インド在住の私が日本への一時帰国で受けた逆カルチャーショック6選

先日、インドへ移住後初めて日本へ一時帰国しました。インドへ移住してから約10ヶ月経ちますが、久しぶりに日本へ帰ると逆カルチャーショックを受けることが色々あり、知らない間に自分の感覚がインド化していたことに気づきました。 

そこで、インド在住の私が日本で感じたカルチャーショックについて、良かった点と悪かった点に分けて整理してご紹介します。

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日本で感動したこと

当たり前のことではありますが、とにかく日本は綺麗で仕事が丁寧です。

マクドナルドで注文したものがすぐに出てくる 

インドのマックでは、たとえ客が1人も並んでおらず、スタッフが10人近くいる状況でも、注文したものが出てくるのに15分はかかります。

インド人はフィリピン人のようにサボって談笑しているけではなく、真面目にコツコツと”仕事らしいこと”をしているようなのですが、何故か時間がかかります。

仕方がないので、インドの場合は、注文後に席で待って”Sir”と呼ばれるまで席で待ちます。

私はこの状況が当たり前になっていたので、日本のマックでハンバーガーを注文したときも呼ばれるまで席で待とうとしました。

ところが、席へ向かって3歩ほど歩いたところで「お客様!」と呼び止められ、振り返ると既にオーダーしたものが準備できているではありませんか! 

あまりの速さに衝撃を受けましたが、冷静になるとそんなことに驚いている自分に驚きました。

どこにいても物に困らない

日本では21世紀に入ってからイオンモールなどの巨大なショッピングモールが次々と出現して個人商店が消滅し、多くの地方の駅前はゴーストタウンのようになっています。

ところがインドでは個人商店がまだまだ幅を利かせており、多くのインド人は個人商店で日用品を購入します。しかし個人商店というのはどこに何の店があるのか外国人には分かりづらいため、結果的に外国人は大きなショッピングモールで必要な日用品を購入します。

しかしチェンナイの場合にはショッピングモールがどこにでもあるわけではなく、私の住んでいるところからは車で20-30分乗っていかなければなりません。

インドにコンビニというのは基本的にないので(似たようなものがあるにはあるのですが、数は極めて少ないです)夜中に歯ブラシを買いたいとか、ガムテープを買いたいなどといった場合にはどうしようもありません。

朝まで待って買いに行くしかありません。 

日本へ来ると、ちょっと小腹が空いたとか、夜中に緊急で何かが必要になった場合、よほどの山奥でなければコンビニへ行けば手に入ります。地方であっても、車で数十分走ればコンビニはあるのではないかと思います。

インドでは「必要な物はすぐ手に入らないから、計画的に購入しなければならない」というプレッシャーがあるのですが、日本へ帰ってそのプレッシャーから解放されたのは清々しい気分でした。

何もかもが清潔 

インドは水も空気も設備も最悪に汚いですが、改めて日本へ来ると全てが綺麗だと感じます。

インドは今が高度経済成長期なので、昭和の日本のような公害問題が多数発生しています。 

海外では水道水は飲めませんが、インドの水道水は次元が違い、錆びた赤い水が出ることもあるので、とても飲めません。私はうがいもペットボトルの水でしています。

空気についても、チェンナイはインドの中では比較的マシな方ですが、それでも大通りを歩いているとすぐに喉が痛くなります。

日本在住時に海外旅行から帰って来た時も日本は清潔だと感じましたが、インドで10ヶ月過ごしてから帰国した今回受けた印象は次元が違いました。

インドの方が良いと感じたこと

一方で、日本へ帰って「よく日本にいた時は我慢していたなぁ」と感じることもあります。

長時間労働

東京で街を歩いていたら「わたし、定時で帰ります」というドラマのポスターを見かけましたが、このタイトルに衝撃を受けました。

インドでは定時で帰るのが当たり前で、残業が発生するのは特殊な場合(経理の場合は決算期など)のみです。 

「わたし、定時で帰ります」というのは、「わたし、毎日歯を磨きます」「わたし、お酒を飲んだら車を運転しません」というのと同じくらい当たり前の話で、「何を言っているんだ」という感じがしました。

私は日本では3社経験していましたが、確かにいずれも月に45時間近く残業することが多かったです。しかし、縄文時代や江戸時代の労働時間は1日4時間程度という話もあり、1日8時間ですら働きすぎではないかと思います。 

日本で深夜残業になると、夜ご飯も遅くなります。前々職では夜7時ごろに一旦仕事を止めて夜ご飯を食べに行ったりしていましたが、前職では昼ご飯を12時に食べた後は夜10時までぶっ通しで(途中でお菓子かオニギリをつまむ程度)仕事をしていました。 

この不規則な食生活は非常に健康にも悪いですし、人類の歴史全体から見るとかなり異常な状況だと思うのですが、この日本の(東京だけ?)状況が異常だという感覚がないことに改めてカルチャーショックを受けました。

通勤ラッシュ

これは日本でも東京限定の話かも知れませんが、日本の通勤ラッシュは凄まじいです。私は東京生まれ東京育ち、日本での勤務地はずっと東京で、中学の頃からずっと通勤ラッシュには慣れていました。 

ところがインド(チェンナイ)での生活に慣れると、通勤ラッシュで非常に体力を消耗することに気がつきました。

今回の一時帰国ではテレビ会議などで一部仕事もしたものの、基本的には役所手続きをしたり買い出しをしたりと、自分の用事が中心でした。しかしそれでも通勤ラッシュでは疲労困憊しました。

毎日8時間も10時間も働いてから通勤ラッシュに1時間以上も乗って帰るというのは今からすると信じられないことです。

インドではどこへ行くにも家の前までドライバーが来て目的地までドア to ドアで連れて行ってくれ、しかも常に(スーパーの買い物ですら)ドライバーが荷物を運んでくれる生活が当たり前になっていました。

日本へ来て自分でスーツケースを持ち運びながら駅を歩いたり電車に乗ったりすると「日本の生活ってこんなに大変だったっけ」と不思議に感じました。

知らない間にお金がなくなっている

 インドでは飛行機で旅行でもしない限り、節約しているつもりはないのにお金が貯まります。もともと物価が安い上に、お金を使おうにも買いたいものもなく、お金を使う場所もないからです。

 ところが日本へ行くと、強い意志を持たなければどんどんお金が減っていきます。電車でちょっと移動しただけで200円、300円と取られていきます。

 インドでは20リットル100円というタダ同然で買った水を水筒に入れて持ち歩いて飲んでも何とも思いませんが、不思議なことに日本で水道水を水筒で持ち運んで飲むと非常にみじめに感じます。

日本でスタバのコーヒーやペットボトルのお茶を我慢するのは強靭な精神力が必要ではないでしょうか。

インドには、依存症や無駄遣いを強制的に辞めるための環境が整っているとも言えます。

また日本ではケーキやパンが並んでいるとどれも美味しそうに見えてつい買いたくなってしまいますが、インドのショーケースに並んでいるパンやケーキを見ても全く購買意欲はそそられません。 

それだけ日本は便利だということですが、日本では消費者にお金を使わせることについてよく研究されていると実感します。

日本へ帰国すると、改めて日本とインドの生活環境が全く違うことを実感します。インド移住を検討されている方の参考になれば幸いです。

実際のところインドの生活で苦労することについては下記記事をご参照ください。

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