日本(特に東京)で働いていると、ウンザリすることがたくさんあると思います。
- 遅刻は1分でも許さないが2時間を超える残業を求める企業文化
- 長い通勤時間と激しい通勤ラッシュ
- 家賃を筆頭とする高い生活費
地方へ行けば物価が下がるものの、仕事が見つからない地域も少なくありません。
生き急がずに暖かいところでのんびりと暮らしたい、そんな方にはタイ、マレーシアへの転職をオススメします。
私はインドで1年ほど働いているのですが、転職先の国を検討するときにタイやマレーシアも検討しました。
タイやマレーシアへ就職した日本人の多くが「生活の満足度が格段に向上した」と言っており、生活の満足度を上げたいならタイかマレーシアへの就職をオススメします。
- 街が発展している
- 日本の物が揃っている
- 物価が安い
この記事を読めば、タイかマレーシアへの就職で生活の満足度が向上する理由が分かります。
Contents
過ごしやすい国の条件
私は、過ごしやすい国の条件は以下の3点ではないかと考えています。
- 街が発展している
- 日本のものが揃っている
- 物価が安い
街が発展している
いくら毎日の仕事が早く終わってワークライフバランスが取れる環境でも、ある程度発展していないとストレスが溜まります。
私はインドに住んでおりワークライフバランスの取れる環境で働いていますが、頻繁に停電があったり道路が穴だらけで歩けなかったりと、日々ストレスの連続です(詳しくはインド駐在・インド就職を始めてインドの生活で苦労すること8選をご参照ください)。
日本の物が揃っている
そして、日本のものが揃っていることも重要です。欧米の先進国へ行っても、国によっては日本の物が揃わず「味噌汁が飲みたい」「梅干しが食べたい」といった事態になりかねません。
欧米へ留学した人がホームシックになってしまうのは、ここが原因ではないかと思います。東南アジアは日本からの距離が近く日本の影響力を強く感じるので、東南アジアでホームシックになったという話はあまり聞いたことがありません(中国では聞いたことがあります)。
残念ながら日本の影響力が強い地域は東アジアと東南アジアに限られます(インドまで来ると全く日本の影響力は感じられません)ので、過ごしやすい国といえばこのエリアに限られます。
物価が安い
豊かな暮らしを送るには物価が安いことも大切です。
香港やシンガポールはタイやマレーシア以上に発展していて日本の物も何でも揃っていますが、物価が極めて高いので、強いプレッシャーの中で猛烈に稼がなければなりません。
物価の中でも家賃の高さはズバ抜けていて、香港の場合は築数十年で3畳1間、しかもトイレの便器の上にシャワーがあり流しの下に洗濯機があるという極小物件ですら10万円以上することが珍しくありません。
たくさん給料を稼いでも家賃に消えていくので、香港やシンガポールに住んでいる人たちが家に対して抱えるストレスは半端なものではないようです。
ルームシェアをするとある程度抑えられるものの、キッチンなどが共用だと何かと気を使うので、それがストレスになる人も少なくないのではないでしょうか。
住みやすい国の条件を全て満たすタイとマレーシア
さて、以上の3つの条件を全て満たしているのがタイとマレーシアではないかと思います。
実際、一般財団法人ロングステイ財団によると、ロングステイの希望国としてマレーシアは13年連続で第1位、タイは8年連続で第2位だそうです(参考URL:「ロングステイ希望国・地域2018」トップ10を発表)。
DACOという、タイで配布されているフリーペーパーの第493号(2018年11月20日号)によると、タイで働く日本人現地採用のなんと85%が「日本よりタイの方が住みやすい」と回答したそうです。
私もタイで働く現地採用から
と聞いたことがあります。
定年後の移住先としても人気がありますが、海外就職をすれば定年まで待たなくてもタイやマレーシアに移住できます。
タイ・マレーシアが上述した3つの条件を満たしていることを確認しましょう。
なお「タイ・マレーシア」といっても、大多数は首都のバンコクとクアラルンプールで過ごしているため、以下はその前提で書きます。
街が発展している
首都のバンコク、クアラルンプールであればメトロも発達し、大型のモールが立ち並んでおり非常に便利です。
こちらはタイのバンコクのプロンポンにあるモールです。
こちらはマレーシアのクアラルンプール、ブキッ・ビンタンにあるモールです。
いずれも新しくピカピカで、日本の都心にあるデパートや駅ビルと比べても全く遜色ないのではないでしょうか。
日本の物が揃っている
バンコクは日本人が4万人近くいるようで、街を歩けば至るところから日本語が聞こえます。
プロンポンという駅で降りると、タイ語より日本語の方が多いのではないか?というほど日本語が目に飛び込んで来ます。
そして、フジスーパーというスーパーへ行けば日本の食料品はほぼ全て手に入ります。
クアラルンプールにも伊勢丹や巨大なイオンモールがあり、バンコクのフジスーパーと同様に日本の食材は何でも入手可能です。
紀伊国屋へ行けば日本の書籍も販売されており、日本と全く区別がつきません。
物価が安い
私はタイ・マレーシアに暮らしているわけではないので、住んでいる人達からの聞きづてになりますが、月に10万円もあれば豊かに暮らすことができます。
現地採用の最低賃金は(コールセンターなど一部を除き)タイもマレーシアも約15万円からなので、少なくとも単身であれば仕事に困るということはないはずです。
家賃は5万円ほどで比較的綺麗なコンドミニアムに住むことができます。
ローカルの食べ物は100円程度でも美味しく食べられるので、ローカルのものを取り入れることで節約も可能です。
日本人向けの求人が多い
タイとマレーシアが日本人にとって居心地の良い国であることはご理解頂けたかと思いますが、もう1つポイントがあります。
それは、日本人の求人が多いということです。
住み心地が良いという点では台湾なども当てはまるのですが、ワーキングホリデービザでくる日本人が多いことなどもあり、日本人の求人はタイやマレーシアに比べると多くありません。
タイやマレーシアは人気の高い国のため競争も激しいですが、企業数も多いため様々な求人があります。
タイとマレーシアの違い
ここまでタイとマレーシアが暮らしやすい理由をご説明しましたが、一方でタイとマレーシアには違いもあるので、どちらが良いか迷っている方は参考にしてください。
タイはマレーシア以上に日本っぽい
マレーシアでも日本のものは十分に手に入るのですが、タイのバンコクが断トツです。バンコクの中心部を歩くと、日本と見間違えるほどです。
こちらの写真はシーロムというエリアですが、別に日本人街という訳ではありません。それでもこのように日本の看板だらけです。
プロンポンやアソークという中心エリアへ行くと、もっと平仮名や片仮名を目にする機会が多いです。全ての路地に日本語が書かれていると言っても過言ではありません。
街中の至る所にセブンイレブンやファミリーマートがあるのはもちろん、すき家、リンガーハット、大戸屋など、特に一生懸命探さなくても散歩するだけですぐ日本のチェーン店が見つかります。
こちらもバンコクの居酒屋ですが、日本語しか書かれていませんよね?
クアラルンプールは流石にここまで日本だらけではないです。クアラルンプールで日本人が多く住むのはモントキアラという地域ですが、中心部からは少し離れています。
クアラルンプールで日系のお店に行こうと思ったらGoogle Mapで調べて行く必要があるので、何も調べず散策しただけで次々と日本のお店を発見するバンコクとは異なります。
とはいえ、一部の駅には日本語の表記もあります。
バンコクは日本の物が多すぎるので、エキゾチックさを求める方には物足りないかも知れません。
後述しますが、クアラルンプールは中国やインド文化の影響が強いので、異文化に囲まれた環境で暮らしたい方にはクアラルンプールの方がオススメです。
マレーシアの方が英語が通じる
タイは欧米による植民地支配を受けておらず、日本と同じように戦前から独立を保ってきた数少ない国です。
従って、タイの社会はタイ語で成り立っており、タイの国民は日本と同様に日常生活で英語を使う機会は多くありません。
一方のマレーシアはイギリスの植民地支配を受けていました。植民地時代に中国やインドから大量の移民が渡ってきましたが、異民族同士の共通語として英語が使われてきたので、英語を日常生活で使う機会はタイよりも多いです。
マレー語の影響力も強く、シンガポールに比べると英語が少し弱いようですが、日常生活を送る分には英語だけで全く不自由ありません。
英語力を鍛えたい方にはマレーシアの方がオススメです。タイの生活はタイ語が少しできた方が便利ですが、バンコクだけで日本人が4万人近くもおり日本語だけで必要な情報はほぼ収集できます。
日本語で快適に暮らしたい方はタイが良いかも知れません。
マレーシアの方が多文化社会
タイは仏教国で、タイ国民は多くが上座部仏教徒です。
それに対しマレーシアは中国語を話す中華系(主に大乗仏教)、タミル語を話すインド系(ヒンドゥー教徒)、マレー語を話すマレー系(イスラム教徒)がおり、それぞれが混ざり合わずに共生しています。
こちらはクアラルンプールの中華系住民の市場ですが、中国そのまんまです。
一方、インド住民が通うヒンドゥー教徒寺院は私が住んでいるインドのチェンナイそのまんまです。
余談ですが、マレーシアとシンガポールのインド系は私が住んでいるタミルナドゥ州からの移民が多いおため、言語はインドの共通語であるヒンディー語ではなくタミル語を話し、街でもタミル文字をよく見かけます。
チェンナイからクアラルンプールへ遊びに来ると、インドと全く同じ光景を目の当たりにして変な気分がします。
日本とインドは同じ地球上にあるのが信じられないほど全く違うのですが、クアラルンプールへ来ると日本と全く変わらない伊勢丹や紀伊国屋の側にインドと全く変わらないヒンドゥー寺院やインド料理店があるので、頭が混乱します。
バンコクの方が中心部にまとまっている
バンコクは中心地へ行けばBTS+徒歩でほぼ全ての用事が済みます。プロンポンエリアが日本人の多いエリアですが、生活に必要な物はほぼ全て揃います。
一方的、マレーシアは色々なものが広域に分散しており車がないと少し不便かも知れません。
バンコク中心部に勤務している現地採用者は電車通勤が多いようですが、クアラルンプールの現地採用者には車が割り当てられるケースも多いようです。
しかも、マレーシアはインドやインドネシアに比べると発展しているため、現地採用の場合はドライバーは付かず自分で運転しなければならないケースが多いのだそうです。
住むには快適なタイとマレーシア
以上、タイとマレーシアでワークライフバランスを実現して生活の満足度を上げられる理由をご説明しました。
タイとマレーシアで就職するときに1点注意があります。コールセンターや法人営業などで全く英語を使わない仕事だと、日本へ帰国したいときに転職で苦労する可能性があります。
という方もいるかも知れません。ただ実際には、現地採用同士で結婚をして子どもができた後、子どもをインターナショナルスクールや日本人学校へ通わせられる学費を捻出できず、仕方なく日本へ帰国せざるを得ないというケースもあるようです。
タイやマレーシアへ移住するときには、ぜひ将来的なキャリアプランを練ってから行動してください。