インドはとても生活環境がハードなため、インドへ駐在される方は単身赴任か家族帯同かで迷うのではないでしょうか?
インド生活は楽しめる人と苦痛になる人が両極端に分かれ、苦痛な人はすぐにでも帰りたいと考えます。
実際、インド生活を満喫し過ぎて日本に帰りたくないという人もいれば、インド生活が原因で離婚したという事例すら何件か聞いたことがあります。
この記事では、インドで現地採用として1年ほど働いている(妻は専業主婦をしています)私が、私自身の経験や知人から聞いた話を基に駐在・現採家族のインド生活についてご紹介します。
実際に来てみないとインドに適応できるかどうかは分からないですが、この記事を読めば事前にある程度インド生活のイメージを持つことができます。
就労者本人より苦しい家族の生活
私が海外就職を検討したとき、インドではありませんが、ある企業での面接で
と言われたことがあります。最初はピンと来ませんでしたが、インドへ来てからその言葉を非常に実感するようになりました。
海外駐在する上で最も大切な事。単身でも家族帯同でもそれは同じで『家族を最優先に考えた行動をすること』。これが出来ないなら僕は海外駐在しない方が良いと思うくらいです。家族を最優先に考えた行動が出来るかどうかで家族の絆が壊れるか深まるか大きく変わります。それくらい大切な事だと思います
— デレーズ@🇯🇵一時帰国中【海外駐在🇧🇪Engineering manager】 (@toiyyy0624) December 5, 2019
上記の方がツイートされているように、海外駐在、特にインドのように過酷な国の場合は家族のことが最も大切です。
インドに来て、多くの方から
と言われます。
実際、私も住んでみて、確かに家族の方が負担が大きいと感じます。
そこで、具体的に何が大変なのかをご紹介します。
子どもがいない夫婦の場合
子どもがいない夫婦の配偶者の場合、一言で言うと「やることがないくて退屈」という方が多いです。
日本とは異なり就労ビザの関係でパートタイムの仕事はできません。インドでは月給数千ルピーで家政婦さんを雇えるので、家事もやる必要がありません。
1つの選択肢としては、家事を全て家政婦に任せ、奥さん自身も就労ビザを取得してフルタイムでガッツリ仕事をするのもアリかと思います。
配偶者ビザでは働けないインドですが、就労ビザは取りやすいため、奥様自身も就労ビザを取得して働いているケースもあります。
しかし「せっかくインドに来ているので夫婦で旅行がしたい」とか「そこまでガッツリ働きたくない」という方もいますよね。
もしインドで仕事をしない場合には、以下のような問題が発生します。
- 仕事がないので家に引きこもりがち(習い事と言っても、週5日通うのは大変です)
- 狭い日本人社会での付き合いで疲れる
- 言葉が通じない環境での生活にストレスを感じる
インド生活で感じるストレスの詳細についてはインド駐在・インド就職を始めてインドの生活で苦労すること8選で詳しくご紹介しましたのでご参照ください。
中には、ヨガや英会話教室に通いつめ、奥様方のサークルに積極的に顔を出して充実した生活を送っている方もいらっしゃいます。
しかし一方で、インドでの生活や日本人との付き合いに馴染めず、引きこもりがちになってしまう方もいらっしゃいます(「暇だから、嵐の活動休止会見を暗記するほど見た」という方もいらっしゃいました)。
日本のテレビをリアルタイムで見られるサービスなどもありますし、YouTubeなどはいくらでも見られますので、「1人で引き籠っても幸せ」という方には最高の環境かも知れませんが、全ての方がそうとは言えません。
夫婦で来られる場合には、事前に期間を決めたり、主婦さんが耐えられなかった場合にどうするかを事前に検討しておくなどの準備が必要です。
✅駐在妻の夫が言ってはいけない一言
・友達できた?
・今日一日何してたの?
・ご飯簡単なものでいいよ!
・どこか行きたいところないの?
・ESLで英語話せるようになった?旦那の仕事の都合で駐在妻になったんだから、海外で息してるだけで誉めて…🤣#駐在妻#駐在員#アメリカ生活
— ひので🇺🇸キラキラしてない駐妻 (@hinode_tyuzuma) March 27, 2020
海外駐在の場合、働いている側からすれば「家で何にもせずにのんびりしているだけで羨ましいよな」などと思うかも知れませんが、仕事で気が紛れるぶん駐在員本人の方が駐在員配偶者より幸せです。
インド生活でできることについてはインドで生活している日本人にオススメな休日の過ごし方5選という記事をご参照ください。
子どもがいる家族の場合
駐在員の子どもは、デリーやムンバイであれば日本人学校へ通うことになります。一方チェンナイやバンガロールの場合、日本人学校はないので、アメリカンスクールやインターナショナルスクールに通いながら放課後や週末に補習校へ通うことになります。
日本のように子どもを徒歩で学校に通わせるなどということは不可能なので、駐在員の奥さんは社有車と専任ドライバーに指示を出して毎日学校への送り迎えをしなければなりません。
従って暇になることはなく、学校を中心とした生活になります。そして、学校の保護者同士の繋がりを通じて人間関係も広がります。
チェンナイのアメリカン・スクールと補習校についてはインド・チェンナイのアメリカンスクールと補習校についてをご参照ください。
メリットとしては、家事は全てメイドさんに任せてしまい、子育てにかかりっきりになれるということが挙げられます。
一方、毎日の送迎があり保護者同士も毎日顔を合わせる分、ママ友との繋がりは日本のPTA以上に強いようで、これが楽しいと感じる人もいれば苦痛に感じる人もいます。
子どもにとっては、駐在員妻よりも苦痛に感じるかも知れません。
私が夏祭りや忘年会で見かける子ども達は、みな日本語をペラペラ話し、子ども同士でとても楽しそうに遊んでいました。
しかし、チェンナイならまだしもグルガオンでは酷い大気汚染により外で遊ぶわけにもいきません。
また「○○ちゃんの家に遊びに行こう」といったところで、母親と一緒の車に乗ってドライバーに運転してもらって遊びにいかなければなりません。
通学路の帰りにちょっと公園で友達と遊んだり、友達の家で遊んでから帰ったり・・・といったことが気軽にできる状況ではないと思うので、大人には見えづらいストレスを抱えることはあるかも知れません。
単身赴任と家族帯同は難しい問題
単身赴任で長期の苦しいインド駐在を乗り切るのは大変なので、家族帯同にした方が心強いかも知れません。
しかし、気がつかない間にストレスのしわ寄せが配偶者や子どもにいってしまう可能性もあるので、十分なケアが必要です。
家族帯同のリスクとデメリットばかり並べる記事になってしまいましたが、インドの方が一般的に労働時間が短い(日本人駐在員も定時で帰れる)ので、家族と過ごす時間は増えます。
苦しいインドの生活を一緒に乗り越え、家族と話す時間が増えることで家族の絆が深まるチャンスかも知れません。
一方、
などという発想で家族を家に放置したまま日本食レストランを毎晩飲み歩いていては、日本での生活以上に家庭崩壊のリスクが高くなるかも知れません。
この高ストレスなインド生活をどう乗り切るかについては地獄のインド駐在が過酷で最悪な理由と帰任まで騙し騙し過ごす方法という記事をご参照ください。
インド赴任は準備が大切です!インドに到着してから戸惑わないように、必要なものを準備しましょう。