
日本でもドコモ・バイクシェアやHello Cyclingが普及し、シェアサイクルの利用者が増えていますが、中国でのシェアサイクルの普及は桁違いです。
安さと使いやすさが日本の比ではなく、日本からの旅行者でも気軽に利用することができます。
この記事では、中国のシェアサイクルの使い方と注意点について、中国・広州在住の私がご紹介します。
Contents
中国でシェアサイクルが普及している3つの理由
まず、中国でシェアサイクルが爆発的に普及している3つの理由をご紹介しましょう。
自転車はどこにでも放置してOK
中国のシェアサイクルの凄いところは、どこでも乗り捨てOKなことです。
上の写真の通り本当に街中のどこに自転車を放置しても良く、返却ポートを探す必要がありません!
歩行者天国のエリアなど、一部の駐輪禁止地域はありますが、基本的にどこでも乗り捨てOKです。
中国の道は非常に広く、自転車をズラッと並べても余りあるスペースがあるのです。
たまに、道のド真ん中に放置する人もいますが、すぐ別の人が使いますし、ときどき係員が来て綺麗に並べ直すので、社会問題になりません。
中国全土で、いったい何千万台、いや何億台あるんだろう?と思うほど、本当にそこらじゅうに自転車があります。
例えば

朝は自転車で出勤したけど、午後から雨が降って来たから帰りはタクシーで帰ろう!
という柔軟な活用が可能です。
サービスが寡占状態
日本は様々なシェアサイクル業者が乱立していて、地域ごとに登録しなければなりません。
しかし中国の場合、哈罗单车(青)、美团单车(黄)、滴滴单车(緑)の3社が寡占状態で、一度利用登録をしてしまえば、中国全国どこでも利用することができます。
もちろん旅行先でも利用することができ、小回りが利くので非常に便利です。
10年前の中国ではこのようなシェアサイクルを見かけることはありませんでしたが、これだけの短期間で全国に自転車を設置できるスピード感は、さすが中国だと思います。
料金が安い
中国のシェアサイクルはとても値段が安いです。
地域によって若干の差はありますが、私が暮らしている広州の場合、1回の利用料は1.5元(約30円)で、2時間利用可能です。
1か月乗り放題プランが15元(約300円)、6ヶ月で90元(1800円)、1年で180元(3600円)です。
私は普段シェアサイクルで通勤していますが、交通費はタダみたいなものです。
東京のドコモバイクシェアの場合、最初の30分が165円で、そのあと30分ごとに165円かかるので、圧倒的に安いことが分かります。
中国は地下鉄やバスなどの交通費も非常に安いですが、恐らく税金でサポートされているのでしょうね。
外国人旅行者は、中国国民が払った税金で整備されたインフラを格安で使うことができるのでお得です。
シェアサイクルの登録方法と利用方法
日本人が利用できるシェアサイクル
中国のシェアサイクルは哈罗单车、美团单车、滴滴单车の3社です。
2025年3月現在、滴滴单车を利用できるのは中国国籍の人に限られるので、日本が利用できるのは哈罗单车(青)と美团单车(黄)です。
旅行者や出張者でも利用でき哈罗单车(Hello Bike)の登録方法と使い方についてご説明します。
美团单车の登録方法・利用方法も基本的に同じです。
哈罗单车(Hello Bike)の登録方法
Hello Bikeはアプリをダウンロードすることで使えますが、WeChat(微信)やAlipay(支付宝)のミニプログラムで登録するのが便利です。
利用するには実名認証が必要です。
事前にWeChat(微信)やAlipay(支付宝)にパスポート情報を登録して実名認証を完了させておきましょう。
Alipay(支付宝)アプリを開けると以下のトップページが表示されます。
上の画像のように、既にトップページに哈罗出行(英語版はHello Bike)が表示されている場合にはそこをクリックします。
もし哈罗出行(Hello Bike)が表示されていなければ1行下の”更多”(英語版はMore)をクリックします。
更多をクリックすると"上記の通り应用中心(英語版の場合"App Center")が表示されます。
ここでも、アプリ一覧の中にHello Bikeがあればそれをクリックしますが、なければ右上の検索ボタンをクリックします。
Hello Bikeで検索すると上記のミニプログラムが表示されますので、これをクリックします。
ミニプログラムをクリックすると、上記の画面が表示されますので、"骑行"をクリックします。"骑行"がシェアサイクルを意味します。
クリックすると、「アリぺいの個人情報を連携して良いですか?」という同意画面が出るので、同意をクリックします。
するとアリペイ内で実名認証が簡単に完了し、Hello Bikeを利用することができます。
哈罗单车(Hello Bike)の利用方法
続いて利用方法についてご紹介します。再び、"Hello Bike"のミニアプリで"骑行"をクリックします。
"骑行"をクリックすると、以下のような地図が表示されます。
黒い丸が現在地、そして青い自転車マークが自転車のある場所を示しています。
自転車を見つけたら、画面下方の「扫码开锁」をクリックするとカメラが出てくるので、そのカメラで自転車のQRコードを読み込みます。
”扫码开锁”とは「QRコードをスキャンして自転車を解錠する」という意味です。
QRコードは、上記写真の通りハンドルの真ん中にあります。
もう1箇所、椅子の直下にもあります。
Q Rコードを読み込むと、下の写真の表示が出るので、画面下部の”确认开锁”をクリックすると自転車が解錠され、乗ることができます。
下の写真の取っ手を倒すと椅子の高さを調整できます。
身長別に椅子の高さの目安を表示しているのは親切ですね。
乗り始める前にブレーキが効くかどうかを必ず確認してください。
ブレーキが効かなかったら、その場でアプリを開き”还车”をクリックしたら自転車が返却され、施錠されます。
1分以内に返却したらお金は取られません。
- 自転車にライトはありません
- ギアチェンジはできません
ブレーキに移動がなく自転車を利用し終えたら、適当なところで停車し、下記アプリ画面で”还车”をクリックします。
返却が完了したら「还车成功」と表示されます。
返却が完了したら、下記画面の「立即支付」をクリックして支払います。
支払いを完了したら終わりです。
たまに駐輪禁止の場所があり、そこでは施錠ができないので、アプリの地図を見て駐輪可能な場所まで移動してから施錠しましょう。
中国でシェアサイクルを使うときの注意事項
中国でシェアサイクルを使うときには何点か注意しなければならない点があります。
夜は乗らない
中国のシェアサイクルにはライトがありません。
夜は全員、無灯運転をしています。
非常に危険です。
中国の道は広々としていて、ついスピードを出してしまうのですが、市街地でも場所によっては街灯が少なく暗い場所があります。
向かいから自転車が来ても、お互い無灯運転なので気づかず、私は正面衝突しかけたことが何度かありました。
夜間の利用は細心の注意を払いましょう。
とにかく安全運転を心がける
中国の交通マナーは、昔に比べれば遥かに改善されてはいるものの、日本と比べたらまだ危険です。
中国では歩道をバイクが走っても良いらしいので、バイクと正面衝突したら大変です。
利用料がたったの2元(40円)程度なので対物・対人保険などもなく、歩行者を怪我させたり車を傷つけたら損害賠償を負担しなければならない可能性もあります。
日本で海外旅行保険へ加入時するに対人や対物の損害保険が付いているかを確認しましょう。
日本では中国の反スパイ法は有名で、国家機密を盗んだり中国政府の転覆を企てたら逮捕されることは有名ですが、民事トラブルが原因で出国できなくなっている外国人もいます。
外国企業の幹部がビジネス上のトラブルで出国できないケースが多いようですが、シェアサイクルでフェラーリやランボルギーニに傷をつけたり、もし歩行者を怪我させたら損害賠償が終わるまで中国から出国できなくなる可能性もあります。
非常に便利な中国のシェアサイクル
日本を観光すると、駅前の観光案内所でシェアサイクルの利用申込書を書いて利用しなければならず、少し手間だなと感じますが、それと比べると中国は本当に便利です。
大都市、中規模の都市であれば全国どこでもシェアサイクルを見かけ、旅行先でも非常に小回りが効きます。
地方都市へ行くと自転車ではなく原付のシェアが増えますが、聞いたところ中国はシェア原付も免許が必要ないらしく誰でも利用できるそうです(私は使ったことはないです)。
シェアサイクルを活用して、ぜひ快適な中国旅行・中国生活を楽しんでください。