【2023年】シンガポール就職と生活・物価 30代男性S.M.さん体験談

今回は、シンガポールで金融関係の仕事をしているS.M.さんに、シンガポールでの仕事や生活についてお伺いしました。

記事中の※はS.M.さんのコメントではなく、ブログ管理人による補足事項です。

本記事では、1シンガポールドル=100円として計算しています。

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S.M.さんがシンガポールで働く理由

シンガポール

どうして海外就職をしたいと思ったのでしょうか?

学生時代に海外就職の本を読み、漠然と海外で働くことに興味を持ちましたが、その時点では「絶対に海外へ行きたい」とは思っていませんでした。

しかし社会人になって英語の勉強をしている間に「絶対に海外へ行きたい」と思うようになりました。

海外駐在の可能性がある会社へ入社したのですが、100%海外駐在できる保証はありません。

「海外で生きる」という生き方があることを知っているのに、ずっと日本で働いていたら後悔すると考えました。

海外で働きたい理由は「キャリアアップをしたい」という目的もありますが、それ以上に「外の世界を見てみたい」という気持ちが強かったです。

自分の人生を会社の人事部任せにはできないので、退職してシンガポールの会社へ転職しました。

どうしてシンガポールを選んだのでしょうか?

シンガポールを希望したわけではなく、色々な国で探したのですが、私の専門が金融だったので、香港とシンガポールに求人が集中していました。

転職エージェントからは「会計の仕事なら色んな国で求人があります」と言われましたが、会計だとキャリアチェンジになり過ぎてしまうので、シンガポールの金融の仕事に応募しました。

面接ではどのような質問を受けましたか?

面接で受けた質問はシンプルなものばかりでした。

  • なぜ海外で働きたいのですか?
  • なぜシンガポールを選ぶのですか?
  • 海外で働いて、10年後にはどうなりたいですか?
  • 前職ではどのような仕事をしていますか?
  • 前職での経験をどのように活かせますか?

英語の面接はありましたか?また、応募時の英語力はどのくらいでしたか?

英語面接はありませんでした。

TOEICは925点でしたが、会話をする経験がなかったので、会話には自信がありませんでした。

シンガポールからアジア全体のビジネスを見る

シンガポール

内定を得たあと、ビザの手続きなどは問題ありませんでしたか?

シンガポールは年々ビザの要件が厳しくなっています。

今までは学歴や給料のみが条件でしたが、2023年9月から改定があり、会社が雇っている従業員のうちシンガポール人の比率を一定以上にすることが求められるようになります。

たとえ学歴や給料の要件を満たしていても、外国人の多い会社ではビザが下りないことになりますね。

現在の仕事はどのような業務内容ですか?

事業会社でのデューデリジェンスやM&Aがメインです。

シンガポールだけではなくアジア太平洋全体を対象に、各国の拠点設立、撤退、拠点統合などの実務を対応します。

銀行から持ち込まれた案件を精査し、経営陣の意思決定をサポートします。

例えば、外資規制なども国によってバラバラで、業種によって外資が許可される持ち株比率割合も異なりますので、外部の弁護士事務所などと連携しつつ、そのような調査も行います。

またバリュエーションやデューデリジェンスなどの高度に専門的な実務は、外部の法律事務所や会計事務所と連携して行います。

事前のイメージと、実際に働いてみたギャップはありますか?

シンガポールにはいるものの、日本本社や日本人チームと連携しながらアジア各地の投資案件を精査するため、仕事で英語を使う機会が殆どありません。

日本本社の働き方に合わせなければならないので、日本で働いているのと全く同じような環境です。

出勤時刻などはシンガポールに合わせており、多少遅刻しても問題なく、定時で帰れるのは良いところですが、退勤後も仕事が振られることがあります。

駐在員は日本本社と全く同じ働き方をしており、現地採用はそこまで対応する必要がないのかも知れませんが、退勤後も対応しています。

シンガポールへ来てから英語力は伸びましたか?

仕事のチームが全員日本人なので、仕事で英語を使うのは資料を読むときくらいで、仕事の会話は全て日本語です。

同僚と世間話くらいはするけど、仕事でのディスカッションは全然ないので、なかなか英語力が伸びた実感はありません。

シンガポール人の会話は聞き取れますか?

ローカルスタッフ同士の会話は、中国語で話しているので分かりません。

街中では、ホーカーセンター(屋台街)の店員の人達の中には中国語しか話せない人もいるようです。

英語を話す場合も、シングリッシュ(シンガポール英語)が分からないことがあります。

例えば、"Is it OK for you?"と聞くべきところで"Can?"と聞いてきたりします。

これは中国語の"可以吗?"を英語へ直訳しているのではないかと思います。

シンガポールでの仕事を通じて成長したと実感したことはありますか?

シンガポールだからというわけではありませんが、大企業と言えども海外拠点なのでメンバーが少数精鋭です。

日本よりも1人1人の仕事の裁量が大きいので、1人で仕事を回す力がついたと感じます。

日本本社は大企業なので、大企業の良い面も経験することができ、一石二鳥の環境と言えます。

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S.M.さんのシンガポールでの生活

シンガポール ホーカー

ここまでシンガポールでの仕事の話をお伺いしましたが、ここからはシンガポールの生活の話についてお伺いします。

シンガポールの住まい

家はどのように探しましたか?

Property Guruという、日本でいうSUUMOのようなアプリで探した場所や条件を入れて調べました。

このアプリでは、オーナーへ連絡しても返信率は50%程度で、かつ自分自身で現地のエージェントや現地のオーナーと自分で交渉しなければなりません。

シンガポールでは大家の立場が強いので、普通に申請しても無視したり断られることもよくあります。

それ以外の探し方としては、シンガポールの日本人の掲示板で、たまに募集が出ることがあります。

なお、家が決まるまではホテルに泊まりました。

ホテルはピンキリですが、1泊15,000円くらいで、とてもボロボロな部屋でした。

日本でいうと東横インとかAPAホテルのランクでも、シンガポールでは1泊2〜3万円はかかります。

シンガポール シャハウス

家の広さや家賃はいかがですか?

家はシェアルームです。

トイレ・シャワー・水回りが共同で、個室の広さは10平米、家賃は月2000シンガポールドル(約20万円)です。

なおシンガポールのシェアルームには以下の2種類があり、Master Roomの方が少し高いです。

  • Common Room:トイレ・シャワー共有
  • Master Room:トイレ・バスタブ専用

なお私のシェアルームは台所の使用が禁止なので、食事はデリバリーを頼むか外食をしなければなりません。

台所が汚れることをオーナーが嫌がるからですが、台所を使えるかどうかはオーナーの方針次第です。

シンガポールでは、台所を使えないシェアルームもよくあります。

ケトルでお湯は沸かせるのでカップラーメンくらいは作れますが、電子レンジは使えません。

共有の冷蔵庫はありますが、冷蔵庫を使えるかどうかもオーナー次第です。

冷蔵庫がない家の場合、食材を保管できないので、毎回買ってこなければなりません。

家を選んだポイントは何ですか?

虫が出ないことです。

具体的には、高階層で、かつダストシュートが家の外に付いていて築年数が浅いことにこだわりました。

ダストシュートが家の中にあると、定期的な消毒の時などに虫が家の中に入り込んでくるためです。

私は築年数が浅く高層階のマンションにこだわったため家賃が20万しますが、もし古くて低層のマンションで良ければ月1000ドル(約10万円)くらいから借りられます。

なお、外国人が一般的に借りる部屋はコンドミニアムと呼ばれるプール・ジム付きの部屋です。

一方、HDBと呼ばれるシンガポール人専用の公営住宅であれば、もう少し安く済むことができます。

外国人であっても、シンガポール人オーナーと交渉すれば入居することは可能です。

シンガポール シェアハウス

シェアルーム以外の選択肢はありませんか?

なお、シェアルームではなく1LDKを借りると3000ドル(約30万円)を超えます。

上司の駐在員は家族3人でコンドミニアムに住んでいますが、その家賃は6000ドル(約60万円)で、家賃補助の方が給料より多いくらいです。

コロナ以降、インド人などの外国人労働者が入ってこれなくなって建築がストップしたので、マンションの供給が不足しました。

コロナ禍の間はマンションを借りる外国人も減って需要も下がったので良かったのですが、コロナが明けてからマンションを借りたい外国人は増えたのに、マンションの供給はまだ追いついていないので、圧倒的な供給不足になっています。

インド人などの外国人労働者も戻ってきたので、これからマンションの供給が増えれば価格は少し戻ると思います。

入居時に必要な費用はどのくらいでしたか?

デポジット(敷金)は家賃1か月分の2000ドル(約20万円)でした。

不動産の代理店に支払った手数料が1000ドル(約10万円)でした。

また1か月分の前払家賃も必要なので、入居時に支払った合計額は5000ドル(約50万円)でした。

部屋のオーナーとのやり取りは問題ありませんか?

オーナーは良い人で、何のトラブルもなく快適に過ごしています。

オーナーの当たり外れが激しく、オーナーが外れだと大変です。

例えば、シンガポールではエアコンの掃除を定期的に(3ヶ月に1回程度)やらないといけませんが、それをサボっているオーナーもいます。

オーナーとはWhatsAppでやり取りをしており、家賃は銀行のアプリで支払っています。

水道光熱費や通信費はかかりますか?

水道光熱費と部屋のWiFi費用は家賃に含まれています。

携帯電話の月額料金は会社負担です。

家探しで注意する点などはありますか?

シンガポールへ渡航する前に、会社の場所を確認して、家の場所について目星つけてから来た方が良いと思います。

シンガポールへ到着したあとでゼロから探すのは大変です。

もしオフィスが中心地にある場合は、1〜2週間かかっても見つけられないことも珍しくありません。

ホテル代も高いので、負担になります。

シンガポール生活で家賃以外にかかる支出

シンガポール 食費

交通費はどのくらいかかりますか?

通勤費用は自己負担ですが、地下鉄は初乗り1.5ドル(約150円)くらいです。

EZ Linkカードという、日本でいうSuicaやICOCAみたいなカードにチャージしています。

100ドル(約1万円)チャージしておけば1ヶ月半くらいは持ちます。

シンガポール 食費

食費はどのくらいかかりますか?

自炊ができないので食費は外食のみで、月5〜6万円くらいかかります。

普段利用しているのはホーカー(大衆向け食堂ですが、ほぼ屋台のようなものです)、マクドナルド、コンビニです。

食費の目安は下記の通りです。

  • ホーカーセンター:4〜6ドル(400~600円)
  • マクドナルドのダブルチーズバーガーのセット:7ドル〜8ドル(700円~800円)
  • スタバのコーヒー:6ドル(約600円)
  • スタバのコーヒーとケーキのセット:14ドル(約1400円)
  • 普通のレストラン(日本食でも中華料理でも):最低でも15ドル(約1500円)
  • ラーメン1杯と餃子:25ドル(約2500円)
  • ビールの中ジョッキ一杯:12ドル(約1200円
  • 飲み会1回:100ドル(約1万円)
  • タバコ1箱:16ドル(約1600円)

美容院などはどのくらいかかりますか?

普段はQBハウスで髪を切っていて、18ドル(約1800円)かかります。

ちゃんとした美容院へ行くと100ドル(約1万円)近くかかります。

病院にかかったことはありますか?

まだ病院にかかったことはありません。

会社の福利厚生で、医療保険と歯医者(年1回)の補助が入っています。

他にお金がかかることはありますか?

特にありませんが、シンガポールの面積は23区より一回り広い程度なので、主要な観光地は3ヶ月もあれば一通り回れてしまいます。

その後は海外へ旅行することになりますが、毎回飛行機に乗る必要があるので、それなりにお金がかかります。

その他シンガポールでの生活に関して

シンガポール 交通費

シンガポールの生活で困ったことはありますか?

一番困るのは家賃が高い点ですが、それを除くと、シンガポールはほぼ赤道直下なので1年中とても暑く、湿気が多いのが困ります。

例えばシンガポールは横断歩道が少なく、歩きにくいと感じるのですが、その理由は暑すぎて外を歩く人が少ないからです。

「最寄駅から徒歩10分」と聞くと、日本の感覚では歩いたら簡単に歩けそうですが、シンガポールで10分も歩いたら汗がビッショリになって疲労困憊します。

シンガポールの気候はいかがですか?

シンガポールは金融都市・香港と時間を合わせており、北京時間を採用しているので、日の出も日の入りも遅いです。

一年中、朝7時に日が出て夜7時に日が沈みます。

赤道直下なので春夏秋冬もなく、雨季や乾季もなく、1年中同じような天気が続きます。

基本は晴れていますが、突然物凄い勢いのスコールがあります。

晴れ渡る快晴だったところに急に暴風雨が来て、水滴で10メートル先が見えなくなるくらいまで降ったと思ったら、10分後にはまた快晴に戻ります。

日本から買っていった方が良いものは何かありますか?

日本で手に入るものは全てシンガポールでも手に入るので、何も必要ありません。

イオン、無印良品、ドン・キホーテ、ダイソー、ユニクロなどが充実しており、日本と全く同じ商品が売られていて、日本と全く同じ生活を送ることができます。

シンガポール

シンガポールの生活で役に立つアプリはありますか?

銀行のアプリはとても便利です。

シンガポールの主な銀行は3行ありますが、相手の電話番号を登録すれば振込手数料なしで個人送金することも可能です。

街角のお店や屋台でも電話番号が書いてあったり、銀行アプリのバーコードが貼ってあるので、銀行のアプリを通じて決済をします。

シンガポールでは現金を使う機会が殆どありません。

私は財布をどこかに落として、現金を使わないので丸1日気づかず、あとから探し回ったこともあります(無事に見つかりました)。

旅行者はシンガポールでの銀行口座や携帯電話番号がないので現金を使うしかありませんが、少し不便だと思います。

週末や長期休暇はどのように過ごしていますか?

週末はシンガポール国内を散歩したり、マレーシアやベトナムへ遊びに行ったりしています。

週末に東南アジア各地を旅行できるのはシンガポール就職のメリットだと思います。

長期休暇は旧正月が(週末も含めて)4連休でしたが、祝日は年に14日しかなく、日本に比べると長期休暇は少ないです。

シンガポールには約1万人の日本人がいるので、日本人と交流をするのも良いと思います。

私は日本人会には入っていませんが、聞くところによると、子供や家族がいる人は日本人会に入っていた方が様々な情報が入ってきて便利なのだそうです。

日本人向けの掲示板には、「飲み友達募集」の書き込みもあります。

シンガポールへ来る前と来た後で、生活面でギャップを感じたことはありますか?

東京での生活と殆ど変わりないのでギャップを感じることは特になく、海外感がありません。

日本へ帰りたいと思うことも特にありません。

通勤ラッシュが日本ほど激しくない点は、予想よりも良かったです。

S.M.さんがシンガポール就職で感じたメリット

シンガポール

シンガポールへ来て、何か新しい発見はありましたか?

シンガポールで知り合った他社の現地採用の人と話したことで、とても視野が広がりました。

日本で働いていた時は、新卒一括採用で大企業へ入ったので、同僚で転職をする人も少なく、転職をしたら選択肢が狭くなると思っていました。

シンガポールへ来た当初は「普通の人が選ばない変な道を選んでしまったので、社会のレールから脱線した」と思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。

いろんな方の話を聞いて、シンガポール就職のキャリアを活かして様々な選択肢があることが分かったので、海外に来て良かったです。

S.M.さんの体験談を読んでシンガポール就職のイメージを持ってもらえたかと思いますが、以下のような不安もあるかと思います。

  • シンガポールで自分に合った仕事があるか?
  • シンガポールでビザは下りるか?
  • シンガポールに適した履歴書や職務経歴書の書き方
  • 面接でのアピール方法
  • 将来のキャリア戦略

こういう不安を一人で抱え込むのはつらいですよね。

シンガポール就職の進め方に不安がある方は、海外就職に特化したキャリアコンサルタント・グローバル人材塾の無料キャリア相談を受けてみることをお勧めします。

百人いれば百通りのキャリア戦略がありますので、ぜひプロの力を活用してシンガポール就職を実現してください。

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