デリーでの生活を始めるために必要な手続き
赴任の時のビザ申請手続きは全て会社側が全部やってくれたので、スムーズに進みました。
最初のFRRO手続きは会社がやってくれたので、私は会社に言われた書類を提出しただけでした。
但し書類集めで苦労しました。
Form C という書類を滞在先のホテルに提出してもらわなければなりませんでしたが、この書類をなかなか出してくれず、いざ出してもらっても間違いだらけで、ホテルとのやり取りにとても苦労しました。
最初の登録手続きで苦労したのはForm Cだけでしたが、ビザの更新時は大変でした。
赴任時とは異なり、更新時の手続については会社は対応せず、全て自分でやらないといけませんでした。
何が大変かというと、コロコロと必要書類や手続きが変わることです。
数ヶ月前に更新手続きをした同僚の情報を参考に書類を準備しても、追加で書類を要求されたり、FRRO事務所でのインタビューが求められたりと、スムーズに手続きが進みませんでした。
常に必要書類が変更になるというのはインドではよくあることなので、インドに住んでいれば慣れてしまいますが、最初のうちは面食らいます。
FRRO事務所にインタビューのアポが取れないなど、ビザの更新手続きの苦労話はよく耳にしました。
私もビザの更新期限までに手続きが完了せず、ビザが1週間くらい切れている状態でした。
ビザが更新されても、パスポートに貼られたビザのステッカーが更新されることはなく、新しいFRROの証明書が発行されます。
従って、パスポートに貼ってあるステッカーのビザ期限は切れたままです。
PANカードを作ったり銀行口座を作ったりと、初めての給料を受け取るまでのプロセスが極めて長いです。
※PANカードはインドの納税者番号を記載したカードで、日本のマイナンバーカードのようなイメージです。但しインドにはPANの他にAadhaarというカードもあります。
PANも銀行口座も基本的には会社が対応してくれましたが、初めての給料が振り込まれるまで3ヶ月かかりました。
給料をもらうまでは日本の国際キャッシュカードで日本の銀行口座からお金を下ろす必要がありました。
ホテルから家の引越し費用なども給与が入っていない状態でやらないといけないので、海外生活が軌道に乗るまでの初期費用が高くつきます。
これは駐在でも同じで、銀行口座ができるまでは仕方がありません。
精神的には「いつになったら口座が開設されるんだろう」と不安で辛かったです。
私よりもインド暦の長い同僚達は「まぁインドだからそんなもんだよ」と平然としていましたが、確かに慣れれば問題ありません。
※インドのe-frro手続と銀行口座開設手続については下記の記事をご参照ください。
デリーの生活費
A.S.さんの1ヶ月の生活費
項目 | インドルピー | 日本円 |
家賃 | 30,000 | 45,000 |
水道代 | 0 | 0 |
電気代 | 2000 | 3000 |
通信費 | 200 | 300 |
食費 | 25,000 | 37,500 |
交通費 | 20,000 | 30,000 |
合計 | 77,200 | 115,800 |
自炊が中心ですが、外食の場合は軽くおつまみ+アルコールで2000ルピー(3000円)ほどします。
自炊の場合、野菜は1kg数十ルピーという単位で買えて、袋詰めで両手いっぱい分を買って100ルピーくらいです。1食にしたら20ルピーくらいでしょうか。
日本から出汁や調味料は持って来ているので、それを使っています。
お肉はマーケットで鶏肉を買うこともありますが、基本的には野菜とパニールくらいしか買いません。
※パニールとは、豆腐のような見た目をしたインドのチーズです。
インド料理は普段はあまり食べません。ローカルのものは口に合わないので食べれないものが多く、
出前を利用する人も多くいますが、
ランチは会社近くにあるフードコートで済ませます。
同僚はランチでレストランへ行ったりしていますし、
最初の家 | 2つ目の家 | |
家賃 | 36,500ルピー(54,750円) | 30,000ルピー(45,000円) |
間取り | 2BHK | 1BHK |
敷金 | 家賃2ヶ月 | 家賃1ヶ月 |
家の問題 | 窓が閉まらない、寒い | 停電バックアップがない、ギザが小さい |
1度引越しをしているのですが、1つ目の家は2BHKで家賃が月35,000ルピー(52,500円)、メンテナンス費が月1500ルピー(2,250円)の36,500ルピー(54,750円)です。
Lock-inが11ヶ月で、デポジットは2ヶ月分(半年入居すると1ヶ月は返却)でした。
※Lock-inとは最低入居期間で、Lock-inが11ヶ月の場合には1ヶ月で退居しても11ヶ月分の家賃を払わなければなりません。通常Lock-inは1年程度です。
2つ目の家は1BHKで30,000ルピー(45,000円)です。ゴミの収集代を月200ルピー(300円)を払わないといけませんが、払ったことはありません。
※インドでは"LDK"のことを"BHK"と表現しますので不動産探しの時は参考にしてください。
来る前に知り合いのツテを使って不動産屋を紹介してもらったり、会社の現地採用の人に紹介してもらいました。
最終的には日本人の方が経営している不動産エージェントで家を探してもらいました。
インド人のエージェントも使ったのですが、例えば、家の広さや清潔さ、通勤時間など、私のニーズを理解してもらえなかったので日本人のエージェントに勧めてもらった家に決めました。
一人で住むには部屋数が多かったり、水回りがとても汚かったり、通勤時間が30分~1時間と、インドの渋滞と交通費を考えると避けたかったのですが、インド人エージェントには「1時間なんて近い近い。通える通える。全然問題ないよ」と言われ、私の心配は聞いてもらえませんでした。
最初の家は駐在員が多いエリアで各家にセキュリティの方がいて、治安はとても良かったです。
エリアが良かったので、家は古いですが家賃は高めで「このクオリティでこの家賃は高いなぁ」と思いました。
電気代は、同じ建物に住んでいるオーナーの部屋と合算で請求書が届くので、私の部屋のメーターの目盛りを読んでその分をオーナーから請求されてました(1ユニット10ルピー(15円))。
始めの家の方が設備はしっかりしていて、お湯が出ないこともないですし、停電時にもバックアップがあったので電気が止まることもありませんでした(エアコンは止まりました)。
但し洗濯機がなかったので洗濯物は全て手洗いで、布団を洗う時だけは友人の家へ行って洗濯機を借りていました。
ただ冬は寒くて寒くて・・・デリーは冬は一桁台まで下がるのですが、暖房をつけると電気代がはね上がるので我慢していました。
日本の冬は寒いですが家の中は暖かいですよね。しかしインドの家は石で出来ている上に、隙間だらけなので外の方が暖かいのではないかとすら感じます。
先述のデメリットに加え、オーナーとの相性が悪かったからです。
年配のオーナーという事もあり、
インドではオーナーとの相性はとても大切です。
また窓も閉まりませんでした。
オーナーはワイヤーを巻きましたが意味がなく、外でセキュリティの方が焚き火で暖をとっていたのですが、そのモクモクとした煙が部屋へ入ってきて、冬場は寒さとPM2.5の大気汚染に加え、焚き火の煙のトリプルパンチで頻繁に体調を壊しました。
最低契約期間は11ヶ月でしたが、10ヶ月目に良い家が見つかったので引越しをしました。
先ほどお話しした通り最初に預けた敷金(Deposit)は2ヶ月分で、6ヶ月入居したので1ヶ月分は返金されましたが10ヶ月で退居したのでもう1ヶ月分は没収されました。
オーナーが勝手に入ってきたことはありません。オーナーはスペアキーを持っているので入られる可能性はありましたが、事前に許可なく入らないで欲しいと強く言っていたので、勝手に入ってきたことはないと思います。
※逆に言うと、事前にオーナーにきちんと伝えておかないと、不在時に勝手に部屋へ入られる可能性がないとは言い切れません。
現地採用の友人やインド人の同僚の力を借りたり、Googleでヒットした不動産屋さんに自分から連絡を取って物件を見に行きました。
既にデリーで10ヶ月生活していたこともあり、エリアや家賃相場などもわかっていたので、インド人の不動産屋にも要望を伝え交渉もできるようになっていました。
2回目は、ちゃんとした物件を探してくれる人を頼り、最終的には直感とタイミングで今の家に決めました。
オーナーが若く話が通じますし、近くに住んでいないので、精神的に楽になりました。
また、今は電気代の請求が直接来るので、中抜きされる心配もありません。
今の家も隙間はありますが、日本で隙間テープを買ってきたので隙間風やホコリが入らなくなり、少しは虫の侵入も防げるようになりました。
但し雨は入り込んで来ます。
一方、今の家はギザが小さいので冬場にはお湯が足りません。
※ギザというのはインドの湯沸かし器のことです。ギザが大きければ一度に多くのお湯を使うことができるので、ギザの大きさはインドの家選びにおいて重要です。
2019年の冬は特に極寒でしたが、シャワーのお湯は3〜4分しか持たず、部屋の中も寒いので、とても大変です。
また停電のバックアップもないので、電気が止まったら止まったままです。
夏に停電が発生した時は、50度近い気温の中でエアコンも扇風機も回らず暑さに耐え続けるしかありません。
照明がないのでロウソクを灯し、虫除けのためにアロマを焚きます。
とはいえ、今の家の方が精神的に楽になりました。
前の家の時は、電気代は安い月で1400ルピー(2100円)、高い月で2700ルピー(4050円)でした。
今の家へ来て電気代は少し安くなり、安いときで1000ルピー(1500円)くらい、エアコンをたくさん使った一番高い時でも2000ルピー(3000円)くらいでした。
水道代は払っていません。
※インドは水道代は無料のようです。
ガスは都市ガス(最初の家はプロパンガス)で、メーターの数字だけ確認されますがガス代を支払ったことはありません。
前の家も今の家もそうなのですが、空港近くのエリアのためか4Gや無線の電波が弱いです。
前の家は携帯の電波が全く入らなかったので有線で繋げてWiFiで飛ばしており、月2000ルピー(3000円)ほどでした。
今の家は4Gの電波が途切れ途切れ入るので、WiFiは引いていません。
WiFiが高いからというのもありますが、いつ来るかもわからない工事業者を待って壁に穴を開けられて部屋を汚されて・・・と考えると重い腰が上がりません。
※インドの工事業者は10時間とか1週間など、平気で遅れます。
今は会社の携帯の他に自分の携帯を契約していて、1日2GBで、84日で600ルピー(900円)ほどです。
約1ヶ月で200ルピー(300円)ほどですが、もっと安いプランもあります。
通勤はUBERやオートリキシャを使っており、通勤費は自己負担です。
プライベートでの移動も含め1ヶ月の交通費は15,000〜20,000ルピー(22,500〜30,000円)くらいです。
会社は自宅から車で15分くらいのところにあり、交通事情が特段危ないところでもないので、スクーター欲しいなと思っています。
月2万も交通費を払っていることを考えれば、スクーターを買っても数ヶ月で元が取れると思います。
週末の移動は場所によって電車とタクシーとオートリキシャを使い分けています。
なお、バスには乗ったことはありません。デリーのバスはほぼ男性しか乗っておらず、女性の私は利用しづらいです。
基本的に髪は伸ばしっぱなしで、半年に1回ほど日本へ帰ったタイミングで美容院へ行きます。
但し、インドは水の質が極めて悪く髪が傷んでしまうので、ヘッドスパへ定期的に通おうと思っています。
Practoという病院検索サイトがあり、そのサイトで口コミなどを調べ、ドクターを予約して行きます。
病状が深刻な場合には、日本の総合病院のような大きい病院へ行きます。
設備は大きいものの待ち時間や手続きはインド式です。診察料は症状にもよりますが、2,000ルピー(3,000円)前後でしょうか。
腹痛や頭痛などで症状が軽い場合にはローカルの町医者へ行くこともあります。
日本の古い町医者のイメージで、診察室に簡素な机と椅子と診察台だけがあります。
とはいえ、嫌悪感のある感じではありません。
診察台は500ルピー(800円)から800ルピー(1200円)ほどで、薬も処方してくれます。
ドクターが紙に色々書いて、自分で薬局へ行って薬をもらいます。
その紙は次回診察時に持参します。
会社で加入している医療保険は入院の時のみ適用されるため、外来の診察は全額自己負担ですが、大した金額ではないので気軽に行くことができます。
診察を受けると、大抵「季節の変わり目」や「大気汚染」が原因と言われる所にインドを感じます。
一度行って、「この医者はだめだ」と思ったら次から行かなければいいので、気軽に通っています。
日本語で医療通訳をしてくれる病院もあり、診察内容も信用出来ますが、高いので私はローカルの病院に通っています。
はい、歯医者はクリーニングで1000ルピー(1500円)でした。
ホワイトニングも8000ルピー(12,000円)と日本に比べると安く出来ます。
私は家の近くの歯医者に行きましたが、
会社が100%負担してくれて、インドで年に1回健康診断を受けます。
健康診断の担当者がヒンディー語しか話せないため、分けがわからないまま進んでいきますが、健診項目は日本と同じで身長体重、心電図、眼科などです。
驚いたのは、男性も女性も同じ待合室だったことでした。
空港のセキュリティチェックなど、インドは多くの場所で男女を分けるのですが、ここは男女一緒でした。
デリーの生活全般
南米などのように白昼堂々街中で突然銃を突きつけられることとかはないが、デリーの治安は甘くみない方がいいです。
暴動なども発生しているので、そういう情報には敏感になる必要があります。
また、他の国同様、夜には女性一人で外を出歩かない方が良く、基本的な自己防衛力は必要です。
ウソついてくる人とかもおり「インドは酷い国だ」と怒る方もいますが、そういう国なので、それも1つの文化として受け入れる姿勢が多文化共生の考え方なのではないかと思います。
英語圏とは言え、ローカルのマーケットやオートリキシャ、タクシーの運転手などには英語は通じないことが多いです。
レストランなどでは通じます。
ヒンディー語ができた方が快適に楽しく暮らせると思います。
大気汚染は極めて深刻です。
対策として、駐在であれ現地採用であれ、空気清浄機は購入して自宅に置いています。
私の場合、空気清浄機を置こうと思えば置けますが、「もういいわ」って感じで買ってません。
家のことをしたあと一人でカフェに行ったり、友人と会ったりしています。
また週末にはよく旅行をします。
日本人のコミュニティやサークル活動などは私は参加していませんが、周りの方は結構参加しています。
「臭い、汚い、うるさい」は想像通りです。
想像通りなんですが、とはいえやっぱり辛いです。
事前に覚悟をしていても、来る前に頭で考えていたことと、インドへ来て実際に感じることとはやはり違います。
旅行のし易さです。
インドは国内でも地域毎に全く異なる面が見られて面白いです。
また、ヨーロッパ、中東、中央アジア、アフリカなどにも行けるので、旅行のしやすさと楽しさでは日本よりも数段上です。
また、「ちょっと新しいことやってみよう」っていう時に、すぐチャレンジできるのもインドの良いところです。
日本だと新しいこと習うのに20万〜30万かかることもありますが、インドでは同じ習い事を数万でできたりします。
長時間残業や長距離通勤もないため、新しいことにチャレンジする時間もあります。
またインド人に相談すればおせっかいなほど情報をくれます。
新しいことを始めるにはインドはとても良い場所です。
日本へ帰りたいと思うときは何度もあります。
頭の中を整理したいと思ったときや、ローカルのインド人とのやり取りで消耗したときや、停電などインフラ周りが止まったときなど、疲れ果てて日本へ帰りたいと思います。
あとは、何故かインドにいると孤独を感じることが多く、自分の居場所を感じられる日本に帰りたいと思うことがあります。
- ホッカイロ
- スリッパ(インドでも買えますが質が悪いです)
- 日本の無洗米
- 絆創膏
などです。
化粧品などはインドで購入すればOKです。
世界共通のハイブランドのものもあるので安心です。
インドの生活は良いこと、楽しいこともいっぱいありますが、辛いこともあります。
全ては自分次第です。
E.K.さんの体験談を読んでインド就職のイメージを持ってもらえたかと思いますが、以下のような不安もあるかと思います。
- インドで自分に合った仕事があるか?
- インドでビザは下りるか?
- インドに適した履歴書や職務経歴書の書き方
- 面接でのアピール方法
- 将来のキャリア戦略
こういう不安を一人で抱え込むのはつらいですよね。
インド就職の進め方に不安がある方は、海外就職に特化したキャリアコンサルタント・グローバル人材塾の無料キャリア相談を受けてみることをお勧めします。
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