
自己肯定感を高めるためには罪悪感を押しつけてくる友人との人間関係を断ち切ることが非常に重要です。
そこでこの記事では、どのように人間関係を見直していくべきかについてご説明します。
この話をすると、必ず下記の質問を受けます。
私は昔、大勢の友人がいましたが、劣等感を植えつけてくる多くの人と距離を置くようになりました。
その結果、友人は大幅に減りましたが、今は本当に楽しく話せる人とのみ関わっているので、毎日をとても楽しく過ごすことができます。
この記事を読めば、自分をネガティブな方向へ引っ張る友人と距離を置くことに罪悪感がなくなります。
Contents
自分を尊重してくれない人と距離を置いて良い理由
「友達は選んで良い」というと、必ず以下のような批判をされます。
- 似たような価値観の人とばかり友達になっていると、視野が広がらず成長できない
- 友達がいなくなったら寂しいだろう
これに反論していきます。
「尊重してくれる人」と「意見が同じ人」は全く別
「自分のことを尊重してくれる人」と「自分と同じ意見の人」は全く別です。
具体例で考えてみます。
この友人は、悩む人の「この年齢で転職すべきでない」という意見に反対していますが、悩む人の状況を聞いて、どうするのが一番良いのかを真剣に考えてくれています。
従って、「意見は違うが尊重してくれている友人」と言えます。
こういった友人と話すことで、「そうか!今の会社に拘らなくてもいいのか!」と視野が広がり、成長にも繋がります。
一方、「意見は同じだが全く尊重してくれない人」というパターンもあります。
この友人は、悩む人と意見が一致していますが、全く尊重していません。
こういった友人と話していても、自己嫌悪が深まるばかりで視野は広がりません。
私が伝えたいのは、友人Bのような人との関係を断ち切って友人Aのような人を大切にしましょうということです。
ここまで分かりやすい友人Bの例だと「そりゃ縁を切った方がいいだろう」と思えるはずですが、実際はここまで分かりやすく見下してくる人は少ないです。
「あなたのためを思って・・・」という建前で、こっそりと劣等感を押しつけてくる人が多いので注意が必要です。
友達を失うことを恐れなくて良い理由
「自分を尊重してくれない人との関係は断ち切って良いですよ」と言われても、友人が誰もいなくなって1人ぼっちになってしまうのは怖いですよね?
ところが「友達なんて1人もいなくて良い」と思った瞬間に、本当に気の合う友達が現れるという場合は少なくありません。
「友達がいなくなったら寂しい」と思っている限り、本当の友達が現れません。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
自己肯定感の低い人の場合、朝から晩まで「私なんてどうせ存在価値がない」というメッセージを周囲に発しています。
従って「そうだよ、あんたなんて価値が低いんだから、あんたと関わってあげてる私達に感謝しなさい」という「友人B」のような人達が周囲に寄ってきます。
そこへ「友人A」のように自分を尊重してくれる人が現れると、自己肯定感が低い人は無意識に
友人Aにとっても、いくら話を聞いても「私なんて何をやってもどうせダメだ」と言われ続けていると、疲れてしまうので距離を置きたくなります。
その結果、自己肯定感が低い人の友達は自己肯定感が低い人ばかりになります。
優越感コンプレックスを持って接してくる友人Bも自己肯定感が低い人です。詳しくは別の記事をご参照ください。
自己肯定感が低い人は「人間には優劣がある」という前提で話をするのに対し、自己肯定感が高い人は「みんな違ってみんないい」という前提で話をするので、全く話が噛み合わいません。
従って、あなたの考え方が「人間には優劣がある」から「みんな違ってみんないい」に変わった瞬間に、今まで話の噛み合わなかった自己肯定感の高い人達と楽しく話せるようになります。
「今の友達がいなくなったら、誰も友達がいなくなる」と考えてしまうのは無理がありません。
しかし、あなたのことを本当に尊重してくれる人は職場でも学生時代の友人でも、周りに大勢います。
私はインドへ移住する前に日本に30年ほどいましたので、日本には大勢の「人を尊重する人」がいることを知っています。
ただ、あなたがまだ発見できていないだけです。
良い友人と巡りあうには
- 自分を尊重してくれな人との関係を断ち切る
- 自分の価値観が転換する
- 自分を尊重してくれる人と友達になる
というステップを踏むので、一度友達をゼロにする覚悟をしないと自分の価値観が転換しないのです。
もちろん、本当にゼロにする必要はなく、古くからの友人であってもあなたのことを尊重してくれるのであれば関係を断ち切る必要は全くありません。
ただ「昔からの友達だから何となく付き合いが続いている」という状況を放置していると、いつまで経っても自己肯定感は上がりません。
「自分を尊重してくれる人」をどのように見極めるか
「自分を尊重してくれる人を大切にする」と言っても、今度は「誰が自分を尊重してくれているのか」を見極めるのが難しいですよね?
紛らわしい人間関係の例
この上司が「自分のことを尊重してくれないマズい人」であるのは間違いありませんし、すぐ分かると思います。
この上司の発言に「悩む人」は苛立ちを押さえられず、仕事に集中することができません。
そこへ同僚が励ましにきました。
ここで自己肯定感の低い「悩む人」は、「上司は私のことを尊重してくれないが、同僚は私のことを尊重してくれる。嬉しい」と考えがちです。
しかし、それはとんでもない間違いです。
「悩む人」だって、上司の発言を気にしたくて気にしているのではなく、気にしたくなくても気になって仕事に集中できないという状態です。
「気にしない方がいいよ」というアドバイスは、悩む人からすると
と自己肯定感の低下に繋がります。
同僚は「あなたのためを思ってのアドバイス」という建前ではあるのですが
という発言をオブラートに包んでいるだけです。
尊重してくれる人を見極める基準
自己肯定感の低い人からすると、誰が自分のことを尊重してくれる大切にすべき人で、誰が自分を尊重してくれない「距離を置くべき人」なのか、見極めが難しいですよね。
従って「間違って、大切にすべき人との関係を切ってしまうのではないか?」という不安に駆られて、思いきった人間関係の見直しに躊躇してしまうかも知れません。
そこで、大切にすべき人と距離を置くべき人とを見極める基準をご紹介します。
それは、その人と会った後、あなたが安心してリラックスしたり、楽しくてワクワクする気分になるか、それとも罪悪感に駆られて緊張するかです。
呼吸が速くなっているか、遅くなっているか、で見極めても良いかも知れません。
いくらあなたのためを思ったアドバイスでも、もしあなたが「私は普通の人より劣ってるんだ。頑張らなくちゃ」と思ったらアウトです。
例えば同僚からの
というアドバイスを聞いて
とワクワクするなら、同僚と距離を置く必要はありません。しかし
などと自分を責めたり緊張してしまうようであれば、そういったアドバイスをする同僚とは距離を置いた方が良いです。
1点補足ですが、同じアドバイスを聞いてもワクワクする人と自己嫌悪に陥る人がいます。
感じ方は人それぞれなので、これは当然のことです。
「自己嫌悪に陥る人よりもワクワクする人の方が前向きで優れている」などということは決してありません。
重要なのは「正しい・間違っている」とか「良い・悪い」ではなく、「リラックスできるか、緊張するか」です。
という意見もあるかも知れませんが、これも「人間には優劣がある」「怠けている人間は劣っている」ということを前提とした意見です。
「失敗しても大丈夫だ」とリラックスしている状態の方が、様々なことに好奇心を持ってチャレンジする気持ちが湧きます。
その結果、知らない間に成長しているということが起こります。
従って「気が乗らないけど、今後のために役に立ちそうだから、あの人とは会っておこう」などとは思う必要がありません。
みんなに「役に立つよ!」と言われても、気が乗らないときは断って大丈夫です。
気の合わない人がいる友人グループはまとめてブロック
よくあるパターンは、「友達4人のうちの友人Bだけが嫌いで、あとの3人はいい人」というパターンです。
嫌いな1人との距離を置くためには「いい人」3人との距離も置かなければならず、躊躇してしまう人が少なくありません。
この「いい人」というのがとても曲者です。
本当にあなたのことを尊重してくれる人は、あなたの本音を伝えてもバカにしてきません。
つまり、あなたが「友人Bが苦手だから距離を置きたい」という本音を話したときに、あなたの話しに真剣に耳を傾けてくれます。
そして、「じゃあ友人Bとは一緒じゃなくていいから、個別に会おうか」となります。
ここでもし他のサークル仲間が
などと言ってくるのであれば、まとめてグループから退会した方が良いです。
この友人が言っていることを直球で言い直すと
と、あなたのことを責めていることが分かります。
やはり「あなたのことを考えてくれているフリをして、自己嫌悪を植えつけている人」です。
大学時代のサークル仲間から抜けてしまうのは不安かも知れませんが、心配は無用です。
自分自身の価値観が変われば、あなたのことを尊重してくれる人は次から次へと現れます。
昔からの友人と会って楽しい時間を過ごせるなら素晴らしいことです。
しかし、会って憂鬱になるのであれば、大学のサークル仲間とか、高校の同級生などは全員関係を断ち切って何ら問題はありません。
それでも別に生きていけますし、死ぬ直前に後悔するリストにも「嫌いな友人とも仲良くしておけば良かった」なんて項目はありませんので心配無用です。
人間は世界に80億人近くいます。
日本人に絞っても1億人以上います。
その中で、今までの友人から尊重されなかったからといって「私はこの先誰からも尊重されない」などと心配する必要は全くありません。
一見すると「良い人」であっても実は害を及ぼす人、というのはよくいます。
ここの見極めを誤ると自己肯定感は永遠に上がらないので、自分が前向きな気分になるか、後ろ向きの気分になるかだけを基準に人間関係を選んでください。
こんまりさんの片づけ術にある、「トキメキだけを大事にする」と同じです。
距離を置くのであれば、できればLINEもインスタもFacebookも全部ブロックして非表示にしてしまうくらいでも良いと思います。
そこまでが難しいのであれば、毎回毎回誘いを断り続けていたら向こうも誘ってこなくなります。
という疑問もあると思います。
もちろん、人間誰しも長所や短所はあります。
しかし距離を置く理由は「その人に短所があるから」ではなく、「その人と会うとあなたが緊張するから」です。
「その人が良い人か、悪い人か」ではなく、「貴重なプライベートな時間を費やして会いたいと思える人かどうか」を基準に考えていただきたいと思います。
「家にいてもゴロゴロしてるだけだし、誘いを断る理由もない・・・」と考えるかも知れませんが、ひとりでゴロゴロする時間も大切ですから、十分断る理由になります。
職場にいるマズい人とはドライに接する
確かに、職場の人とは毎日顔を合わせなければならないので、すぐにブロックというわけにはいきません。
しかし、あくまでも職場の人間関係なので仕事上の付き合いだけに限定し、プライベートの話は一切しない・・・ということは可能なのではないでしょうか。
- ランチは一人で食べる
- 夜や週末には会わない、連絡もしない
- プライベートな質問には「プライベートなんでお答えできません」と答える
「職場にいる苦手な人(自分を尊重してくれない人)とは仕事だけの付き合い」と割り切ってしまうということです。
仕事上のコミュニケーションをしていれば、何も問題ありません。
「業務と関係のないプライベートな事柄でも同僚に隠してはいけない」などと就業規則に書かれている会社はないはずですし、もしあったら大問題です。
もしプライベートの話をしなくなったことで相手の仕事の態度が変わったら、それは向こうの問題ですから上司に訴えた方が良いです。
「こちらはきちんとコミュニケーションを取っているのに、あちらが返答してくれません」のような形で、事実を列挙して上司に報告しましょう。
上司が全く取り合ってくれないようであれば、転職を検討した方が良いかも知れません。
人間関係の距離を置いて問題ない
自分を尊重してくれない人との距離を置くことは全く問題ありません。
誰と仲良くしようと、それはあなたの自由です。
自分を後ろ向きに引きずろうとする人との関係を断ち切って初めて前向きに歩み出すことができます。