インドのグルガオンで現地採用として生活している30代男性のN.S.さんに、グルガオン生活の詳細をインタビューしました。
グルガオンはインドの首都デリー近郊にある新興都市で、多くの日系企業が進出し日本人も暮らしています。
私はチェンナイに1年半ほど暮らしていますが、同じインドでも色々と異なるので興味深いです。
この記事を読めば、グルガオンでの生活をかなりリアルにイメージできると思います。
なお記事では1INR(インドルピー)=1.5円として計算しています。
なお、N.S.さんのグルガオンでの仕事については「インド就職で最も苦労するのはリマインド」30代男性N.S.さんの記事をご参照ください。
グルガオン生活を始めるための手続き
会社の人事がビザ申請に必要な書類を指示してくれて、その書類を私が揃えつつビザの取得代行会社を活用しました。
西日本在住者は大阪のインド領事館、東日本在住者は東京のインド大使館に申請しますが、私は大阪の領事館に申請しました。2週間以内にビザは無事に発行されました。
ビザ申請にあたっては、パスポート、証明写真、会社からの招聘状、インドで働く会社の謄本(Incorporate Certificate)、推薦状などが必要でした。
こちらも会社の人事が全てやってくれたので、私は人事に言われた書類を揃えるだけで、私が直接FRROの手続きをやることはありませんでした。FRROは10日くらいですぐに下りました。
FRROの証明書はメールでPDFが送付されるだけで、原本が送付されることはありませんでした。
銀行口座の開設手続も全て人事がやってくれて、1ヶ月以内に問題なく完了しました。
※FRROの詳細はインドの外国人登録 e-FRRO 手続きの流れと必要書類の記事をご参照ください。銀行口座開設についてはインドでの銀行口座開設手続の記事をご参照ください。
グルガオンの生活費
主な支出
ルピー | 円 | |
家賃 | 28,000 | 42,000 |
電気代 | 2,000 | 3,000 |
携帯電話代 | 1,000 | 1,500 |
ガス代(3ヶ月に1度程度) | 700 | 1,050 |
食費 | 36,000 | 54,000 |
美容院代(2ヶ月に1度程度) | 4,000 | 6,000 |
サークル活動 | 2,500 | 3,750 |
合計 | 74,200 | 111,300 |
家賃は28,000ルピー(42,000円)です(うち3,000ルピー(4500円)は管理費、25,000ルピー(37,500円)が純粋な家賃)。間取りは1LDKで、部屋の広さは8畳くらい、リビングは10畳くらいです。
敷金(デポジット)は家賃の1ヶ月分です(ちなみにチェンナイの敷金は家賃の6ヶ月分です)。
※インドでは1LDKのことを"1BHK"と呼びます。BHKとはBedroom、Hall、 Kitchenのことです。
日中はセキュリティのおじさんがいて、困ったことがあれば何でも相談できます。但しおじさんはヒンディー語しかできないので、込み入った話が必要な時はオーナーを呼んできて英語からヒンディー語へ通訳してもらいます。オーナーはとても良い人で助かってます。
水道代は家賃に含まれています。電気代は大家さんが立替えて請求されます。2ヶ月毎に支払いますが、1ヶ月あたり2,000ルピー(3,000円)くらい、暑い時期は3,500ルピー(5,250円)ルピーくらいです。
インドの水道水は飲めないので、ウォーターサーバーの水を20リットル150ルピーで購入しています。アパートのセキュリティに頼むと運んで来てくれます。
プロパンガスを3ヶ月に1回交換し、これは700ルピー(1,050円)です。
家にWiFiはなく、自分でAirtel(インドの通信キャリアです)のSIMを2つ買って、1つは家でルーター的な役割として使っているます。
SIMカード1枚あたり500ルピー(750円)/月です。SIMを紛失した時に予備用のSIMを使えますし、家にWiFiを引くよりもSIMカードの方が安く済みます。
2枚ともairtelにしてしまいましたが、airtelの通信が悪い時には同時に2枚とも使えなくなってしまうので、片方は別の通信キャリアにして置けば良かったと思います。
最近はJIO(別の通信キャリアです)の電波が良いと聞くので、1枚はJIOにすれば良かったかなと思いました。
ほぼ外食になるので、食費は平均1日1,200〜1,300ルピー(1,800〜1,950円)ほどかかります。月に36,000ルピー(54,000円)ほどです。
朝はバナナなどのフルーツを食べる程度、昼はZOMATO(UBER EATSと同じようなインドの宅配アプリです)でパスタなどを頼み400ルピー(600円)ほど、夜は日本食の割合が多いです。
日本食のデリバリーをZOMATOで頼むこともあります。日本食レストランには多くの日本人が集まるため、オフの時に仕事関係の日本人の方にお会いしてしまうこともあるため、デリバリーは重宝しています。
日本食は安くて400ルピー(600円)くらい、高いと600ルピー(900円)ほどします。私が知っている限りグルガオンには3軒ほど日本食レストランがあります(EBISU、くふ楽、いち膳、MANAMIなど)。
サウスポイントモールにDomoDomoというお店があります。日本食レストランっぽい雰囲気の内装ではありませんが、おにぎりや二郎風ラーメンなどを楽しめます。
私は営業職ということもあり、会社が営業用の車を支給してくれています。
営業用の車で通勤しているので通勤費はかかりません。
最初はルックスサロンというチェーン店で切って700ルピー(1,050円)くらいしたのですが、雑に切られたのであまり気に入りませんでした。例えばもみあげをインド風にされたりとか・・・
今はTOKUMIヘアーという、日本人の方が経営されている美容院へ行っています。駐在員の方が行っている美容院で、4,000ルピー(6,000円)くらいかかります。
2ヶ月に1回ほど通っており、割高感は感じているもののヘアカットには満足していますので今の所は他のサロンを探す予定はありません。
買ったシャツのアイロンだけ1枚10ルピーで頼んでいます。
私が住んでいるのはインド人の中所得者層エリアなのですが、路上にアイロン屋さんがあるので、セキュリティに頼むと1枚10ルピーで翌日までに仕上げてくれます。
それ以外は全部洗濯機で済ませています。
腹痛や風邪などで、病院には何回か行ったことがあります。
1回はフォルティス病院にクレジットカードの海外旅行保険で行きました。その時はキャッシュレスで無料です。
2回目と3回目は「ひまわりファミリークリニック」という日系の病院へ行きました。その時は全額自己負担で日本円で10,000円くらいでした。
ひまわりファミリークリニックは、医師はインド人なのですが日本人の医療通訳の方がいて、全て日本語で対応してもらえます。
医療用語は分からないことがあるので、症状を誤解なく伝えるために日本語で話すようにしています。処方された薬の袋には、効用が日本語で書かれています。
歯医者には行ったことがありません。
以前はメイドさんをお願いしてました。月3,000ルピー(4,500円)で月〜金に来てもらっており、掃除と夕食作りをお願いしていました。
最初にお願いしていたメイドさんは(悪気はないのかも知れませんが)必要な物をゴミと勘違いして勝手に物を捨てたりすることがありました。
その後そのメイドさんは急にいなくなり、次に来た人は掃除が雑だったので、お断りして自分ですることにしました。
メイドさんを雇って物がなくなるという話はよく聞きます。
スポーツ系のサークル活動に参加しており、週1回で500ルピー(800円)ほどかかります。
グルガオンの生活全般
会社の社員は全員問題なく英語を話せます。ただ出前などを頼んだ時には英語は通じないので、ある程度ヒンディー語を習った方が便利です。但し、ヒンディー語ができなくてもどうにか生活できます。
危ない目に遭うようなことは何もしていませんので、危ない目に遭ったことはありません。夜12時前には絶対に家へ帰りますし、私の活動範囲は家と会社とレストランとスポーツ系サークルをする運動場だけなので、危なそうな場所へは行きません。
大気汚染は酷いです。2月現在では大気汚染指数のAQIは170〜180くらいです。
一番酷いのは11月の頭くらいでAQIは1000を超えます(AQIは100を超えると健康に悪いとされており、インドのグルガオン近郊は世界最悪の大気汚染指数です)。
2月のAQIが170と言っても、常に喉から下は不調な感じがします。常に痰が出たり鼻水が黄色かったりします。
家に空気清浄機は置いていますし、会社にも置いていますが、マスクなどはしていません。他の日本人の方もマスクはしてません。
ただ、たまに韓国系・中国系の方々がゴツいマスクをしているのを見かけることはあります。
大気汚染の他には、水も健康に悪そうです。私はインドへ来てから背中に謎の発疹ができたりするのですが、恐らく飲んでるものや食べてるものが悪いからではないかと思います。
蚊は出ますので、蚊帳をベッドに設置しています。蚊以外の虫は出ません。
スポーツ系サークルへの参加をしています。以前は仕事に慣れるため土日も仕事で一杯一杯でしたが、今は日曜日に運動をしてリフレッシュしています。
グルガオンは想像していたよりも便利で暮らしやすいです。衣食住でいうと、下着などはUNIQLO(但し値段は日本の1.5倍)がオープンしましたし、日本食レストランもあります。あとは大家さんとの関係が良好であれば文句ないと思います。
ただあえてギャップを言うと、グルガオンの冬はめちゃくちゃ寒いので驚きました。シャワーに入るときはメチャクチャ寒い。
冬物は必須です。私はインドは1年中暑いと思い込んできたので、冬服を全く持ってきませんでした。
日本よりもインドの方が良いところは、パットは思いつきません。全体的に日本よりも大変です。しかし日本へ帰りたいと思ったことはありません。
インドの経験はキャリア面でとてもプラスになるので、生活は大変ですが頑張っていきたいです。
なお、N.S.さんはグルガオンでの仕事についても詳しくお話しいただいています。
詳しくはアジア体験談 「インド就職で最も苦労するのはリマインド」30代男性N.S.さんの記事をご参照ください。
N.S.さんの体験談を読んでインド就職のイメージを持ってもらえたかと思いますが、以下のような不安もあるかと思います。
- インドで自分に合った仕事があるか?
- インドでビザは下りるか?
- インドに適した履歴書や職務経歴書の書き方
- 面接でのアピール方法
- 将来のキャリア戦略
こういう不安を一人で抱え込むのはつらいですよね。
インド就職の進め方に不安がある方は、海外就職に特化したキャリアコンサルタント・グローバル人材塾の無料キャリア相談を受けてみることをお勧めします。
百人いれば百通りのキャリア戦略がありますので、ぜひプロの力を活用してインド就職を実現してください。
グローバル人材塾の詳細は海外就職の希望者は必見!グローバル人材塾をオススメする3つの理由の記事をご参照ください。