中国大陸から香港とマカオへ旅行・出張するときの注意事項まとめ

2023年8月現在、日本人が中国大陸へ入国/入境するにはビザ(地域によってはアライバルビザあり)が必要ですが、香港やマカオへはノービザで入境できます。

中国大陸に住む日本人は日帰りで気軽に香港やマカオへ遊びに行けるのに、香港やマカオ在住の日本人が中国大陸へ遊びに来るには高額の申請費用を払ってビザを取得する必要があるという甚だ不公平な状況になっています。

社会主義に不慣れな日本人にとっては大陸の方が何かと緊張感を覚えるもので、香港やマカオへは行くときはリラックスしがちですが、大陸と同じ感覚で香港やマカオへ行った結果、色々と困ったことがありました。

そこで本記事では、中国広州在住の私が香港やマカオへ行った時に困ったこと・カルチャーショックを受けたことをご紹介します。

需要がどのくらいあるのか分かりませんが、中国大陸から香港・マカオへ初めて渡航する方の参考になれば幸いです。

ある意味では日本から直接香港・マカオへ行く場合よりもカルチャーショックが大きいかも知れません(私だけかも知れませんが...)。

そこでこの記事では、中国在住の私が香港やマカオでビックリしたことと注意事項をご紹介します。

香港に関しては大した問題はなかったのですが、マカオに関しては言いたいことが山ほどあり、正直愚痴っぽくなっているところもありますがご容赦ください。

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香港・マカオ共通の注意事項

香港の夜景

まずは香港とマカオに共通する注意事項をご紹介します。

外国人は香港やマカオでWeChatPayやAlipayを使えない

外国人は、中国大陸の外でWeChatPay(微信付款)や大陸版Alipay(支付宝)を使うことができません。

外国人が中国国内から不正に海外送金することを防ぐ目的だと思われます。

日本や欧米の報道では「一国二制度は形骸化している」と言われますが、こういう点は一国二制度がキッチリ運用されていますね。

私が最も焦ったのは、福田口岸経由で深圳から香港へ入った時のことでした。

福田口岸(羅湖口岸も)の香港側は一般人立入禁止の地域で、地下鉄の駅から外へ出ることができず、地下鉄に乗る以外の選択肢がありません。

中国人であれば、WeChatPayやAlipayで地下鉄の切符を買って乗ることができます。

しかし外国人はWeChatPayやAlipayを使えず、クレジットカードも使えなかったので、現金で支払うしかありません。

そこでATMを探したところ、福田口岸(落馬洲駅)には改札の外にATMがなかったのです。

つまり現金を引き出すことができません。

慌てたのですが、下の階へ行ったら両替所があり、幸い手元に人民元の現金を持っていたので、香港ドルへ両替して切符を買うことができました。

羅湖口岸(羅湖駅)の場合には、改札の内側にATMを発見しましたので、クレジットカードのキャッシング利用かデビットカードで現金を引き出せます。

なお高鉄の西九龍駅はそのまま改札の外へ出られるので安心です。

中国ではスマホ決済が当たり前なので、その感覚で現金もクレジットカードも持たずに香港へ入ってしまうと“Cash Only”の表示に面食らうことになります。

その場合には香港領事館に助けを求めるか、駅員に事情を説明してどうにかしてもらうしかありません。

どこの口岸でも深圳側に両替所はありますので、香港へ入境する時には必ずクレジットカードか香港ドルの現金を準備しておきましょう

広州や深圳からは日帰りで気軽に香港へ行けますが、中国大陸の感覚でスマホだけ持ってフラッと香港へ入ると大変なことになります。

香港・マカオはコンセントの形状が日本や中国大陸とは異なる

中国大陸は日本とコンセントの形状が同じAタイプ(Oタイプもある)なので、プラグの変換は必要ありません。

しかし香港ではBFタイプ、マカオはBFタイプ、Cタイプ、B3タイプなので、変換プラグがないと充電できません。

予め、全世界対応マルチプラグを用意しておくと便利です。

中国大陸に住んでいると「香港やマカオは中国の一地域」と日々言われているので忘れがちですが、一国二制度をナメてはいけませんね。

香港は返還後50年の2047年に大陸へ統一されるようですが、もし本当に統一されたらコンセントの形状も統一するのでしょうか・・・?

携帯電話がローミング扱いになる

中国大陸と香港・マカオでは携帯電話のキャリアも異なり、大陸のSIMカードを香港やマカオへ持っていくと国際ローミング扱いになります。

国際ローミングは中国国内の通信よりも費用がかかるので、私は大陸から香港へ入境した瞬間に残高不足で通信を使えなくなってしまったことがありました。

チャージをしようにも、ネットに接続できないのでチャージができません。

しかも、中国のSIMカードは香港やマカオでもGoogleやLINEには接続できず、VPNが必要です。

こういう事態を防ぐためには、日本で楽天モバイルに契約しておくのがオススメです。

中国大陸でもLINEやGoogleを利用することができますし、香港やマカオでもそのまま使えますし、他の多くの国で使えるので、頻繁に海外出張や海外旅行へ出かける方にはオススメです。

公式サイト:【楽天モバイル】

楽天モバイルを持ってない場合には、大陸から香港・マカオへ入境した時に残高不足にならないよう多めにチャージするか、深圳・珠海で香港やマカオのSIMカードを購入するのが良いです。

外国人は出入境にとても時間がかかる

中国大陸と香港・マカオを往来するときには国境審査に似た出入境審査がありますが、これが一番ウンザリしました。

珠海からマカオへ行くとき、中国人のゲートは50列くらいあったのですが、外国人ゲートは1列しか用意されておらず、ビックリするほど待たされます。

特に長期休暇は大行列で、私は2023年6月の3連休にマカオ旅行をしたのですが、ホテル代を節約するために中国大陸側の珠海市内にホテルを取りました。

マカオと中国大陸を出入りするたびに毎回1時間以上待たされたので、とても無駄な時間を浪費してしまいました。

とはいえ、マカオのホテルは安くても10,000円以上はしますが、中国大陸側(珠海)であれば4,000円程度で泊まれるので悩ましいところです。

但し、E-channelの登録をすることで、通常であれば30分以上かかる出入国手続きが僅か10秒で完了します。

E-channelの登録は、中国国内に180日以上滞在することのできる居留許可を有していることが条件です。

外部のブログですが、E-channelの登録手続詳細についてはこちらのブログで詳しくまとめられています。

中国大陸からマカオへ渡航した時の注意事項

マカオ

ここまでは香港・マカオ共通の注意事項でしたが、ここからはマカオ特有の注意事項をご紹介します。

マカオでは香港ドルも使えるがレートは不利

マカオ

マカオにはパタカという独自の通貨がありますが、香港ドルも利用することができます。

但し1香港ドル=1.03パタカなので、香港ドルを使ってしまうと少し不利になります。

マカオパタカを香港や大陸で使うことはできないので、マカオに短期滞在するのであればわざわざマカオパタカを両替するのはもったいなく、香港ドルを使ってしまうのが良いでしょう。

一方、マカオに長期滞在する場合や、マカオで高額の買い物をする場合にはマカオパタカへ両替した方がお得です。

例えば、100万香港ドルをそのままマカオで使っても100万パタカ分の買い物しかできませんが、100万香港ドルをパタカへ両替すれば103万パタカになり、3万パタカ(約5.1万円)お得になります。

「塵も積もれば・・・」で、パタカをたくさん使うのであれば、パタカへ両替してから使った方がお得です。

上記写真の自販機のように、香港ドルだけでなく人民元をそのまま使える場合もありますが、全て人民元:香港ドル:マカオパタカ=1:1:1のレートで計算されるので、マカオで人民元を使うと香港ドルよりも更に不利になります。

両替については、マカオに入る前の高鉄珠海駅の近くにたくさん両替屋があります。

マカオの移動手段は基本的にバスのみ

マカオは狭いように思えますが、約30㎢あり、大阪環状線の内側と同じくらい、そして東京の山手線の半分くらいの面積があるため、徒歩で回るには少し広いです。

中国大陸であればタクシー配車アプリ(滴滴)やシェアサイクルで気軽に移動できますが、マカオにはUBERなどはないようです。

地下鉄はなく、流しのタクシーは供給不足でなかなか捕まらないので、バスで移動するしかありません。

※タイパ島にはLRTがありますが、観光の中心地であるセナド広場付近には走っていません。

カジノで賭博だけ楽しんで帰りたい場合には、各ゲートからホテルへ送迎バスが出ているので、それを利用すれば大丈夫です。

ただ観光をしたい場合、バスのルートは複雑で、Googleマップか百度地図を駆使してルートを検索しなくてはなりません。

マカオのバスはお釣りが出ない

マカオ バス

写真を見て頂けば分かるように、マカオのバスの運賃回収箱にはお釣りがでてくるところがありません。

お釣りが発生しないようピッタリのお金を用意しておかなければなりません。

マカオのバスは1回6パタカです。ただ、マカオへ入境する前にパタカの小銭を用意するのは難しいので、事前の香港旅行で小銭を崩しておき、香港ドルで払うのがお勧めです。

もしくは、マカオパス(Macau Pass / 澳门通)というICカード(日本でいうSuicaやICCOCAのようなもの)を買うのがお勧めです。

マカオカードを使う場合、1回3パタカでバスに乗ることができます。

但し、珠海から入境した場合には売っている場所が限られおり、売り切れの場合があります。

マカオでは中国大陸のデビットカードで引き出す時に身分証が必要

香港で香港ドルが必要な場合、街中いたるところにあるATMに海外のデビットカードを入れて金額と暗証番号を入力すれば簡単に香港ドルを引き出すことができます。

私は中国在住なので、中国大陸の銀行口座と紐づけられたUnion Pay(銀聯カード)で引き出しています。

ところが、マカオのATMでUnion Payを使ってマカオパタカを引き出そうとしたところ、「二代身分証をスキャンしてください」と指示され、外国人はパタカを引き出すことができませんでした。

マカオで中国の銀行口座から引き出すには大陸の身分証が必要なようです。

しかも、カードがATMに吸い込まれた後キャンセルすることができませんでした。

銀行内のATMだったので、警備員やスタッフを呼んで「カードが没収されて戻ってこないんですけど?」と言ったのですが、警備員もATMを叩いてみたりする(昭和のテレビか・・・)だけで何もできず、スタッフからは「待ってれば大丈夫」と言われました。

結局5分くらい待ったら自動キャンセルされカードが戻ってきました。

VISAのデビットカードで日本の銀行口座からお金を引き出せるのか試したかったものの、カードが戻ってこなくなるのが心配で試しませんでした。

英語の表記が少なく、ポルトガル語表記

マカオ ポルトガル語

マカオが1999年までポルトガル領だったのは知っていましたが、中国へ返還された現在でもポルトガル語はマカオの公用語として使用されているようです。

・・・ということは知識として知っていましたが、実際にどのくらい使用されているのかは行くまで知りませんでした。

今でもポルトガル人が住んでいて街中でポルトガル語が聞こえるのかと思いきや、そんなことはなく、街角では広東語しか聞きません。

調べたら、ポルトガル語話者は0.7%から1%くらいしかいないそうです。

ところが、マカオの街中の看板やバスの行先などはポルトガル語のオンパレードで、これはかなり驚きました。

私は珠海に宿泊してマカオのホテルには泊まらなかったので、マカオのテレビは見ていませんが、今でもポルトガル語の放送が流れているそうです。

ポルトガル語があるのは構わないのですが、困るのは英語の表記が少ないことです。

Google Mapで英語の地名を入力してもポルトガル語で表示されたりするので、分かりづらく調べづらい印象を受けました(中国語で調べた方が分かりやすかったです)。

今ではポルトガル語を話しているマカオ人は極めて少ないのに、未だにポルトガル語を大事に守っているのは何故なんでしょうね。

マカオ ポルトガル語

英語は実質的な世界共通語なので、香港人が返還後も英語を使い続けるのは理解できるのですが、誰も話していないポルトガル語を守ってどうする?というのが率直な感想でした。

ベトナムやカンボジアへ行っても旧宗主国のフランス語は殆ど使われていませんし、マカオもそのような状況かと思っていたのですが、不思議な感じでした。

しかしマカオに住んでいる人に聞くと、マカオの人達にとってポルトガル語は小さいころから慣れ親しんだもので、中国へ返還されたからと言って簡単に捨て去って良いようなものではないそうです。

観光客からすると英語で表記してくれた方が分かりやすいのですが、ポルトガル語と繁体字中国語の併記というマカオでしか見られない光景も、異国情緒が感じられ、観光資源にもなるようです。

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珠海からマカオへ入境した時の中心部への移動方法

香港の場合は、深圳から入境したあと地下鉄で移動すれば中心部へ到着するのですが、マカオの場合は少し分かりにくいので補足で説明します。

大陸側からマカオへ行く場合、高鉄の珠海駅で降り、「澳门(Macau)」と書かれた看板に沿って歩くと、徒歩5分くらいでマカオへの出境ゲートへ着きます。

出入境手続きを経るとマカオへ入りますが、このゲートはマカオの中では辺境の地にあたるので、バスでマカオの中心地へ移動する必要があります。

マカオ

マカオへ入ると、上の写真のような場所に出ますが、ここを左へ進むと各ホテル(カジノ)が運営する無料シャトルバスのターミナルがあります、右へ進むと路線バスのターミナルがあります。

左へ進んだ先にあるホテルの無料シャトルバスのターミナルは下記の写真の通りです。

マカオ

ホテルの宿泊客ではなくても無料で利用できるシャトルバスなので、ホテル名をGoogle Mapか百度地図で検索して乗れば目的地のホテルへたどり着きます。

例えば葡京酒店であればマカオ観光の中心部(セナド広場など)まで行くことができます。

一方、先ほどの場所を右に曲がると下の写真のように行先別にバスの路線名が書かれているので、乗りたいバスを調べます。

マカオ ゲート

ここを道なりに50メートルくらい進むと、地下へ降りるエスカレーターがあるので、そのエスカレータを下りたら路線バスのターミナルがあります。

マカオ 路線バス

バスターミナルの中心にある自動販売機ではマカオカードが売られています。

マカオ 路線バス

バスの案内所もあったのですが、その案内所ではマカオカードを売っておらず、「自販機で買ってくれ」と言われました。

このバスターミナルを隅々まで歩きましたが、この自販機以外でマカオカードは販売していないようです。

しかし上記の写真の通り、私が行った時は売り切れで買うことができず、(写真に写っている商品はマカオカードではなく、何かのグッズです)。

仕方がないのでだいぶ歩き回ってセブンイレブンで買いました。

コンビニで買うマカオカードは、最初に130パタカを支払います。100パタカがチャージされており、30パタカ分はデポジットで、マカオカードの返却時にデポジットは戻ってきます。

セブンイレブンはかなり遠かったので暑い日などは大変で、現金でバスに乗った方が良いです。

ただマカオに来てすぐの旅行者はせいぜい100パタカ札しかもっていないはずで、6パタカコインなんて用意できないと思うので、香港でお金を崩して6香港ドルをマカオへ持ってくるのが良いのかも知れませんね。

私が自販機でマカオカードを買おうとしたのは朝でしたが、同じ日の夕方にこのバスターミナルへ戻ってきたときも売り切れでした。

この自販機は更に強烈な問題があります。

マカオ

「一度入れたお札は戻りません」ということです。そんな自販機って聞いたことありますか?

自販機ではマカオカードが100パタカで売られている(デポジットが30パタカでチャージが70パタカ)のですが、例えば手元に50パタカと20パタカ2枚と10パタカ1枚があったとしましょう。

90パタカまで投入して、残りの10パタカがシワシワで読み取り不可だった場合、既に投入した90パタカは没収されて返却されないのです。

実際に私は別の自販機でこういう問題に直面して、90パタカ(約1600円)を次の客に寄付する羽目になってしまいました。

少し愚痴っぽくなりますが、マカオはこういうところが良く言えばのんびりしていて、悪く言うと全体的に間が抜けていてイライラします

中国大陸も香港も合理主義で快適ですが社会のプレッシャーが強そうなのに対して、マカオは本当に南国気質でのんびりしている印象です。

私はポルトガルには行ったことがないのですが、ポルトガルってこんな感じなんでしょうか...

私はインドに住んでいたので、インドではこういう問題に慣れていたのですが、マカオではインドほど覚悟を決めていなかったので困りました。

さて、マカオの市内から珠海へ戻る時は、行先に關閘(Boarder Gate)と書かれたバスを探しましょう。

「關閘」は見慣れない漢字ですが、日本語ではカンコウ、中国語ではGuan1 Zha2と読むようです。

中国大陸とは勝手が違う香港マカオ

マカオ

日本など海外では「一国二制度は形骸化している」と言われますが、中国大陸から香港マカオへ行くと、やはりまだまだ別世界だなと感じることが多いです。

大陸での生活や旅行に慣れてしまった私が香港・マカオへ行って色々なカルチャーショックを受けたので、同じような方がいるのではないかと考え今回の記事を作成しました。

香港については【香港】2023年の物価や生活環境【移住希望者必見】の記事でもご紹介しています。

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