本の物も何でも揃っており、非常に快適です。
キャリアアップよりもワークライフバランスや生活の豊かさを重視し、かつ英語力を伸ばしたいと考える人には非常にオススメです。
インド
最後にオススメするのは、私は住んでいるインドです。
インドはTOEIC700点以上が目安と書きましたが、500点でも就職はできると思います。
なぜなら、日本人が圧倒的に不足しているからです。
タイやマレーシアのように求人を出せば応募が殺到する国と異なり、成長著しいインドでビジネスをしたい企業が増える一方でインドで生活をする覚悟のある人は少ないです。
従って、実力が不足していてもシンガポールのように門前払いされることはありません。
インド就職に学歴は問われませんし、職歴や英語力が不足していても将来に向けて努力する覚悟があれば採用してもらえる可能性は高いです。
但しインドは英語力がなければ日常生活にも支障をきたすので、英語力不足を努力で補う覚悟は必要です。
インド人は英語が間違っているからといってバカにしたりしないので、「伝わらなければ伝わるまで粘ってやる」という覚悟と根性があれば、多少の英語力の不足はカバーできるかと思います。
TOEICが700点程度ない場合に苦労するのは間違いありませんが、苦労した分だけ成果が出ます。
- 分からない時に分かるまで聞き返すマメさ
- 伝わらなければ身振り手振りも交えて伝わるまで頑張る粘り強さ
- 間違っているかどうかを気にせず話していく積極性
などが問われます。
未経験でもチャンスが与えられる代わりに「大変な状況でも歯を食いしばって頑張っていく気力と根性があるか」という覚悟が必要です。
大変な分、そこを乗り切ると短期間で英語力を伸ばすことができます。
マレーシアやシンガポールに比べて生活の大変さは段違いなので、その点では覚悟が必要ですが、ハイリスクハイリターンなのがインドです。
上述の通りインド在住中に英語力は伸びていくので、インドで英語力を伸ばしてからシンガポールや香港へチャレンジするのもありかと思います。
ただどうしても不安な方は、フィリピンのセブ島などで1〜3カ月ほど語学留学をして英語力を鍛えてから就職にチャレンジするのも良いかも知れません
インドで英語力が向上する理由については海外就職でインドを選ぶと嫌でも英語力が伸びる3つの理由をご参照ください。
まとめ
アジア就職であれば、留学と異なり給料をもらって生活しながら英語力も伸ばすことができます。
英語力を伸ばしたい場合には、国選びが重要です。
「英語が国の共通語となっておらず、日本人と現地スタッフのやり取りだけが英語」という国よりは現地人同士が日常的に英語で会話をしている国の方が英語力が高まる環境であるのは間違いありません。
「英語力を高めるためにアジア海外就職をしてみたい」と思った方は、海外就職実現までの道のりをまとめた下記記事を参考にぜひ行動を起こしてください。