中国での路線バスの調べ方と乗り方【百度地図アプリの使い方】

中国は多くの都市で地下鉄が発達していますが、路線バスを使えばより多くの場所へ行くことができます。

また、中国のタクシー代は日本よりも安いですが、路線バスは更に安い(一律30円~60円くらい)ので、バスを使いこなせると旅行費用を抑えられます。

そこで、この記事では中国での路線バスの調べ方と乗り方をご紹介します。

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中国の路線バスの探し方

日本ではGoogle Mapで路線バスを探しますが、中国でGoogle Mapは使えないので、代わりに百度地図を使います。

Googleプレイストア:百度地図ダウンロードページ

Appleストア:百度地図ダウンロードページ

以下、「沙湾古鎮」という場所へ行く場合を例に挙げて説明します。

自分のいる場所から目的地までのルートを検索する

まず、自分のいる場所で百度地図を開き、「到 沙湾古鎮」と入力します。

この「到」が英語の"TO"に相当します。

中国語の漢字(簡体字)で入力しなくても、日本語の漢字のまま地名を入力すれば認識してくれます。これは漢字を使う日本人の特権ですね。

中国 路線バス

「到 沙湾古鎮」と入力して「搜索」をクリックすると最適なルートを検索してくれ、以下のように表示されます。

中国 路線バス

「我的位置(自分の場所)」から「沙湾古鎮」までの公共交通(バスや地下鉄)での最もお勧めの行き方を表示してくれます。

地下鉄やバスの乗り換えが必要な場合は、乗り換えルートも複数提案してくれます。

バスや地下鉄ではなくタクシーのルートを知りたければ「打车(打車)」、自分で運転するなら「驾车(駕車)」をクリックしましょう。

特定の場所から目的地までのルートを検索する

先ほどは自分のいる場所から目的地までの調べ方をご紹介しましたが、自分のいない場所から目的地までも同じように調べられます。

例えば、市橋駅から沙湾古鎮までの行き方を調べてみましょう。

この場合は「市橋駅 到 沙湾古鎮」と入力します。中国語では「市桥站 到 沙湾古镇」になりますが、これも日本語入力で大丈夫です。

中国 路線バス

すると、市橋駅から沙湾古鎮までのルートを表示してくれます。

中国 路線バス

画像の意味について上から順番に説明します。

まず「43分钟」とは、43分で目的地へ到着するという意味です。

次に「243米」は、地下鉄の市橋駅から乗車バス停までと、降車バス停から目的地(沙湾古鎮)まで歩く距離の合計が243メートルという意味です。

「番67路」(番67号線)もしくは「番7路」(番7号線)はバスの路線番号を表しています。

「番」というのは「番号」という意味ではなく、広州市禺区のバスという意味です。

通常バス番号は「7路」「67路」のように表示されますが、禺区は広州市の郊外にあるので、広州市街地のバスと区別するために「」を加えているようです。

東京で例えると、都内の首都高速は1号線、2号線・・・と採番されているのに、神奈川や埼玉の首都高速はそれぞれK1やS1と採番されているのと同じです。

「15站」は、乗車バス停から降車バス停まで全部で15のバス停を通るという意味です。

「2元」は乗車賃が2元(約30円)という意味です。

「钻汇广场西门(地铁市桥站)站上车」は「鑽匯広場西門(地下鉄市橋駅)バス停で乗車」という意味です。

最後に「番67路 4分钟2站」とは、「番67路バスは、2駅手前にいて、あと4分で到着します」という意味です。

バスのルートを検索する

ここまでは始点と終点を入力してバスのルートを確認する方法をご紹介しましたが、この他にバスの番号を入力してルートを確認する方法もあります。

例えば地球の歩き方の欄外を見ると、目的地までの行き方として「バス102号、203号、304号」などとバスの番号だけが書かれている場合があります。

この場合は、百度地図で102号バスがどこを通っているかを調べて、どの地下鉄駅で降りればそのバスに乗れるのかを調べることもできます。

この場合、下記のように「公交車 番67路」などと検索すれば対象となるバスがヒットするので、そこをクリックすると地図上にルートが表示されます。

中国 路線バス

注意しなければならないのは、他の都市のバスを検索したいときには、その都市名を入力する必要があるということです。

例えば、北京のホテルに泊まっている時に西安の13号バスのルートを調べたいと思ったとき、「公交車 13路」と入力したら北京の13路バスのルートがヒットしてしまいます。

北京にいるときに西安のルートを調べるなら、「西安 公交車 13路」と入力しなければなりません。

逆に言うと、このように調べれば世界中どこにいても中国のバスルートを調べることは可能です。

日本にいる皆さんも、試しに調べたい場所のバスを百度地図で調べてみてください。

バス停までの行き方

百度地図が提案してくれた番67路もしくは番7路に乗りたいと思ったら、そこをクリックすると以下のマップが表示されます。

中国 路線バス

乗車場所から降車場所までのルートがマップに表示されます。これだと少し分かりにくいので、乗車場所のあたりを拡大してみましょう。

中国 路線バス

ゴチャゴチャしていて分かりにくいかもしれませんが、「起」と書かれている場所が現在位置、そして「上」「始点全景」と書かれている場所が乗車位置です。

この地図を参考にバス停まで向かいましょう。

上の地図でバス停の位置から少し右に視点を移すと、バスの現在位置が書かれており、3分後にバスが到着することが分かります。

百度地図を開けておくと、バスの現在位置が刻々と更新されていきます。

“即将到达(まもなく到着)”と表示されたらバスが来ます。

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バスの時刻表の調べ方

中国 路線バス

先ほどの地図から画面をもう少し下へスクロールすると、「发车时刻表(発車時刻表)」と書かれていますので、そこをクリックします。

すると、バスの時刻表が表示されます。

中国 路線バス

次のバスは11:15分に到着するようです。

5分おきくらいの高頻度で運行されているバスについては、ここまで丁寧な時刻表は表示されず、「5分钟/趟」(5分おきに到着)などと表示されます。

中国のバス停で待つときの注意

中国 路線バス

バス停の場所を調べたら、地図に従ってバス停へ向かいましょう。

バス停に着いたら念のため、調べたバスが本当に到着するかを確認します。

中国 路線バス

「番67号」と書かれているので、調べたバスが確かに到着することが分かります。

たまに、5メートル隣にもう1つ別のバス停があったり、1本隣の道だったり、交差点を曲がったところに同じ名前のバス停があったりします。

「待てど暮らせどバスが来ないと思ったら5メートル隣のバス停に停まっていた」ということもあるので、気をつけましょう。

百度地図のマップを見ていれば、次のバスがどの辺りを走っていて、いつ到着するかが分かります。

中国の路線バスの支払

中国 路線バス

バスに乗った後、支払についても注意すべきことがあります。

現金での支払い

路線バスは現金の支払もできますがお釣りは出ません。

中国の路線バスの料金は通常1~2元(15円~30円)なので、ホテルで両替をしてもらったり、コンビニで崩して1元札か1元コインを用意しておきましょう。

支付宝(アリペイ)の支払

中国人は支付宝(アリペイ)のTarnsport機能で、QRコードをかざして乗車することができます。

この方法は便利ですが、中国の銀行口座との紐づけが必要なので、外国人の出張者や旅行者が利用するのは難しいようです。

中国での銀行口座を持っている人に向けて、やり方を説明します。

支付宝には日本語版はないので、英語か中国語になります。

まず、支宝付のトップ画面でTransport(中国語:出行)を選択します。

中国の地下鉄

すると、"Bus""Metro""Taxi"と表示されるので、"Bus"を選択します。

もし地下鉄に乗る場合は“Metro”を選択しましょう。

中国の路線バス

このとき、「バスカードをアリペイと紐づけて良いですか?」という表示が出るので、同意をします。

すると、紐づけが完了し、“View”をクリックするとQRコードが表示されます。

都市によっては「今すぐ使う」といった文言が表示されることもあります。

中国 路線バス

このQRコードをバスでスキャンすれば乗車することができます。

ただ、バスに乗る時は地下鉄の改札口よりも忙しく、通信が弱くてQRコードの表示にもたもたしていると運転手や後ろの人から怒鳴られることもあります。

バスが来てからQRコードを表示しようとしたのでは遅いので、バスを待っている間にQRコードを表示しておき、それに加えて念のため予め現金(1元札)も用意しておくのがオススメです。

なお、以下の画面キャプチャでは「Guangzhou(広州)」となっていますが、場所は変更することができます。

中国の地下鉄

基本的には携帯電話の位置情報に従って、今いる場所のQRコードが自動的に表示されることになっていますが、VPNを使っている時などズレることもあります。

"Guangzhou"と書かれている場所をタップすると、他の都市を選択することもできます。

中国 路線バス

英語表記だと分かりにくい場合には、中国語表記に変更しましょう。

中国 路線バス

日本人にとっては、中国の地名は中国語表記の方が馴染みやすいですね。

アリペイのこの機能は非常に便利で、中国全国どこへ行ってもいちいち現地の交通アプリをダウンロードしたり切符を買ったりしなくても、アリペイのアプリだけでそのままバスや地下鉄に乗ることができます。

アリペイアプリの表示言語の変更は、トップページ右下のAccount→右上の歯車マーク→General→Languageで変更します。

大陸の中国語(簡体字)と英語の他、香港や台湾の繁体字も選択可能です。

ICカードでの支払

中国 路線バス

現金やスマホQRコード決済のほか、各都市や省でICカード(広東省の場合は「羊城通」)が発行されていて、そのカードでも乗車できるので、在住者は持っていても良いと思います。

広州市ではICカードの羊城通で地下鉄やバスに乗車すると、スマホのQRコードで乗車した場合に比べて少し安くなります。

地下鉄の駅の自動券売機や有人窓口で購入が可能です。

バスを使いこなすと中国旅行の幅が広がる

昔の中国では、バス停でバスを待っていると、その都市のバスルートを掲載したマップを売るおばさんが来た記憶があります。

京都市のバスマップのようなパンフレットです。

今はアプリで簡単にルート検索ができるので、バス路線網の全貌を把握するのは難しくなってしまった気がします。

地図を見ながらバスの乗り継ぎルートを考えるのも個人的には好きなので、少し寂しいような気もします。

しかし百度地図は中国全土で使えるので、この記事でご紹介した方法でバスを検索すれば中国全国どこでも路線バスを利用することができます。

費用を節約しながら小回りの利いた旅行が可能です。

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