柿ピーさんは、インドでの生活や仕事についてTwitterで積極的に発信しています。
特に、20代前半から海外就職にチャレンジしたいと思う方にとっては参考になる発信が多くフォローをオススメします。
23歳OLがTOEICスコアなしで海外転職してみたら本当にやっていけるのか体当たりで検証している話|柿ピー @husyouhei1886|note(ノート) https://t.co/YOH1Sg2PkU
よくわからないまま初ノート書いてみた。また色々修正する気がしますが、とりあえず投稿してみます。— 柿ピー@インド現地採用🇮🇳 (@husyouhei1886) January 20, 2019
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第2新卒でインドへ
海外に興味持ったのは高校の修学旅行でロンドン・パリへ行ったときです。
私は田舎に住んでいたので外国に興味を持つ機会がなかったのですが、ロンドン・パリが思ったより楽しかったので興味を持ちました。
大学受験のときは「今から英語専攻は難しいな」と思ったので、英語以外の言語で絞って受験しました。
フランス語と中国語が合格し、実家から通えるフランス語の専攻に進学しました。
大学時代には1年くらいパリへ留学しました。
パリでは貧乏生活を過ごし、食べるものもなく味付けなしの茹でただけのパスタを食べたりもしました。
フランス語を学べたこと自体は良かったのですが、社会のルールを分かってなかった私は就活のタイミングになって初めてフランス語だけでは就職口がないということに気がつきました。
英語はフランスでの生活で補助的に使っていますが、英語力は中学生レベルでした。
そこで、新卒のときは海外とは関係のない会社に就職することになりました。
東南アジア進出の予定があると聞いていたので、それまでに勉強すれば良いと思っていました。
ところが入社後に「東南アジア進出はしばらくない」と言われましたので、海外へ転職することにしました。
新卒での海外就職も検討しました。
しかしパリの留学時に会った社会人の方の中には「日本へ帰りたい」と言っていた方もおり、海外就職の厳しさも分かっていました。
私の性格的にいきなり海外就職をしたら耐えられないと感じたので、新卒は手厚い研修のある日本で就職し、第2新卒で海外へ行こうと思いました。
実家の都合もあったので最初は東南アジアで何となく考えていましたが、英語があまり話せないので、全然選考に引っかかりませんでした。
そのとき、ある人に「インドだったら求人があるよ」と言われたので、「インドかぁ、ありだな」と思いました。
そしてインドのエージェントに勧められるがままに営業から事務から、業種・職種にこだわりなく受けました。
インドの良いところは東南アジアと比べて日系大手の求人が多く、一方でインドを希望する求職者が少ないため、インドの方がチャンスがあると思ったためです。
私はヨーロッパと韓国しか旅行をしたことがなく、正直なところインドには不安があったので事前に下見をしました。
2~3日ほど、下見を兼ねてインドへ面接を受けに行きました。
実際にインドを訪れると、サウスポイントモールというモールや大和屋という日本食材屋なども揃っていて、「全然暮らせるじゃん」と思いました。
フランスで外食をするとどんなに安くても700〜800円くらいはしますが、インドのローカルフードなら100円程度で済ませられるのも魅力的です。
ローカルフードを食べて、たまに日本食を食べればインドで暮らせしていけると思いました。
インドはSkypeだけで完結する会社が多いため、面接で「インドへ行きます」というだけで印象が良く、選考が進みました。
一生インドに住むか?と言われたら、そうでもありません。
インドでの生活はきついだろうと思ってはいましたが、2〜3年インドにいればどこにでも住めるようになると思いました。
そこで、まずインドで経験を積んでからマレーシアなどもっと住みやすい国に行ければいいと思いました。
またフランスの留学生活では「家があるホームレス」みたいな悲惨な生活をしていたので、インドの生活が多少きつくても大丈夫だろうと思いました。
タイ、マレーシアやシンガポールの快適さを知らなかったのが良かったのかも知れません。
物価が安くて快適な東南アジアを知ってしまっていたらインドの環境に耐えられなかったかも知れませんが、私は東南アジアを知らなかったので「インド人も文明的な生活をしてるじゃん!」と思いました。
英語はあまり喋れませんでした。
1次面接は日本語で上司が対応し、2次面談はインド人から殆ど会社の概要説明を受けただけで、2〜3回会話をしただけだったので実質的に語学チェックはありませんでした。
- 海外経験は先進国フランスでの留学経験だけだが、途上国のインドで暮らしていけるか?
- これまで英語は使ったことがあるか?
- なぜ今の仕事を選んだのか?
- あなたはどういう人か?
とにかく「本当にインドでやっていけるのか?」を念入りに聞かれました。
それに対しては、パリでの生活が非常に貧乏で悲惨だった話をして、インドでもやっていけることを納得してもらいました。
もちろん、先進国であるフランスで底辺の生活をするのと、途上国であるインドでちょっといい生活するのとでは辛さが違うと思いますが、インドでやっていけそうか確認するためにインドまで面接を受けにきたことを説明しました。
日本の仕事で身につけた「年配の方とのコミュニケーション能力」を活かせそうだと思ったこと、また上司が良く福利厚生も充実していたことです。
日本では宅内WiFiの開発や設置、営業などをしていた情報通信系の会社に勤め、設置工事やメンテナンスのスケジュール管理やトラブル対応を担当していました。
私は東京のコールセンターにいましたが、北海道から鹿児島までの工事現場の職人の方から電話がかかってきて、対応をしていました。
1年半ほど働いていましたが、コミュニケーション能力が磨かれたと思います。
専門用語は分かりませんでしたが、工事現場の職人の方に質問しながら覚えました。
現職は駐在員の事務手続きのサポート(アパートの手配など)ですが、駐在員の多くはやはり年配の方なので、年配の方とのコミュニケーション能力を活かすことができています。
1年半でも大きな成長を実感
日系の自動車部品メーカーの駐在員対応をしています。
具体的には駐在員のビザの取り扱い、赴任・帰任の手続き、アパートのオーナーとのやり取りなどを行っており、日本本社とやり取りをします。
駐在員の人数が多く、アパートの部屋をたくさん借りているので、部屋の修理などに対応(インドの業者へ修理を依頼)しなければならないことが多いです。
また駐在員から「インド人が何を言ってるのか分からない」と言われたとき、簡単な通訳をしたりしています。
このように、社内業務や生活のサポート全般を臨機応変に対応しています。
日本では仕事の段取りとチームワークがとても重視されていると思います。例えば
といったことを考えて動かなければなりません。
一方、インド人は誰もそのような段取りを考えず、行き当たりばったりで仕事をしています。
従って、インドでは「みんなが楽してるんだから、私も楽をしていいのでは?」という誘惑に駆られてしまうことがあります。
日本人は仕事を重視しすぎる面があり、インド人のプライベートを重視したり、多少ワガママになるところに見習うべき面もあるのではないかと思います。
しかし、私がインド人と比べて破格の給与を頂いている理由は、日本人として仕事ができることなのではないか?と考えています。
仕事の進め方などが、私がインド人に教えられる数少ないことなので、そこはキッチリやっていかないとなぁと思います。
インド人に裏切られてやさぐれる時もありますが、やっぱりしっかりやらないといけないと思います。
最初は業務のコミュニケーションが大変でした。
まず、私に業務を引き継いだインド人が、意地悪なのか嘘ばっかり教えてきました。
プライベートでは良い人なので、ずっと私の理解力不足が問題だと考えており、そのインド人が意図的に間違えたことを私に教えていると気がつくまでに半年くらいかかりました。
それ以外にも、当初は他のスタッフとのコミュニケーションにも苦労しました。
仕方がないので地道にリマインドをしたり、それでもダメならそのスタッフの上司に頼んで指示を出してもらったり、どうしても動かなければ日本人上司からプッシュしてもらうこともありました。
最終手段としては、作業が終わるまでインド人スタッフの後ろで見張っておくこともありました。
しかし1年半ほど働いて仕事にも慣れてきたので、正直なところ今では大変なことはあまりありません。
但し慣れきたが故に、スタッフとのコミュニケーションが雑になってしまっています。
専門用語の英語だけ話していても仕事はできますが、より円滑に仕事をするためにもプライベートの深い話もできた方がいいと感じています。
そこで、業務以外のコミュニケーションを取って関係性を構築しながら、より深い信頼関係を築いていきたいです。
そのために必要な英語力はまだまだ足りないと痛感しています。
40〜50代の職人気質の駐在員の方と関わることが多いですが、私は年配の方に対して抵抗感はなく、人懐っこいからということで駐在員の方から好かれます。
駐在員の方は40人くらいいて、私は誰が偉くて誰が偉くないかがわからず、社長や平社員といった肩書きを気にせずに誰とでも気軽に話していたのが良かったかも知れません。
私は年上に可愛がってもらうのが得意で、人に恵まれたと思います。
英語力は伸びたと思います。
最初はオリエンテーションも聞き取れず、上司に会議の通訳をしてもらったりしていました。
仕事も時間がかかりましたし、電話がかかって来たときも大変でした。
しかし今は、トラブルとか起きても「ハイハイ」って感じで問題なく対応できますし、インド人だけのミーティングに1人で参加してもワーワーと対応できます。
ただ、私が勤めている会社のインド人は日本人の扱いに慣れていたため簡単な英語で話してくれてましたし、通じない時も諦めずに話してくれた根気強いインド人のお陰です。
現地採用は英語できなくてもポジションはありますが、事前に英語を勉強してから行ったほうがいいと思います。
今は文法めちゃくちゃなので、その点が課題です。
- 論理的に話すのが上手くなった
駐在員の皆さんは優しいですが、情に訴えて話すだけではダメで、論理的に話すのが求められました。
結果的に、論理的に事情や原因を説明するのが上手になりました。
- タフさが身についた
肝が座ったと思います。
もともとタフな性格だったとは思いますが、インドへ来てから日常でも仕事でも鍛えられ、更に肝が据わったと思います。
- 自己肯定感が上がった
私はもともと「私なんかどうせ何もできない・・・」と自分を卑下してしまう傾向がありました。
しかしインド人スタッフを見ていると、大した仕事をしていないのに自己肯定感が高く、こんなレベルで「俺は出来る!」って言っちゃっていいんだ・・・と新鮮に感じました。
- 自分の得意なこと、苦手なことが分かった
インドで様々な経験を積むことができたので、私自身の得意なこと、苦手なことが分かりました。
具体的には、ルーチンワークを正確にこなすことが苦手で、フロー改善や現場の仕事が好きということが分かりました。
それまでは「何が得意かはよく分かりませんが、何でも頑張ります」と思っていましたが、「これは苦手です」「この仕事をやりたいです」と言えるようになったのが良かったです。
家はグルガオンの中心にありますが、職場はマネサールという工業地域にあり、通勤時間は車で行きは40分くらい、帰りは1時間くらいです。
私は駐在員の方々のアパートの準備、日本人会とのやり取りなどで社外へ出かけることはあるため、私専用の車を割り当てられており、その車で通勤をしています。
平日のドライバー費用は会社持ちなので、平日の夜にスーパーへ寄ったりレストランに寄ったりすることはできます。
日曜や長期連休中に車を使用する場合は自分のお金になりますが、週末は主にUBERを使います。
出勤時刻は8:30〜17:00で残業はありません。但し月〜土の週6日勤務です。
物凄く忙しい時もありましたが、駐在員の方達から心配されたので残業はほぼありませんでした。
- 社宅(家具つき、同僚とのルームシェア)
- ドライバー付通勤・営業車
- 社食(昼は25ルピー(375円))
- ユニフォーム支給
- 医療費の8,000ルピー(12,000円)
- 年に数回の長期休暇
- 年1回の一時帰国休暇
会社が社宅、社食、ユニフォームを支給してくれたので、給料と別に会社が衣食住を賄ってくれていると言えます。
また、週6日勤務ではありますが3〜4日の長期休暇は年に何回かあるので長期休暇には行きやすいです。
インドで働いて、海外で働くには語学より専門性が大切だと感じました。
- バックオフィス系の専門性(経理、人事など)を身につけたい
- 工場のように現場感のあるところで働きたい
- ルーチンワークよりも業務フローの改善が得意
上記の観点から、会社の内部統制構築の業務などに興味があります。
これから住んでみたい国としては、カナダのケベック州やアフリカなどのフランス語圏に興味があります。
せっかくフランス語を専攻したのでフランス語圏で働いてみたいです。
フランス語だけだと仕事を得るのは難しいかも知れませんが、英語とフランス語を組み合わせれば何かしら可能性があるのではないかと思います。
なおフランス本国についてはビザがとても下りにくく、現地の方と結婚して配偶者ビザを取得しない限り働くのは難しいようなので、フランスよりはケベック州やアフリカの方が可能性は高いかなと思っています。
柿ピーさんのインド生活
インドルピー | 日本円 | |
家賃 | 0ルピー | 0円 |
水道光熱費 | 2,000ルピー | 3,000円 |
食費 | 20,000ルピー | 30,000円 |
支出計 | 22,000ルピー | 33,000円 |
家については家賃も敷金も会社もちで、飲料水(20リットルのペットボトル)も支給され、週2回のハウスキーピングも入ります。
アパートのオーナーは遠くに住んでいて年に1度来るくらいで、何かアパートにトラブルが会った時にはアパートのメンテナンスソサエティを呼びます。
朝は適当で、味噌汁とバナナくらいしか食べません。
夜は外食したり、自分でZOMATO(デリバリーのアプリ)でデリバリーを頼んだり、自炊でパスタを作ることもあります。
インド人スタッフからカレーのレシピを聞いて作ることもあります。
月の食費は20,000ルピー(30,000円)いかないくらいです。
グルガオンにはTOKUMI HAIRという日系のヘアサロンがあり、費用は4,000ルピー(6,000円)です。
トリートメントはローカルのヘアサロンに行き、500ルピー(750円)ほどかかります。
ローカルのサロンでも髪の毛はサラサラになります。
もともと肺の調子が良くないので、フォルティスという外国人向けの大きな総合病院で診察を受けました。
会社で医療通訳のサービスを契約しているため、無料で日本人の通訳をつけてもらうことができました。
診療は8,000ルピー(12,000円) までは実費で、それ以上は会社で出してくれます。
常に社有車で移動していることもあり、危ない目に遭ったことはありません。
人のいないところは近寄らないなど、気をつけています。
インドを旅行する時も
- 向こうから声をかけて来るインド人は断る
- 知らないインド人にご飯へ誘われても着いて行かない
- あまり安宿には泊まらず、1,000ルピー(1,500円)以上の中くらいの宿に泊まる
などの注意をしています。
私にはいい人と悪い人の区別がつかないので、良さそうに見える人でも常に警戒心を持って接するように注意しています。
私は肺が先天的にまずく、大気汚染酷いインドへ来て更に酷くなりました。
家には空気清浄機があり、一応マスクも装着していますが焼け石に水です。
肺が悪い人はインドに来ちゃダメです。
基本的には英語で問題ありません。
但しタクシードライバーなどはヒンディー語しか話せず"Left""Right"といった単語すら分かってもらえない場合もあるため、道案内くらいのヒンディー語は身につけた方が良いと思います。
CureFitというインドでトレーニングジムなどを展開する会社が運営するCultfitというアプリがあります。
Cure Fitは年間12,000ルピー(18,000円)でジムに通い放題で、ヨガとかボクシングなどの講座を受けることもでき、ガッツリ筋トレもできます。
インド各地に教室があり、教室や先生によってメニューも異なりバラエティ豊かです。
日本にいる時は、ヨガをやっている女性はに対して「意識高い系だなぁ〜」というイメージがあり興味を持てませんでしたが、インドで試しにヨガをやってみたらとても良かったです。
特に自律神経を高めるヨガがオススメで、「ヨガはインドで生まれるべくして生まれたんだなぁ」と実感しました。
CultFitというアプリでは様々なトレーニングが紹介されています。
意外とグルガオンは寒いので、着る毛布を持って来るのがオススメです。
普通の掛け布団ならインドでも売ってますが、「着る毛布」は着たまま歩けるので楽です。
あとは、100均で売っている、パスタをレンジで茹でられる調理器具などはオススメです。
基本的に家でゴロゴロしながらTwitterをしています。
日本人会やサークルなどには入っておらず、仕事以外での日本人との繋がりもTwitterくらいです。
インド生活は長くても2〜3年が一般的だと思いますが
- 脱毛
- 歯科矯正
などは完了までに時間がかかるので、インドへ到着したらすぐに始めた方がいいと思います。
「インド生活が落ち着いてから始めよう」などと悠長なことを言っていると、インドから出るまでに終わりません。
日本だと美容脱毛で25〜30万近くかかりましたが、インドであれば美容脱毛よりもしっかりとした医療脱毛でさえ10万円くらいでできます。
インドには、日本人をターゲットとして、しっかりと脱毛をしてくれる経験豊富な病院もあります。
インド生活には体力が必要なので、インドへ来るならやる気と体力の満ち溢れている20代に来ることをオススメします。
また会社によって待遇や状況が大きく異なるので、会社選びは慎重に行いましょう。
柿ピーさんの体験談を読んでアジアでの海外就職に興味を持った方は、ぜひ【はじめてのアジア海外就職】実現までの道のりまとめの記事をお読みください。
情報収集の方法から、海外就職実現までの段取りをご紹介しています。