という方は多いのではないでしょうか?
実際、インドへ来る日本人の多くは腹痛で悩みます。私の印象ですと9割以上の方が腹痛になっている印象です。
1週間程度の旅行の場合、インド滞在中は問題なく、帰国日の前日あたりに腹痛になり、日本へ帰国してから2~3週間程度苦しむという話をよく聞きます。
インド在住者の場合、やはりインドへ引っ越してきてから1週間程度でお腹が痛くなり、1ヶ月ほど続きました。私自身も、インドへ来てから1ヶ月ほど腹痛になりました。
そこでこの記事では、インドに1年ほど在住している私の視点で、腹痛を予防する方法とインドで腹痛になったときの対策をご紹介します。
この記事を読めば、インドでの腹痛への対策が分かります。
予防しても腹痛は防げない
インドで腹痛を防ぐのはほぼ不可能です。
まれに腹痛にならない人もいますが、その人は特別な対策をしているわけではなく、他の人と同じように食事をしていますので、単にもともとお腹が強いだけでしょう。
普通のお腹の人がインドへ来てお腹を壊してしまうのは防ぎようがありません。但し、お腹を壊してもそこまで大きな問題ではありません。
ほとんどのケースでは症状はそれほど重くなることはなく、治療をしなくても1-2日で治まります。しかし、まれに命に危険があるような旅行者下痢もあります。旅行者下痢患者の自然経過として、過去の統計では1週間以内に90%が、1ヶ月以内に98%が治癒します。
上記の通り、腹痛になってもしばらく苦しくなるだけで、命の危険になるケースは私の周りでは聞いたことがありません。
しかし、防げないから何も対策をしなくて良いわけではありません。
- 生水は絶対に飲まない
- 短期滞在であれば生野菜などは避ける
- 屋台のものは食べない
などは徹底しましょう。特に、インドの水の汚さは尋常ではありません。詳しくは別の記事でご紹介します。
これらを徹底してもスパイスや油などでもお腹は壊すようですが、もし生水を飲んでしまうと、腸チフスやA型肝炎などになってしまう可能性もあります。
生水を飲まないためには、水道水を飲まないのはもちろんのこと
- ペットボトルを購入する時は蓋が開いてないか確認する
- 飲食店で水を頼むときはボトルウォーターを頼む
- 観光地で売っているラッシーなどは絶対に飲まない
といった注意が必要です。
まず、観光地などで売られているペットボトルの場合、悪質なお店は空のボトルに水道水を汲んで蓋をして販売している可能性があります。
次に飲食店でも、観光地の場合は信用できません。ラッシーなども、どんな水を使っているか分からないので、高級レストラン以外では手をつけない方が無難です。
観光地が最も危険性が高いです。観光客を相手にしているので、安い水を売ってボッタくろうと考えている人が多いからです。
一方、観光地ではなく地元の人しか行かないような場所であれば、変な水を出せば地元の人からの信用を失いますし、「外国人を騙す」という発想もないので、比較的安全です。
とはいえ「このお店は大丈夫そうだ」「ここはヤバそう」という判断もつかない状態でチャレンジするのは危険なので、怪しいものは全て避けた方が無難です。
私はインドに住んで1年ですが、1年ほど住んでいるとある程度耐性もできてきますし、「このランクのお店なら、水を飲んでも大丈夫だろう」という見極めもできるようになってきます。
実際、私は地元のローカル食堂でガブガブと水を飲んでいますが、最近は全くお腹を壊しません。
腹痛が苦しい理由
私はインドへ来て1週間ほどで腹痛になったとき、正露丸を飲みましたが、全く効きませんでした。ネットの書き込みを見ても、「正露丸は聞かない」という意見を多く見ます。
一方、インド人から勧められた抗生物質を飲んだら一発で治りました。これは逆に効きすぎて怖くなりました。
本当に深刻な状況であればインドの病院に行かなければなりません。インドは格差社会のため、大都市にある外国人向けの優れた病院であれば良い治療を受けられますが、できればインドで薬や病院の世話にはなりたくないですよね?
そもそもお腹を壊したときに何が一番辛いのかと言うと、すぐトイレに行けない状況になることではないでしょうか?
実は、いつでもすぐにトイレへアクセスできるのであれば、収まるまでしばらくトイレに籠っていれば良いので、腹痛はそこまで問題になりません。
私はインドで生活を始めてから1ヶ月ほど毎日酷い腹痛でしたが、家でもオフィスでもすぐにトイレへ駈け込める環境だったので、そこまで大きな苦痛ではありませんでした。
例えば、お客さんとの打ち合わせ中に腹痛になって会議を抜け出し30分ほどトイレに篭っていたり、腹痛のため家のトイレから出られずお客さんとの打ち合わせに遅刻したりといったこともありました。
しかし皆さんも事情は分かっているため、怒り出す人は1人もいませんでした。
と慰めてくれます。インド在住の日本人は、駐在員であれ現地採用であれ、厳しい環境を一緒に乗り切る同志のため、とても優しいです。
インドで日本人が腹痛になるのは誰でも知っている話なので、腹痛でトイレへ駈け込むことは最優先事項にすることができます。
しかし、通勤途中の渋滞中に腹痛になったときは地獄でした。トイレがどこにあるかも分からず、車も全く動きません。
私は家からオフィスまで車で30分ほどだったのですが、あの経験があまりにも辛かったので、週末にわざわざ家からオフィスまで5時間ほどかけて歩き、脇道も含めて途中で利用できそうなトイレを1つずつチェックしたほどです。
逆に言うと、トイレにすぐアクセスできるのであれば不安が少し和らぐのではないでしょうか。
腹痛の対策
ここからは、インドでスムーズにトイレへアクセスするための方法をご紹介します。
トイレを利用できる場所を把握しておく
清潔なトイレを利用したければ利用できるのは一流ホテルです。敷居が高いですが、日本人の見た目であれば怪しまれずに入れます(貧困層のインド人が利用しようとすると門前払いされることがあるそうです)。
ショッピングモールなども比較的清潔です。レストランやカフェのトイレなどは鍵がかかっていて注文しなければ利用させてもらえないこともあります。
一流ホテルやショッピングモールなどは中々見当たらないので、緊急の場合はガソリンスタンドやスーパーマーケットなどのトイレを利用しましょう。衛生的とは言えませんが街中の至るところにあります。
市中のトイレ事情については、【インドのトイレ事情】旅行者がインドでトイレを利用する時の注意点で詳しくご説明していますのでご参照ください。
正直、本当に腹痛になったらトイレが衛生的かどうかなど気にしている余裕はありませんので、その辺にいるインド人を捕まえて「トイレはどこですか?」と聞けば
と言って、近くのトイレを教えてもらえます。但し、オートリキシャやタクシーに乗って連れて行こうとする人には絶対について行ってはいけません。
もしガソリンスタンドすらないような農村部の荒野を車で走る場合には、人もいませんので、逆にどこでもトイレをして良いかも知れません。
以前、インドでツアーに参加したとき、「道路を挟んで男性は右、女性は左で用を足してください」などと言ったこともありました。
いずれにせよ、車で移動しているのであればドライバーに頼めばどうにかなります。
また、観光地であれば大抵はトイレがあります。有料な場合もありますので、5ルピー(約8円)程度の小銭を用意しておきましょう。
たまに、清掃員ではないチンピラがトイレの前で待ち構えて、もっともらしく利用料を請求してくる場合があります。
払わずに押し通して良いのですが、観光客の場合は正式な有料トイレとチンピラの区別もつかないと思うので、面倒であれば5ルピーを払ってしまいましょう。
緊急用トイレを用意しておく
渋滞などで困ったときの緊急用トイレです。
インドの場合、日本と異なり必ずドライバーがいると思いますので、利用する時はドライバーに頼んで車を路肩に止めてもらい、ドライバーには車外で待っていてもらう必要があるかも知れません。
また、ツアーなどの場合は使いづらいかも知れません。
介護用オムツを用意する
これは最終手段ですが、冗談ではなく、本当に緊急になることを想定して念のため持って行っておいた方が無難です。
特に1人旅をする場合にはどこでトイレへアクセスできるのか、トイレを探すだけでも大変なストレスになります。貴重な時間を効率的に使うためにも、年には念を入れて準備をしておいた方が無難です。
まとめ
インドで生活をする場合には、いつでもトイレにアクセスできるはずなので、腹痛はそこまで心配いりません。
問題はインド旅行の場合ですが、この記事でご紹介した方法を参考に対策をして頂いて、ぜひインド観光を満喫してください。