奥さんとお母さんの仲が悪い既婚男性の皆さん、板挟みに遭って苦しんでいませんか?
実は、お母さんの前で常に奥さんの味方をすると状況は改善します。
と言いたくなる気持ちは分かります。
でも、お母さんに逆らうのが怖いから、嫁姑の板挟みになって苦しむことになるのです。
実際、私自身も結婚当初は妻と母との相性が悪かったのですが、ある時から徹底的に妻の味方を続けた結果、今では非常に妻と母との仲が良好になり、母と私の関係自身も改善しました。
私の場合は結婚生活のスタート時に大失敗したので長期に渡りこじらせてしまいましたが、初めから妻の味方をしておけばもっとスムーズだったのではないかと思います。
この記事では嫁姑の板挟みにあった旦那が無条件で嫁の味方をすべき理由を3つご紹介します。
- 母の前で母の味方をすると妻が孤立する
- 妻の実家や友人を味方につけられる
- 親との関係は切っても切れない
理由を説明したあと、私のケースもご紹介します。
この記事を読み終わったら、妻の味方をして母親に申し訳ないと思う罪悪感が消えます。
なお、この記事の内容は旦那さんと奥さんの立場を入れ替えても全く同様に当てはまります。実家の親と旦那さんが対立したときには、実家の親の前では常に旦那さんの味方をしましょう。
※旦那さんからみて奥さんは「妻」、旦那さんの両親からみて奥さんは「嫁」と呼ぶそうです。この記事は旦那さんの立場から見た内容なので、「嫁姑問題」というよりは「母妻問題」が正確かと思います。以下、いわゆる姑は「お母さん」「母」、嫁は「奥さん」「妻」と書くことにします。
Contents
理由1:母の前で母の味方をすると妻が孤立する
大抵の場合、母と妻がこじれるきっかけは
- 母が夫婦の問題(子育てを含む)に口を出す
- 旦那が母の肩を持つ
- 妻が孤立する
という流れで発生します。
旦那であるあなたが奥さんの意見を正しいと感じる場合と、お母さんの意見を正しいと感じる場合とでアプローチが異なります。
旦那であるあなたが奥さんの意見を正しいと感じる場合
お母さんの言っていることが明らかに間違っているのにハッキリとモノが言えない場合、旦那であるあなたの子離れができていないかも知れません。
例えば、あなたのお母さんが奥さんに対して
などと時代錯誤の大暴言を吐いたとしたら、明らかに余計なお世話ですよね?
この過干渉を止められないとしたら、奥さんに「マザコン野郎」と言われても仕方がありません。
自分が正しいと思うことを親に伝えられないと、関係はこじれてしまいます。
マザコンの問題は嫁姑問題とは全く関係がなく、あなたとお母さんとの親子問題に奥さんが巻き込まれているだけと言えます。
旦那本人は親孝行のつもりでも、妻から見たらマザコンということはよくあります。
妻から「マザコン」と指摘されたとき、「親孝行をして何が悪い!」と言い返す前に、自分がマザコンになっていないか確認しましょう。
マザコンの男は、自分が母親に気にいられることを考えているが、母親の健康を心配しているわけではない。
加藤諦三 「眠れない人のための心理学」 P250
子離れの問題についてはアダルトチルドレンは毒親と絶縁してこそ初めて親孝行ができる理由という記事をご参照ください。
旦那であるあなたがお母さんの意見を正しいと感じる場合
問題は、「奥さんよりもお母さんの言っていることの方が正しい」とあなたが感じたときです。
例えばあなたの実家で家族が集まって夜ご飯を食べるとき、もし奥さんがパジャマ姿で現れたら、あなたのお母さんは奥さんに対してちょっと非常識だと感じるかも知れません。
もし奥さんが
と言っても
と文句を言いたくなるお姑さんの気持ちも分かるかも知れません。
しかしこの時も、旦那であるあなたは「まぁまぁ、人それぞれだから」と言ってお母さんをなだめ、奥さんの味方をした方が長期的には上手くいきます。
もしここで奥さんに対して、お母さんの前で
などと言ってしまうと、奥さんとしては内容がどうであれ「旦那の一家 VS 自分1人」という構図で考えてしまいます。
そうなってしまうと、たとえ母側が正しいことを言っていても、奥さんは「いじめられてる」としか受け取れなくなってしまいます。
奥さんが自分の実家へ報告すると、奥さんの両親は事実関係がどうであれ「娘婿は娘のことを守っていない」という印象を与えてしまい、嫁の両親が登場します。
そうなると「旦那+旦那の実家 VS 妻+妻の実家」という、「渡る世間は鬼ばかり」のような地獄絵図になります。
もし奥さんのご両親や兄弟姉妹が亡くなっている場合などは、奥さんは親族で味方がおらず孤立無援になってしまうので、さらに丁重なケアが必要です。
従って奥さんの方が間違っている場合でも、お母さんの前では一旦奥さんの味方をして、夫婦の時間になったときに夫婦の問題として奥さんと話し合いをするのがオススメです。
夫婦2人だけで話し合いをするのであれば、奥さんも「旦那の一家が圧力をかけている」とは感じず、夫婦の問題として話をすることができます。
夫婦2人の時間になっても奥さんが全く話を聞いてくれないということであれば、それはもはや嫁姑問題ではなく夫婦間の信頼関係の問題になるので、全く次元の異なる問題です。
もし「もう離婚したいけど1人で立ち向かうのが不安だから、実家の親に助けてもらいたい」ということであれば話は別です。
しかし、これからも夫婦関係を続けていきたいのであれば、夫婦の争いごとに親を巻き込むとややこしいことになります。
そもそも奥さんと結婚することを決断したのは旦那である自分なのですから、奥さんが自分の実家で引き起こした問題についても全て自分で責任を取る覚悟は必要です。
ここまで「嫁姑」と書いてきましたが、これは旦那さんと奥さんの立場を入れ替えても同じです。
奥さんの親が旦那さんと対立した時には、奥さんは(実家の親の前では)無条件で旦那さんの味方をしましょう。
嫁姑問題で悩んでいる奥さんのブログなどを読んでいると、旦那さんが姑の味方をすることは非難しているのに、自分自身は夫婦間の問題を実家の親に訴えて旦那さんにプレッシャーをかけようとしている人を見かけます。
それでは旦那さんは不安になって自分の親に頼らざるを得なくなるので、問題は解決しません。
なおちょっと話が逸れますが、インド人同士の結婚では全ての夫婦問題に親が登場するそうです。
それはそれで1つのスタイルかも知れません。
理由2:妻の実家や友人を味方につけられる
上述の通り、旦那が自分の母親の味方をしていると、奥さんの両親は「娘は嫁ぎ先で苛められているのではないだろうか」と不安になります。
また奥さんが友人に旦那の愚痴を言うようになると、奥さんの友人からも敵視されてしまうかも知れません。
そうすると、嫁姑問題に限らず夫婦関係全般が袋小路に陥ってしまいます。
なぜなら、奥さんの家族や友人は奥さんのことをよく知っているので、本来は夫婦間に何か問題が生じたときに旦那さんが奥さんの両親や友人に相談すると最も的確なアドバイスをもらえることが多いからです。
私も以前は、妻の女友達に電話をかけてアドバイスをもらったりしたこともありました。
ところが奥さんの家族や友人から敵視されてしまうと、旦那さんが奥さんとのコミュニケーションで困ったときに、奥さんの両親や友人に相談をすることができなくなってしまいます。
一方、もしあなたがお母さんの前で常に奥さんの味方をしていたら、奥さんは「旦那が姑から守ってくれている」と実感できるようになり、それは奥さんの実家にも伝わります。
すると奥さんの両親は安心するので、「私たちが旦那から娘を守らなければ」という意識はなくなります。
奥さんの両親も旦那であるあなたに対してフラットに接することができます。奥さんの両親と良好な関係を築いたうえで、奥さんの両親に対して
と相談すれば、奥さんの両親から奥さんへ「旦那さんの実家へお邪魔したときにパジャマで夕ご飯を食べるなんて失礼だぞ」と話をしてもらえるかも知れません。
同じ内容でも、姑から直接言われるよりも実の両親や友人から言われた方がスッと奥さんの頭に入り、結果として嫁姑の関係も改善する可能性が高いです。
「旦那+妻の実家 VS 妻+旦那の実家」くらいの関係になると、バランスが良くなり物事が丸く収まります。
理由3:親との関係は切っても切れない
結婚相手は自分の意思で選んだものですが、両親は自分の意思で選んだものではありません。
親が幸福ではないとしても、それは親自身が自分の人生の問題として解決すべきことで、子どもが抱えるべき問題ではありません。
一方、夫婦は一緒に生活を築いていきます。親の力を利用しなければ夫婦の問題を解決できないということでは、先行きが不安定です。
親の干渉があまりにも激しくて夫婦関係に問題が生じるのであれば、(お盆や正月、冠婚葬祭にも一切顔を出さないなど)一旦親とは距離を置いて夫婦関係の信頼関係の基礎を構築するのが先です。
夫婦の信頼関係が構築できれば、親子関係は後からでも修復できますし、親子関係の修復に奥さんも協力してくれるはずです。
10年かかるか15年かかるか分かりません。しかし(繰り返しになりますが)それは奥さんが原因ではなく、旦那であるあなたとお母さんとの親子問題に奥さんが巻き込まれているだけです。
30代や40代になっても共依存関係にある親子が自立するのは物凄く時間がかかります(10代で徹底的に反抗期を経験した方が、親子問題は早く解決するようです)。
年齢によっては親の寿命に間に合わない可能性もありますが、そのステップを飛ばして妻よりも親を優先してしまうと、ご両親が亡くなった後も奥さんとの夫婦関係に禍根を残す可能性があります。
何度も繰り返して恐縮ですが、これは旦那さんと奥さんの立場を入れ替えても全く同じです。
奥さんが夫婦関係の問題解決に実家の両親を頼っていたら、旦那さんが姑の力を頼ることになってしまうのは止むを得ません。
姑のストレスが耐えられなければ爆発した方がいい
旦那さんが姑の味方をするので、寂しい思いをしている方も多いのではないでしょうか?
などと思ってしまうかも知れません。
もちろん、お姑さんの前で爆発する前に旦那さんに相談するのが先ですが、問題の深刻さが全く理解されず話を聞いてもらえないということもあるかも知れません。
夫婦で相談しても理解してもらえなければ、お姑さんの前で爆発して全く問題ありません。
我慢に我慢を重ねて旦那さんに対する不信感を溜め込むと、熟年離婚などになってしまう可能性もあります。
お姑さんの前で爆発したときの、旦那さんの態度を見た方がいいと思います。
というより爆発しなければ、旦那さんは嫁姑問題が発生していることに気づきもしないので、問題は解決しません。
奥さんが爆発して初めて事の深刻さを自覚し、真剣に話を聞いてくれるようになるかも知れません。
奥さんが我慢してるだけなのに「うちの家庭は嫁姑の仲が良い。俺は家庭を上手く運営できている」と勘違いしている人もいます(男性だけでなく女性でも、そういう人はいます)。
なので、夫婦で話し合っても状況が改善しなさそうであれば、お姑さんの前で一度思いっきり感情を出してみても全然構いません。
嫁姑の板挟みになった私の経験
私の場合も自分で嫁姑対立の原因を作っていました。
結婚前に妻が仕事で行き詰っていたので、私は「それだった退職して、心機一転で一緒に新しい結婚生活をしよう」と伝え、妻は就職して1年ほどで私と結婚をすることにしました。
ところが母は「耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでこそ人生」という昭和の考え方だったので、「石の上にも三年」「どんなに辛いことでも3年は耐えないなら結婚生活も続かない」という発想でした。
従って、母は妻が1年で仕事を辞めたことを許せません。
私が良くなかったのは、私の方から妻に結婚を申し込んだことを母にハッキリと伝えていなかったことでした。母は、妻が私をそそのかして嫌な仕事から結婚へ逃げたと解釈したようでした。
私は当初、母が何で結婚に反対しているのか全く理解できなかったのですが、5年ほど経ってやっと理解しました。妻からしたら母の言動は余計な干渉なので、妻は母の態度を許せません。
最初から徹底的に妻の味方をしておけば問題は大きくならなかったのだと思いますが、私が「母の心配も分かる」という曖昧な態度を取っていたので、こじれるところまでこじれました。
結果、私は6年ほど実家に帰らなかったのですが、母の方は私たちの結婚生活が3年以上続いていたので、妻に対する印象は変化していました。
妻は引き続き私の実家に対する不信感が強かったのですが、インドへ移住することになって様々な手続きで実家を頼らざるを得ない状況にあり、結果的に私の両親に色々助けられたため、妻も私の両親に心を開くようになりました。
今では極めて良好な家族関係になりました。
嫁姑問題で奥さんの味方をしてデメリットはない
最初から妻の味方を貫いていたら、ここまで状況は悪化しなかったのではないかと反省しています。
それは嫁姑問題ではなく、親離れ、子離れといった自立の問題です。子離れできない親からの自立については別の記事をご参照ください。
それは嫁姑問題ではなく夫婦間の信頼関係の問題です。
純粋な嫁姑問題は嫁の味方をすればほぼ問題ないと思いますが、実は背後にもっと根深い親子関係や夫婦関係の問題が潜んでいることもあります。
親子の問題や夫婦の問題を、単に「お母さんと奥さんが対立している」という表面的な事実だけをもって「嫁姑問題」として誤って捉え、「板挟みにあっている自分は大変だ」などと考えていると解決ができませんので、注意が必要です。
結局、夫婦間のコミュニケーションの問題が嫁姑問題という形で表面化しているだけなのです。
ではどういうコミュニケーションを取ればよいのか?ということですが、夫婦間の距離感やコミュニケーションの取り方については、こちらの本がとても参考になりました。