中国の高速鉄道(新幹線)と国鉄在来線寝台の種類・予約方法と乗り方

中国の国内移動には鉄道がとても便利ですが、中国の鉄道の仕組みは日本のJRと大きく異なります。

中国の国鉄は日本のJRよりも飛行機に近いとイメージしてもらえば分かりやすいと思います。

そこで本記事では、中国で旅行や出張をする人に向けて、中国の国鉄の予約方法と乗り方をご説明します。

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中国の国鉄と日本のJRとの違い

中国の鉄道駅

まず前置きとして、中国の国鉄の特徴を日本のJRと比較しながらご紹介します。

中国の鉄道の予約方法と乗り方だけを急いで知りたい方は、この項目は飛ばして、次の「中国の鉄道の予約方法1 Trip.com」の項目へ進んでください。

中国の国鉄は長距離移動専用

日本の鉄道はJRの新幹線、在来線特急、通勤列車、私鉄、地下鉄など色々な種類がありますが、中国の鉄道は国鉄と地下鉄の2種類しかなく、しかも

国鉄(火車):都市間の長距離輸送

地下鉄(地鉄):都市内および近郊の輸送

と役割分担が厳格に分かれており、全く別物です。

日本の感覚で例えると、東京や大阪のメトロ、私鉄、JRの普通列車は中国では全て地下鉄に含まれ、中国の国鉄は日本でいう特急と新幹線のみに相当します。

国鉄は通勤通学に使うような鉄道ではなく、その代わりに地下鉄が驚くほど郊外まで延伸しています。

東京でいえば東京駅から大月駅や小田原駅、大阪で言えば大阪駅から姫路駅や近江八幡駅くらいまで地下鉄が走っているような状況です。

中国の鉄道は全て実名制

中国の鉄道が日本と最も異なる点は、実名制で予約しなければならないということです。

詳しくは後述しますが、予約時にパスポート番号を入力し、パスポートが乗車券代わりになります。

どこの誰がどの列車に乗っているのかが全て把握されているわけです。

日本のように、青春18切符(JR在来線の乗り放題券)で気分の赴くままに途中下車しながら、気ままな旅を楽しむことは中国では難しいのです。

無賃乗車防止のためと言われていますが、政府が国民の行動を把握しやすいシステムになっています。

もし中国でパスポートを紛失したら大惨事です。

もちろん、どこの国でもパスポートを紛失したら大惨事なのですが、日本であれば、たとえ外国人がパスポートを紛失しても、とりあえず新幹線や高速バスで東京の大使館まで行くことは可能です。

しかし中国でパスポートを紛失したら国鉄や高速バスには乗れません。まず近くの警察(公安)で届出をして、高鉄に乗るための臨時身分証を発行してもらわないと大使館や領事館へ辿り着くことすらできません。

警察での臨時身分証発行手続きも中国語で行う必要があるので、中国語の苦手なバックパッカーの方には少しハードルが高いかも知れません。

たまに「北朝鮮からの脱北者が列車で中国を移動し東南アジアへ到着した」というニュースを聞くことがあります(最近は少ないかも?)が、中国の鉄道は全て実名制なので、どうやって移動したのか不思議です。

中国の国鉄の列車種別

日本では路線や鉄道会社によって特急・急行・特別快速・新快速・快速・準急・普通・各停など列車種別が色々あります。

しかも会社によって急行と快速のどちらが速いのかが異なるなど、ワケが分からない状況になっていますが、中国は全国統一でシンプルです。

中国の国鉄は日本でいう新幹線と在来線特急に分類されますが、細かく分けると以下の6種類があります。

種類 記号 名称 速度目安
動車

(新幹線)

G 高動 350km/h
D 動車 250km/h
C 城際 200km/h
火車

(在来線)

Z 直達 160km/h
T 特快 140km/h
K 快速 120km/h

調べると快速の下に普通列車(L)もあるようですが私は見たことがありません。

各列車種別のアルファベット記号は、列車名称の中国語発音の頭文字から取っています。

例えば、快速は中国語でKuai Suと発音するので、その頭文字を取ってKとしています。

高速動車組列車(G)

最も早いのは頭文字Gで始まる高速動車で、最高速度は350km/hに設定され、北京〜上海や北京〜広州など大都市間で高速鉄道の専用軌道を走ります。

最高速度は350km/hに設定されていますが、実際に乗っていると300km/hくらいで走っていることが多いです。

普通動車組列車(D)

列車は新幹線型ですが、高速鉄道の専用線ではなく在来線と線路を共有する箇所も多く速度が200km/h〜250km/hに抑えられています。

城際動車組列車(C)

北京〜天津、広州〜深圳など、近い距離の都市を結ぶ新幹線です。

近距離のため座席が回転せず固定で、半分の座席は後ろ向きに進みます。

以上のG・D・Cの3種類が日本でいう新幹線、中国では高鉄(高速鉄道)と呼びます。

中国の鉄オタから

鉄オタ

高鉄というのはG列車のことを指すのであって、厳密にはCやDも含めた総称は高鉄ではなく動車なんだよ。高鉄とは高速動者組列車だからね。

と言われたことがありますが、中国人ですら動車と高鉄の違いを正確に理解していない人の方が多いので、CやDのことを「高鉄」と呼んでも、よほど性格の悪い人でなければ理解してもらえます。

直達特快列車(Z)

在来線の中では最も速く、ほぼノーストップで始点と終点を結びます。

特快列車(T)

快速より少し速く、直達よりは遅い列車です。

快速列車(K)

普通列車を見る機会は殆どないので、国鉄の中では最も遅いです。

在来線については、種類で選ぶというより「目的地へ行ける列車に乗る」という感じなので、ZとTとKの違いを意識することはほぼありません。

中国の高速鉄道(新幹線)の座席の種類

中国の高速鉄道(新幹線)は全て実名制なので、原則自由席はありません。二等席、一等席、ビジネス席(商務座)、立席、寝台があります。ただ例外的に近距離の高速鉄道では全車自由席(立席)の列車もあります。

二等席

中国高速鉄道の二等席

二等席は最も座席数が多くポピュラーです。東海道新幹線の普通車と同じく、2列+3列のシートです。

一等席

中国高速鉄道の一等席

一等席は2列+2列のシートで広々としており、価格も日本のグリーン車と同じくらいです。

なお、この一等席の写真は先ほどの二等席の写真と同じ列車で取りましたが、二等は満員御礼で立席の乗客もいるのに対し、一等はガラガラでした。

広州から深圳までの列車ですが、終点から終点まで乗っても二等が80元(約1600円)、1等は100元(約2000円)です。

400円しか差がないのに、一等と二等でここまでの差があるので、近距離を利用するなら一等がオススメです。

一等と言っても、座席が2+2になっているだけで、東海道新幹線のグリーン車ほどの上品な雰囲気は感じません。

しかし二等は乗客が多く、ワイワイガヤガヤうるさいので、静かに乗りたければ一等車はオススメです。

ビジネス席(商務座)

日本の新幹線でいうとグランクラスに相当すると思いますが、値段が跳ね上がります。

座席は1列+2列で、リクライニングはフルフラットまで倒れます。

乗車するとおしぼり、ウェルカムドリンクとお菓子が配られ、飲み物は飲み放題です。

そして、駅で列車の到着を待っている間はビジネス席客専用のVIPラウンジを利用することができます。

中国 国鉄 ビジネスラウンジ

私自身はまだビジネスクラスに乗ったことがなく、遠くから眺めるのみですが、上の写真の通り空港のラウンジと似ていますね。

寝台車

中国高鉄の寝台車

一部の区間では高速鉄道にも寝台がついています。

日本でも寝台新幹線が検討されたことはあるそうなのですが、騒音の問題などから断念したようです。

中国でも寝台新幹線が走っているのは一部の区間ですが、一度は乗ってみたいですよね。

北京→広州の場合、夜行高鉄の二等席は13,000円ですが、寝台は25,000円になります。

※北京→広州の昼間の二等席は17,000円ですが、夜間の方が少し遅いようなので安くなります。

立席

先ほど「中国の高鉄には自由席がない」と言いましたが、立席はあります。

中国の立席は、日本の東北・北海道・山形・秋田新幹線で販売される立席特急券と同じです。

つまり、指定席が売り切れた場合に、「ずっと立ちっぱなしで良ければどうぞお乗りください」という券です。

実際、長期休暇のときにはすぐチケットが売り切れるので、10時間立ちっぱなしで帰省する方も大勢います。

立席で粘る高齢者を見かけることもありますが、これは中国で生きることの過酷さと中国人の逞しさを感じる瞬間で、日本人とは体力も精神力も違うなぁと思います。

実際は、デッキにシートを敷いて座ってる方も多いですし、もし空席があれば座っても問題ありません。

なお注意事項としては、どの車両に立っていても良いわけではなく、指定された車両のデッキや通路に立っている必要があります。

但し区間によっては、「全席が立席のみ」という列車もあります。

これは車両に椅子がなく全員がずっと立ちっぱなしという意味ではなく、全車自由席ということです。

中国の在来線の座席の種類

中国の国鉄

時間に余裕があって、節約したい人の場合は在来線を使います。

在来線は高速鉄道より安いですが、中国の面積は日本の25倍あるので、とても時間がかかります。

昼夜を問わず走り続けなければ目的地にたどり着けないので、夜行も昼行も区別がありません。

昔は日本も同じだったようで、例えば昭和30年代頃には東京から鹿児島まで32時間かかる直通列車が走っていたそうです。

今の日本でそのような列車に乗ることはできませんが、中国にはまだまだそういう列車がたくさんあります。

中国国鉄の車内

例えば、上海からウルムチ(新疆ウイグル自治区の中心都市)までは在来線で40時間かかります。

このような事情から、殆どの在来線に寝台車が併結されているので、中国では隣の駅まで1時間乗るだけでも寝台車で寝ることができます。

鉄道好きの観点から言うと、昭和の国鉄旅情を味わうことができる列車が多いのが嬉しいところです。

硬座(二等席)

中国国鉄の硬座(二等車)

3列+2列の座席が配置されており、とても硬いです。

とても安いですが、だからと言ってこの車両に10時間や20時間も乗るのは非常に厳しいと思います。

軟座(一等席)

中国の一等車 軟座

一等席(軟座)は2列+2列の車両で、リクライニングができます。

充電の設備などはないようです。

硬卧(二等寝台)

中国の寝台列車

硬卧は、3段ベッドの車両です。

中国では、今の日本では乗ることができない寝台特急ブルートレインの旅情を味わうことができます。

しかし中国の2等寝台は3台ベッドなので非常に狭いです。

しかもカーテンがないのでプライバシーがありません。中国人は気にしないようですが、日本人にとっては抵抗があると思います。

特に上段は狭く、梯子で上るのも大変なので、気力や体力に自信のない方は無理をせず軟卧を利用しましょう。

昼間、何時間も鉄道に乗っていると他の乗客から話しかけられたりすることもあります。

軟卧(一等寝台)

中国列車 軟卧

軟卧は2段ベッドの車両です。

3段ベッドの硬卧とは異なり、通路とベッドの間に仕切りの扉があります。

しかし、やはりベッドにはカーテンが付いていません。

4人グループで乗るなら良いですが、4人未満の場合は知らない人と同じ部屋を共有することになるので繊細な人にとっては厳しいと思います。

午前4時まで喋ってるカップルがいたり、一晩中いびきがうるさいおじさんがいたりします。

今の中国人は豊かになったので、もう少し価格の高い個室寝台を設けても売れると思いますが、今のところ中国の国鉄には一等寝台と二等寝台しかありません。

中国の列車 軟卧

この写真は、軟卧の上段から通路側を撮影した写真です。

日本の寝台列車(サンライズ出雲など)の場合、1区間でも誰かが乗ったら残りの区間は乗客を乗せないようです。

例えば、東京から乗った乗客が横浜で降りたら、横浜から出雲市まで同じ寝台には乗客を乗せません。

誰が寝たか分からない布団でそのまま寝るのは嫌ですからね。

ところが中国の場合、途中で人が下りたら、同じ寝台に別の人を乗せるようです。

中国の列車 軟卧

途中駅で列車に乗ると、布団がこのような状態になっていることがあります。

気になる人は始発駅から乗った方が良いかも知れません。

無座(立席)

在来線の無座は高速鉄道の立席と同じです。

席がなければ立たなければいけませんが、もし空席があれば座ることができます。

乗務員に相談すれば、空席を探してもらえる場合もあります。

新幹線の立席と同じく、指定された車両にしか乗れないので注意が必要です。

中国の高速鉄道(新幹線)と在来線の値段比較

中国の鉄道には高速鉄道(新幹線)と在来線があるのですが、値段はどのくらい違うのでしょうか?

北京~上海間で価格を比較をしてみましょう。なお、以下の値段は2023年5月時点のTrip.comの価格です(列車によって若干値段が異なります)。

北京~上海は、高速鉄道で約5時間、在来線で約12時間かかりますので、東京から博多と同じくらいです。

参考までに日本の東京から博多まで値段も掲載します。

北京-上海 東京-福岡
高鉄商務席 45,000円 -
高鉄一等座席 18,000円 31,070円
高鉄二等座席 12,000円 23,810円
在来線一等寝台 10,000円 -
在来線二等寝台 6,300円 -
在来線二等座席 3,400円 14,240円

中国の高鉄一等座席が日本の新幹線グリーン車、高鉄二等座席が新幹線の普通車指定席、在来線二等座席がJR在来線の運賃に対応しています。

中国の高鉄商務席(ビジネスクラス)は東北新幹線のグランクラスと同じですが、東海道・山陽新幹線には対応する座席がないので省略しています。

また東京〜博多間に夜行寝台はありませんが、同じくらいの東京〜出雲市間を走る寝台列車サンライズ出雲の料金は約2万円です。

このように比べると中国の鉄道は日本よりも遥かに安いですね。気軽に遠くへ行けるのは助かりますね。

いくら運賃が激安とはいえ在来線の二等座席(硬座)に12時間も座っていたら腰が痛くなって大変そうです。

しかし日本でも青春18切符で東京から大阪まで10時間もかけて在来線で移動する人が大勢いるので似たようなものかも知れません。

北京から上海まで乗り換え不要で、しかも弁当の車内販売がある分だけ中国の方が日本よりも楽かも知れないですね。

日本では新幹線が開通すると並行在来線の乗客数は減りますが、中国では高速鉄道開業後も節約のために在来線で超長距離を移動する人が大勢います。

日本では新幹線が飛行機に負けるのは4時間(東京から広島くらい)と言われていますが、中国では10時間だろうと30時間だろうと列車で移動する人がいます。

日本ではLCCの方が新幹線よりも安いことがありますが、中国では飛行機よりも国鉄の方が圧倒的に安いです。

中国の国鉄の経営状況

中国の鉄道

余談ですが、中国国鉄の経営状況についてご紹介します。

中国の鉄道は、国務院の鉄道部(日本でいう鉄道省)によって運営されてきましたが、2013年からは中国国家鉄路集団(現・中国国家鉄路集団有限公司)によって運営されています。

中国国家鉄路集団有限公司は中国の国営企業です。

ちょうど、戦前は鉄道省が鉄道を経営していたのに対して、1949年から日本国有鉄道(国鉄)が経営することになった日本の状況と似ていますね。

その中国国家鉄路集団有限公司ですが、2022年時点でなんと負債が120兆円あるそうです(参考URL:中国版新幹線、負債120兆円 広がる赤字路線のリスク)。

日本の国鉄が解体された時の債務額は37兆円、日本でも報道されている中国恒大集団の負債額も約37兆円なので、中国国鉄の負債額は凄い規模です。

中国の人口は日本の10倍以上いるので、負債額を人口で割れば国民1人あたりの負債額は日本の国鉄程ではありませんが、中国の国鉄はまだ赤字の経営状況が続いており、これからも新線建設を続けるので負債は増えていく見通しです。

巨額の負債を抱えてしまった主な原因は急速な高速鉄道の建設と言われています。

日本は 1964年に世界で初めて高速鉄道を開業してから徐々に建設を進め、2023年時点の総延長は約3000kmです。

それに対して中国は、2010年頃から高速鉄道が営業開始し、2022年末現在で路線延長は約4万キロに達しています。

最終的には7万キロを目指しているそうです。

中国は日本と比べて国土が25倍、人口が10倍以上とはいえ、さすがにこれだけ急ピッチで建設を続けると赤字が膨らみ、これからも赤字が膨らんでいく見込みです。

日本では国鉄時代から不採算路線の廃止や第三セクター化が進んでいます。中国も全国各地に不採算路線を抱えていますが、廃線や第三セクター化の話は聞きません。

後述しますが、中国の国鉄には無人駅が存在せず、山奥や砂漠のド真ん中の駅でも数十名の駅員がいるので、運用コストも凄そうです。

つまり中国には秘境駅が存在できません。

また2023年には東海道新幹線でコストカットの目的から車内販売が廃止されましたが、中国では高速鉄道・在来線を問わず、どの列車に乗っても頻繁に社内販売が来ますので、やはり人件費がかかりそうです。

中国の鉄道の予約方法1 Trip.com

前置きが長くなりましたが、ここから中国の鉄道の予約方法についてご説明します。

中国初心者ならTrip.comでのオンライン列車予約がオススメ

中国に住所のない出張者や旅行者が中国の鉄道を予約したい場合にはTrip.comのサイトで予約しましょう。

Trip.comメリットは日本語で中国の鉄道を予約できることです。予約方法はとても簡単です!

Trip.comで中国の列車を検索する

ここからはTrip.comの予約方法をご紹介します。PC画面で説明しますが、スマホサイトやスマホアプリでも全く一緒です。

まずはTrip.comのサイトを開き、「列車」「中国国内」を選択し、その下の欄で出発地、目的地、日付を入力して、右端の検索ボタンをクリックします。

Trip.com予約画面1

すると列車の一覧が表示されるので、乗りたい列車を探して「予約」をクリックします。

Trip.com予約画面2

出発時刻、到着時刻、出発駅と到着駅や列車番号が表示されます。

上の例でいうと、"G21""G159""G161"などが列車番号になります。

Trip.com 中国鉄道予約ページ

Trip.comで中国の列車予約情報・支払情報を入力する

乗りたい列車を選んだら、まずは下記画面で「大人1名を追加」をクリックして、個人情報を入力します。

Trip.com予約画面3

氏名、生年月日、国籍、パスポート番号、パスポートの有効期限などを入力します。下記の例はダミーです。

もし一緒に乗車する人がいたら、その人の情報も一緒に入力します。

乗客の情報を入力したら、連絡先の情報を入力します。メールアドレス宛に予約情報が届きますが、ケータイの画面からも予約情報は確認できます。

電話番号は日本の番号も登録可能で、その場合は「+81」を選択します。1桁目の0は省略して入力するので注意が必要です。

例えば、090-1xxx-xxxxという番号であれば、"+81"を選択した後、901xxxxxxxと入力します。

中国大陸の番号の場合は+86を選択します。

連絡先を入力したら座席指定ができますが、「窓側か?通路側か?」くらいしか選択できず、もし空きがなければ空いている列を強制的に割り当てられます。

もっと細かく座席指定をしたい場合は中国の国鉄駅の窓口へ行って中国語でご相談ください。

連絡先と座席を入力したら「予約」をクリックしたら、決済画面へ移ります。

Trip.com予約画面6

MASTER, VISA, JCBなど海外のクレジットカードで決済可能です。

決済の完了を以て予約完了です!とても簡単ですね。

もしTrip.comに会員登録しておけば、毎回の個人情報入力は不要です。

Trip.comで列車の予約状況を確認する

予約できたかどうか確認したい場合には、Trip.comサイトの右上にある「予約を確認」をクリックし、予約時に入力したメールアドレスを入力します。

するとメールアドレス宛に認証コードが届くので、そのコードを入力すれば予約状況を確認できます。

「予約履歴」で予約した列車を選択し、「列車情報を表示」をクリックしたら予約した列車情報を見ることができます。

また、その少し下の方には乗車する車両番号と座席番号が書かれています。

Trip.com 予約ページ

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中国の鉄道の予約方法2 12306

中国旅行・中国出張の初心者にはTrip.comがオススメですが、中国在住の人には12306がオススメです。

旅行者や出張者でも使えるアプリですが、少し面倒くさいので短期旅行にはオススメしません。

Trip.comと12306の他に携程旅行(C-trip)や去哪儿旅游でも中国の列車予約はできますが、Trip.comや12306と比較して特にメリットはないと思います。

Trip.comのみで予約する予定の方は、この項目は読み飛ばして、次の「中国鉄道の乗り方」へ進んでください。

12306アプリがオススメな理由

Trip.comと12306のメリット・デメリットを比較してみましょう。

Trip.com 12306
言語 日本語あり 中国語と英語
代理店手数料 必要 不要
予約開始 遅い 早い
ベッドの指定 できない できる
実名認証 不要 必要
中国の電話番号 不要 必要
改札 有人改札のみ 自動改札も可

Trip.comは旅行代理店が運営するアプリなので代理店手数料がかかるのですが、12306は国鉄が直営するアプリなので代理店手数料がかかりません。

そして繁忙期には鉄道のチケットがすぐ売り切れになってしまうのですが、12306はTrip.comよりも少し早く予約ができるようになります。

また、寝台列車に乗る時に上段・中段・下段を選べるのも12306アプリのメリットです。

一方、12306のデメリットは中国の電話番号が必要になることです。

「中国」とは大陸だけでなく、香港・マカオ・台湾の電話番号でも大丈夫です。

12306アプリ最大のデメリットは、実名認証が必要になることです。

詳細は後述しますが、パスポートを持って駅の窓口へ行かなければなりません。

12306の登録方法

まずは12306のアプリをダウンロードします。

AndroidとiPhoneアプリのダウンロードはこちらから

もちろん、GoogleのPlay StoreやApple Storeからでもダウンロードできます。

アプリを開くと、まず下記画面が表示されるので、「注册」をクリックします。

なお中国語で「登録」とはログインの意味で、日本語でいう登録は注册と言います。

 

中国鉄道 12306アプリ

注册をクリックしたら、ユーザー名(好きな英数字を登録)とパスワードを設定し、個人情報を入力していきます。

证件类型は护照(パスポート)を選択し、姓名は漢字ではなく、パスポート通りのローマ字で入力します。

中国鉄道 12306アプリ

電話番号やメールアドレスを入力したら、"下一歩(次へ)"をクリックします。

これで登録は完了ですが、電話番号とメールアドレス宛にワンタイムパスワード(验证码)を送信し、その数字を入力して認証するという作業が必要です。

電話番号は画面遷移で必ず行う仕様になっていますが、メールアドレスは自分でクリックしないと行われないので注意が必要です。

メールアドレスも必ずワンタイムパスワードでの認証をしてください。

中国鉄道 12306アプリ

下記画像の通り、中国大陸の番号の他に香港、マカオ、台湾の番号でも登録できますが、外国の電話番号では登録できません。

中国鉄道 12306アプリ

登録が終わるとマイページが立ち上がり、以下のような画面になります。

携帯電話の認証は完了しているので“手机核验成功”(携帯電話認証成功)と書かれていますが、実名認証は未完了となっています。

中国鉄道 12306アプリ

この実名認証を完了させるためには、国鉄の駅の切符売り場へパスポートを持って行って「実名認証をお願いします」と伝えなければなりません。

どこかの駅の窓口(售票处)へ行って、パスポートを渡して「実名認証」と言えばやってくれます。

中国語がわからない方は“实名认证”とメモ用紙に書いて、パスポートを係員に渡せばやってくれます。

実名認証が完了すると、アプリの表示が“已实名认证”へと切り替わります。

一旦アプリからログアウトして、再ログインをしてください。

中国国鉄 12306

なお、“乘车人”をクリックし、こちらも緑色に切り替わっているか確認してください。

本来“乘车人”は自動で緑色へ切り替わりますが、たまにシステムのバグで切り替わらないことがあるので、“乘车人”が緑色へ切り替わっていなければ窓口でクレームを入れてください。

窓口の係員も人によって手続きの経験の差が大きく、慣れない担当に当たってしまうと手続きに時間がかかる上に、完了していないのに「終わりました」と言われてしまうこともあります。

12306アプリでの予約方法

Trip.comでの予約手続きとほぼ同じですが、12306アプリでの予約方法も一応ご紹介します。

トップページが以下の通り表示されるので、乗りたい列車の出発地と到着地、日付を検索して検索ボタン(查询车票)をクリックします。

列車は火车票ですが、航空券(飞机票)と長距離バス(汽车票)も同じように検索できます。

中国鉄道 12306

検索をすると、列車一覧が下記の通り表示されますので、乗りたい列車を選択します。

中国鉄道 12306

乗りたい列車を選択したら、下記の画面が表示されますので、“选择乘车人”の欄から乗客(乘车人)を選択します。

先ほど12306の登録方法の項目で説明した通り、たとえ実名認証が完了しても、もし乘车人の認証が完了していなければ予約できません。

乘车人の認証が完了していなくても4回までは予約ができるのですが、5回以上は予約不可になるので注意が必要です。

また、登録者以外に乗客がいる場合は、乘车人から追加できますが、こちらも実名認証が完了していない人を乘车人として登録できるのは4回までになります。

それ以上の予約はTrip.comなどを利用する必要があります。

中国鉄道 12306

全ての情報を入力し終えたら、“提交订单”をクリックして支払画面へ進みます。

決済は、中国の銀行カードやWeChatPay(微信支付), Alipay(支付宝)の他、VISAやMASTERのような海外のクレジットカードでも支払ことができます。

中国の鉄道の乗り方

中国の鉄道駅

ここまで、中国の鉄道の予約方法について説明をしてきました。ここからは乗り方をご説明します。

一言で言うと、鉄道の駅よりは空港に似ています。上の写真も、まるで空港の出発ターミナルのようですね。

飛行機に搭乗するつもりで行きましょう。

国鉄の駅は出発ゲートと到着ゲートが異なる

中国国鉄 駅

ここが最も飛行機っぽいポイントなのですが、中国の国鉄では出発の改札口と到着の改札口が異なります。

これから列車に乗る人は、「出发(Departure)」もしくは「进站口(駅への入口)」と書かれた看板を目印に向かいましょう。

一般的には、3階が出発ゲート、2階が線路(プラットホーム)、1階が到着ゲートという構造の駅が多いです。

駅への入場時に身分証の提示が必要

中国の鉄道 改札

まず、駅への入場時に身分証の提示が必要です。

「自動通道」と「人工通道」がありますが、外国人のパスポートは人工通道を通ります。

「人工」というのは、日本語でいう「手動」のような意味です。

「人工通道」と書かれた通路には必ず係員がいるので、係員にパスポートを渡して認証してもらいます。

但し、12306アプリの実名認証を済ませると、外国人でもパスポートを自動改札にかざすことで通過できるようになります(実名認証をしなくても自動改札を通れたという日本人もいましたが、私はダメでした)。

システム上、中国の国鉄には無人駅を作れないので、人件費がかかりそうです。

万一パスポートがエラーになった場合に備えて、Trip.comの「電子乗車証」を準備します。

携帯サイト・アプリでトップページ右下の「アカウント→予約済み・出発待ち」をクリックし、乗る列車を選択し、「列車情報を表示」で表示します。

そして表示された画面の左上に書かれている"+E10..."という番号が予約番号なので、それを係員に見せて検索してもらい、予約済であることを確認してもらいます。

たまにインターネットの接続が悪い駅があるので、その場で予約を検索するのではなく、事前に画面キャプチャするか印刷しておきましょう。

12306アプリでもTrip.comと同じように表示できます(以下、Trip.comと大体は同じ手順なので、12306アプリについては省略します)。

セキュリティチェック

無事に改札を通り過ぎたら、セキュリティチェックを受けます。

飛行機のセキュリティチェックほどうるさくなく、荷物をまとめてX線に通したら終わりです。

ペットボトルの液体を持っている場合にはチェックするよう言われますが、その場で1口飲むと何も言わずに通してくれます。

パソコンなどをカバンから出す必要もありません。

検票口を探す

セキュリティチェックを通り過ぎたら、検票口を探します(空港の搭乗口と同じです)。

Trip.comで、トップページの右下「アカウント」→「全ての予約」から対象の列車を選択し、少し下へスクロールして「旅程詳細」を見ると、乗り場が分かります。

中国鉄道  Trip.com

例えばこちらの画像の場合には、一等列車の四侯検票口(第4待合室の検票口)が乗り場であることが分かります。

駅には空港にあるような発車案内もありますので、そちらでも検票口(要するに改札口)を確認しましょう。

改札の場所まで行って、待合室で発車時刻を待ちます。

中国では、発車時刻の20分前くらいまでホームへは行けず、待合室で列車を待たなければなりません。

なので中国の鉄道の待合室は超巨大で、空港より大きいほどです。

中国の鉄道 待合室

これが、中国の鉄道が日本と全く異なる点の一つです。

余談ですが、日本の国鉄(鉄道省時代)も昔は中国と同じく待合室で列車を待ち、発車直前までホームへ行けない方式だったそうです。

日本で初めて待合室が廃止されたのは1932年(昭和7年)に営業を開始した現在の2代目御茶ノ水駅(東京都千代田区・文京区)で、この御茶ノ水駅の方式が全国へ広まっていったそうです。

それまでの駅はいったん乗客を待合室に滞留させてからプラットホームへ導くものであったが、伊藤は駅は道路の一部であるとして旅客流動を重視した設計を行い、やってくる乗客を次々に捌く新しい電車時代の駅を設計した。これは駅舎設計の根本的な転換で、以降の通勤電車の駅の設計の基本となった。これ以降、乗降客数は比べ物にならないほど増加したものの、御茶ノ水駅はその機能を果たし続けている。

wikipedia 御茶ノ水駅

日本でも地方の小さな駅へ行くと、発車直前までホームへ入れてくれない駅が今でもありますが、都会の巨大な駅では有り得ないですね。

乗客が大幅に増加して待合室が手狭になってきたとき、日本は待合室を廃止する形で対応したのに対し、中国は待合室を巨大化する形で対応したのですね。

国柄の違いを感じられて面白いポイントです。

改札を通ってプラットフォームへ

中国の駅 電光掲示板

発車時刻になるまで、案内表示板には「正在候车(発車待ち)」もしくは「正点(定刻通り)」などと白または黄色で表示されています。

検札が開始されると、「正在检票(現在検札中)」と緑色で表示されますので、改札へ向かいましょう。

混雑している時期は、一気に人が改札へ殺到し、怒号が飛び交う大混乱となります。

全車指定席なのになぜ殺到するかというと、早く行かないと網棚の荷物置き場がいっぱいになり、荷物を荷物を荷物を置く場所が無くなるからです。

中国の鉄道は飛行機と同じく長距離移動専用なので、多くの乗客がスーツケースを持っており荷物スペースの奪い合いとなる場合があります。

さて、発車時刻10分前くらいになると"停止检票(検札停止)"と赤色に変わり、もう乗れなくなります。

中国の鉄道は発車時刻の5分前くらいに発車してしまうことすらあります。

中国の駅 電光掲示板

例えばこちらの写真の場合、右下の現在時刻は9:28なのに、9:32の列車が既に検票終了になっていますね。

飛行機と同じですが、スマホで動画やゲームに夢中になっていると乗り遅れるので注意が必要です。

日本人は問題ありませんが、中国の鉄道駅の電光案内板は中国語表記しかなく、英語すら表示されないので、漢字が読めない外国人は行き先すら読めず大変だろうなと思います。

待合室からホームへ行くときの検票でもう一度パスポートを見せる必要があるので、ここでも「人工通道」を通ります。

中国の鉄道 ホーム

日本では地方へ行ったら無人駅だらけですが、日本では鉄道にここまでの人件費はとてもかけられないですね。

列車に乗ったら、Trip.comの画面に表示されている車両と座席を探して座り、目的地を目指します。

Trip.comのトップページからトップページの右下「アカウント」→「全ての予約」から対象の列車を選択し、少し下へスクロールして「乗客」の項目を見ると、氏名とパスポート番号の少し下に車両番号と座席番号が記載されています。

たまに立席券の人が座っているので、Trip.comの座席番号画面を見せてどいてもらいましょう。

なお中国の国鉄車内では英語のアナウンスはない場合が多いので、もし中国語のアナウンスを聞き取れない場合は、時計を睨みつつ百度地図で現在地を確認しましょう。

目的地へ到着

中国 乗り越し精算

駅に到着したら、改札口でまた「人工通道」を通り、係員にパスポートを見せれば出札できます。

万一乗り過ごしてしまった場合、中国の鉄道は飛行機と同じく折り返し乗車は物理的にできないので、改札の手前にある「补票处(補票処:乗り越し精算所)」で精算をしてから改札を出ましょう。

もし領収書(发票)が欲しい場合には改札外の窓口へ行く必要があります。

詳しく知らないのですが、降りた駅以外でも全国どこの駅窓口でも発票は発行してくれるらしく、降車日でなくても後日発行してもらえるそうです。

発票は切符売り場で受け取る

発票(適格領収書)が必要な場合には、各駅にある切符売り場の窓口へ行って請求しましょう。

乗車前にも発票は請求できますが、乗車前に受け取ってしまうと列車変更やキャンセルができないらしいので、乗車後に受け取った方が良いと思います(実際に試したわけではないので、もし事実誤認がありましたらコメント欄でお知らせください)。

中国鉄道 Trip.com

発票が必要な場合には、Trip.comトップページの右下「アカウント」→「全ての予約」から対象の列車を選択し、一番上の「列車情報を表示」をクリックします。

すると上記画像のような画面が表示されますので、左上の「EJ47...」という番号を窓口の係員へ伝えてパスポートを見せると、発票を発行してもらえます。

時刻表を買って中国へ出かけよう

日本で、中国の鉄道の日本語版時刻表が売られています。

この時刻表、単に中国語の時刻表を日本語へ翻訳しただけでなく、日本人が慣れ親しんだJRの時刻表と同じ形式で表示しています。

Trip.comや12306でも時刻検索はできるのですが、日本の乗換案内に比べると少しポンコツで、「なんでこの乗り継ぎがヒットしないの?」とイライラすることも多いです。

自分で時刻表を調べた方が良いルートが見つかることもあるので、ぜひ1冊購入しておくのがオススメです!

慣れれば快適な中国の鉄道

中国の鉄道は日本のJRとは仕組みが異なるので最初は戸惑うかも知れませんが、慣れればとても快適で使いやすく、中国旅行には欠かせません。

中国の鉄道を使いこなして、ぜひ楽しい中国旅行を満喫してください!

 

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