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コロナ前まで、日本人は15日以内ならノービザで中国に滞在が可能でしたが、2023年11月現在、日本国籍の人が中国本土へ渡航するにはビザが必要です(香港・マカオは90日までビザなしで滞在できます)。
但し、日本人がビザなしで中国へ渡航できる例外規定もあります。
就労ビザ、留学ビザ、商用ビザは勤務先や学校が手配すると思いますので、本記事では個人渡航を目的とした観光ビザの取得方法とビザ免除の渡航方法をご紹介します。
Contents
中国の観光ビザ(Lビザ)の取得方法
観光ビザは30日が申請できます。規定上は60日や90日のビザもあるようですが、インターネットの情報を調べる限り30日のシングルビザしか許可されないようです(60日や90日のビザを取得できた方はコメントください)。
中国の観光ビザ申請の必要書類
観光ビザ申請に必要な書類は以下の通りです。全ビザ共通の書類と観光ビザのみに必要な書類があります。
- オンライン記入した「中华人民共和国签证申请表」
- パスポート原本及び写し
- 日本に居住する第三国申請者の場合:在留カード、日本上陸許可または日本査証及び入国証印
- 元中国籍を有する場合(① 初めてビザ申請を行う方:旧中国パスポート及び帰化証明書、② 過去にビザを取った方:旧中国ビザ)
- 証明写真1枚
- 以下の3つうちいずれか1つ
- 往復航空券とホテルの予約表
- 中国国内の関係機関または個人が発行した招聘状
- クルーズ船で訪中する場合は、その日程表。
最新の情報は以下の中国大使館ホームページでご確認ください。
全ビザ共通の必要書類:中国ビザ申請についてのお知らせ(中国大使館HP)
観光ビザの必要書類:リスト(中国大使館HP)
中国の観光ビザ申請の注意事項
上記リストには記載がありませんが、過去に中国ビザを取得したことがある方は、念のため前回のビザが貼られたパスポートを持っていきましょう。コピーを要求されることがあります。
写真については規定が非常に細かいので注意が必要ですが、詳細はビザセンターのホームページでご確認ください。不安であればカメラのキタムラなど、ビザ用の証明写真に精通した写真店で取ってもらいましょう(カメラのキタムラ参考リンク)
観光ビザの申請時に飛行機とホテルの予約表を提出しなければなりませんが、インターネットの情報を見る限り必ずしも申請時の行程で旅行しなければならないわけではなく、ビザ取得後に変更しても問題はないようです。
そもそもフライトがキャンセルされたり変更になる場合もありますからね。
Q5:事前に航空券を予約しており、ビザ申請の予約時点で発給が出発までに間に合わないことに気づいた場合、発給を前倒ししてもらえますか。
A:現在、ビザ申請数は増加し続けており、ビザ申請予約には一定の待機期間が存在します。申請者は行程を合理的に計画し、ビザの取得後に航空券を購入すべきです。総領事館は航空券を理由に申請者のビザ審査・発給を前倒しすることはできません。
申請書類と矛盾しているような気がしますが、大阪の中国領事館のQAには「ビザを取得してから航空券を購入するべき」と書かれています。
中国ビザの申請場所
申請はビザセンターで行いますが、お住まいの都道府県によって管轄が異なります。
管轄都道府県は以下のページでご確認ください。下記ページに記載のない都県(関東1都6県、山梨、静岡、長野)は東京の大使館が管轄になります。
都道府県毎の管轄:在日中国総領事館のご案内
このうち東京、大阪、名古屋のビザ申請については大使館・領事館ではなくビザセンターで申請を行います。下記ホームページで予約と申請書の入力ができます。
上記ページで、「査証高速リンク」→「オンラインによる申請表入力」と進んで申請書を作成します。
また大阪は予約が必要なので、「査証高速リンク」→「オンライン予約」で予約をします(東京と名古屋は予約不要です。)。
東京・大阪・名古屋管轄地域以外の道県は少し面倒くさいのですが、下記サイトから予約と申請書の入力を行います。
ビザの予約:中国ビザ申請予約サイト
申請書:中国ビザ申請書フォーム
上記サイトで「中华人民共和国签证申请表」と「中国签证在线填表确认页」を作成し、印刷のうえ領事館へ持参します。
ノービザ渡航が停止されている現在、多くの日本人が中国の観光ビザを申請ししており、「中国 観光ビザ 記入方法」などのキーワードで検索すれば詳細な入力方法がたくさんヒットします。
下記の個人ブログが分かりやすかったです。
外部リンク:徹底解説【中国観光Lビザ】オンライン申請 入力方法
日本国外在住の方は、以下のホームページで居住国の中国大使館・領事館を検索してください。
事前にビザを取得せず中国本土へ入る方法
地域限定で、ビザを取得せずに中国本土へ行く方法がいくつかあります。
トランジットビザ144時間以内滞在
日本国籍であれば、中国本土を経由して第三国/地域へ行く場合に144時間以内であればビザなしで中国国内を観光することができます(参考:国家移民管理局、72時間・144時間トランジットビザ免除手続きを解説(JETROホームページ))。
但し、様々な条件があります。
- パスポートの有効期限が3か月以上
- 第三国/地域へ渡航する航空券を持っている
そのうえで、中国政府の指定された空港に限り144時間滞在することができます。
北京、上海、広州、深圳、重慶、成都、青島、大連、西安など、日本人がよく渡航する都市はほぼカバーされています。
湖南省の長沙、広西省の桂林、黒竜江省のハルビンのみ滞在時間が144時間ではなく72時間です。
正確な都市名/空港名の情報はこちらのページを下へスクロールすると表示されます。
原則としては入国した都市から出てはいけない(北京で入国したら上海へ行ってはいけない)のですが、以下の地域内であれば移動可能です。
- 北京・天津・河北省
- 上海・江蘇省・浙江省
- 広東省(広州・深圳)
例えば広州で入国して144時間滞在し、深圳から出国することは問題ありません。
渡航先の第三国については、中国本土でなければ大丈夫なので、香港・マカオ・台湾を渡航先としても問題ありません。
11/15 成田→上海
11/18 上海→香港→成田
上記の例だと実質的な渡航先は上海で、香港は単なるトランジットのように見えますが、中国本土の立場から見れば「成田から香港へ行く途中で上海に3日間滞在した」となるので問題ありません。
実際にトランジットビザ免除の制度を利用して中国へ渡航された方の体験記については下記リンク(外部の個人ブログ)をご参照ください。
外部リンク:中国にノービザ(トランジットビザ免除)で入国。きちんと理解すればとっても簡単です
特区ビザ
深圳、アモイ(厦門)、珠海に限り、アライバルビザで数日間滞在可能です。
申請には275元(約5,500円)の手数料がかかり、また特区を出ることはできません。
中国ではホテルにチェックインするときにフロントでパスポートの写真のページとビザのページ、そして入国スタンプのページをスキャンされ、その情報がそのまま警察へ転送されるシステムになっています。
もし特区ビザで入国しておきながら特区以外の地域に宿泊してしまうと即座に警察へ判明してしまう仕組みになっているため、特区以外のホテルを予約しないよう注意が必要です。
多くの方は香港から入境して深圳に数日滞在するケースが多いと思いますが、深圳の場合は5日間滞在することができます。
深圳の特区ビザの詳細については、外部ブログになりますが深圳Fanさんのサイトで非常に詳しく説明されているので、そちらをご確認ください。
外部リンク:ビザなしで深セン渡航、到着後の申請で5日間滞在可能な「特区旅遊ビザ」申請方法
海南島へのビザなし渡航
海南島(海南省)は特例で日本人はビザなしで15日まで滞在できます。事前予約も不要です。
海南島は日本ではそこまで有名ではありませんが、海南島は中国最南端に位置する中国唯一の熱帯の島で、東南アジアのバリ島やプーケット島と似たような南国のリゾート地です。
外部リンク:海南島への入国(海南省政府観光局公式サイト)
日本から海南島への直行便はないものの、広州や香港で乗り継げば行くことができます。
日本人は香港であればビザなしで渡航可能ですし、広州についても「24時間以内の乗り継ぎ・空港から出ない」という条件であればビザ申請無しでトランジット可能です(参考リンク)。
四、 外国人は座席が確定された乗り継ぎ航空券を所持して国際航空便に搭乗し、直接中国を経由し、且つ経由地での滞在が24時間を超えず、また空港を出ない場合には通過ビザ(トランジットビザ)が免除されます。臨時に空港を離れる場合には、空港のイミグレーションで停留許可の手続きをする必要があります。
APECビジネストラベルカード(ABTC)を取得して中国へ入国する
APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)とは、APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするために、制度参加国・地域の政府が自国・地域のビジネス関係者に外務省が発行する特別なカードです。
中国も参加しているため、このカードがあればビザを取得しなくても中国へ入国することができます。
しかし誰でも申請できるわけではなく、貿易・投資実績がある企業等の経営者や従業員で、貿易等に関する事業を行うことを目的として参加国・地域への渡航が必要であると認められる人にのみ許可されます。
申請にあたっては、所属企業が過去1年間貿易又は海外投資を行った実績を有していることを証明する資料(決算書など)を提出する必要があります。
以前は「過去1年間の貿易額が1億円以上、又は海外投資額が5千万円以上の企業」という基準がありましたが、現在は金額の基準が撤廃されました。
個人事業主でも申請可能らしいので、副業で輸入代行や輸出せどりをやっている方などは申請できるかも知れませんね。
但し観光、就労ビザでの利用はできず、目的以外で利用すると、当該参加国・地域の国内法令に従い処罰される可能性があるため注意が必要です。
中国には60日滞在できます。
外部リンク:APEC・ビジネス・トラベル・カード(外務省ホームページ)
中国国内での観光ビザの延長方法
観光ビザを中国国内で延長するには、以下の資料を準備して滞在先ホテルの管轄地域の公安へ提出します。
- 有効なパスポート、もしくはその他の国際旅行証明書
- 「外国人ビザ申請書」(黒のボールペン(水性)で記入し、直近に撮影した証明写真(白地、無帽で正面を向いた2寸サイズ(35mm×52mm))を1枚貼り付けたもの)
- 居住地の派出所あるいは宿泊ホテルにて宿泊登記を行ったことの証明書
- 関連情報を不足・偽りなく記入した旅行計画と旅行日程
- 団体旅行の場合、北京の旅行会社による、当団体の訪中旅行に関する情報と期間延長理由が記載されている、期間延長申請同意の意見書
参考サイト:外国人のL(観光)ビザ延長申請に関する注意事項(北京市人民政府)
30日毎に延長しなければならないようです。
申請場所は、百度地図で「公安局出入境管理処」と検索してください(日本語の漢字検索で問題ありません)。公安局出入境管理処が日本の入国管理局に相当します。
上記の手続きは整えられているのですが、インターネットの情報を調べる限り申請が許可される可能性は低く、大抵は却下されてしまうようです。
もし観光ビザ延長が許可された方がいたらコメントください。
30日を超えて中国国内に長期滞在するには
中国って日本の26倍もあるのに、たった30日しか滞在できないの?私はノマドワーカーで、パソコン1台でWebデザインの仕事をしながら世界一周旅行をしているけど、半年くらいかけてゆっくり中国旅行をする方法はないの?
という質問を時々受けることがありますが、正直かなり難しいと思います。
日本人が30日を超えて中国国内旅行をするには、以下のようなアクロバティックな方法しか思いつきません。
- 留学ビザで渡航をして学校をサボる(学校を休みすぎて留学ビザが取り消される可能性に注意)
- 中国籍の人と結婚する(親族ビザなら長期滞在は可能ですが中国国内で働けません)
- 中国の会社に就職して就労ビザを取得し、退職して居留許可期限まで滞在(規定上は退職後に居留許可を取り消さなければなりませんが、即不法滞在になるかどうかは解釈が分かれるようです。但し100%合法という保証はできません)
- 中国で起業してノマドワークする
- 永住権の取得を目指す(上海で税込約1200万円の収入を得ながら4年間暮らすなど)
- アメリカ、イギリス、カナダ、ブラジル、アルゼンチンなど、中国の10年マルチビザを取得できる国籍を取得する(調べる限り、この10年マルチビザは一時停止中のようです)
他に何か方法があればコメントください。
現実的に考えられるのは1の留学ビザ取得くらいでしょうか。
中国の大学へ語学留学をすると、半年のビザが下りて授業は3ヶ月半程度なので、2ヶ月以上は自由旅行ができるようです。
授業も午前中だけなので、午後や週末に旅行もできます。
中国は長期滞在ビザが下りにくいので、語学研修よりも観光旅行を目的にして留学ビザを取得する外国人がいると聞いたことがあります。
ただ、シンプルに観光ビザを取って30日毎に日本へ帰国して再申請するのが一番良さそうです。
中国へのビザなし渡航はいつ再開するか
コロナ以前は15日までは日本人はノービザで中国全土に滞在が可能でした。
中国は2020年から2022年までの3年間、世界でも稀に見る厳しいゼロコロナ政策を実施し、中国への渡航は厳しく制限されていました。
しかし2023年に入ってからはゼロコロナ政策が事実上終了し、ビザの制限が次々と緩和されたため、日本人のビザなし渡航再開も秒読みと考えられていました。
ブルネイとシンガポールは2023年7月にビザなし渡航が再開されましたが、日本だけは再開されていません。
中国がビザを相互免除している国は数カ国(モーリタニア・サンマリノ・フィジーなど)ありますが、一方的にビザを免除している国(つまり、中国人がその国へ行くにはビザが必要なのに、その国の人が中国へ来るにはビザ不要の国)は日本・ブルネイ・シンガポールの3か国だけでした。
このうちブルネイとシンガポールは再開したのに日本だけ再開しないというのは政治的な理由がありそうです。
日本の国民世論としても、ビザなし渡航再開よりも福島の水産物輸入再開や反スパイ法違反で拘束されている日本人の解放を求める声が大きく、米中対立の背景もあって中国との関係改善は見込めないため、しばらくビザなし渡航再開はなさそうな気がします。
しかし中国は突然方針変更することも多いので、常に最新の情報をチェックしてください。