インド在住者はインドの口座宛にインドルピーで給料をもらうと思いますが、インドに永住して骨を埋める予定の方を除いて、いつかは日本円へ交換しなければなりません。
インドルピーを日本円へ交換する方法は大きく分けて3つありますが、個人的には日本への一時帰国時に少しずつ日本円で引き出して日本の口座で貯金をしておくのがお勧めです。
そこでこの記事では、インドルピーを日本円へ交換する3つの方法と、一時帰国時に日本円を引き出して貯金する方法がお勧めな理由をご説明します。
- インドの口座から日本の口座へ送金する
- インドでルピーを円に両替して日本へ持ち帰る
- インド口座に紐づいたデビットカードを日本で使う
ルピーを円に交換する方法は大きく分けて上記の3つがありますので、1つずつご説明します。
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インドの口座から日本の口座へ送金する
まず国際送金ですが、お金がかかる上にとても大変です。
- 手数料が日本とインドでそれぞれ数千円ずつかかる
- 銀行へ行って申請書類を書き、必要な書類を添付して提出しなければならない
- インドの銀行での申請から日本口座への着金まで、長い場合には数週間かかる
一度に多くの金額を送金することができるのはメリットですが、送金額には上限があります。
結論としては、あまりオススメしません。
実際に送金された方の体験談については下記ブログをご参照ください。
インドでルピーを円に両替して日本へ持ち帰る
インドでは、外国人に限りインドルピーを1万ルピー(約16万円)まで国外へ持ち出すことができます(インド人は持ち出し禁止)。これにより、外国人はインドの空港の免税店で現金を使って買い物をすることができます。
しかし1万ルピーを超えるインドルピーを国外へ持ち出すことはできません。札束を機内へ持ち込もうとすると空港のセキュリティチェックで止められます。
なお、そもそもインドルピーを国外へ持ち出したところで日本では両替ができません(できる場所をご存知の方がいたらお知らせください)。シンガポールなどインド人コミュニティがある一部の国でしか両替をすることができるようです。
以上の通り、インドルピーを現金のまま国外へ持ち出すことはできないので、インド国内で両替をして外貨として持っていく必要があります。しかし、以下のようなデメリットがあります。
- 空港などの両替所はレートが悪く、レートの良い市中の両替所を探すのは大変
- 現金でインドから日本まで持ってこなければならないのもストレス
- 100万円を超える現金を持ち込むときには日本の税関で申告が必要
よほどレートの良い市中の両替所を探し当てた場合は別ですが、基本的に現金を両替して日本へ持ち出すのはお勧めできません。
最終的に日本への帰国が決まってインドの雇用ビザ(FRRO)が失効するとインドの口座も自動的に凍結される場合がありますので(されない場合もあるようですが)、最後の手段として預金残高を全て引き出して持って帰る時には有効です。
インド口座に紐づいたデビットカードを日本で使う
以上の理由から、インドの銀行から送金したり両替所での日本円への両替したりするよりも、インドの銀行口座に紐づいたデビットカードで日本のATMから日本円を引き出すことをおススメします。
インドの銀行が発行するデビットカードにはMasterやVisaなどのブランドがついていると思うので、日本のATMで引き出すことが可能です。
メリットとしては以下が挙げられます。
- 現金を持ち歩かなくて良い
- 申請書などは必要なく、手続きが楽
- 国際送金のように時間がかからず、その場で引き出せる
2019年6月現在、私が試した範囲で引き出すことができたのはセブン銀行、ゆうちょ銀行、イオン銀行のATMでした。
但し、最近はメガバンクのATMでも対応しているところが増えているようです。
但し、デビットカードでインドの口座から日本の現金を引き出すことができる上限額は1日10万円までです。
それ以上の額を移すには、一時帰国中に毎日セブンイレブンへ行ってチョコチョコ引き出す必要があります。
試しに10万円を引き出したところ、インドの口座からINR 67224.12が引き落とされました。
レートは1ルピー = 1.48円となります。
当日のレートが1ルピー = 1.56円でしたのでだいぶ悪いです。それでもインドの空港でのレートよりはマシでしたし、手間を考えるとインドの銀行からの国際送金よりは良いのではないかと思います。
なお、どうも引き出すたびに手数料がかかるようなので、5万円を2回引き出すよりは10万円を引き出してしまった方がお得です。
日本で1日10万円を超えてインド口座のルピーを使う方法
日本のATMでのインド口座からの引出額上限は1日10万円ですが、その上限を超えてインドルピーを日本円へ換える方法があります。
それは、インド口座に紐づいたデビットカードを使って日本で買い物をすることです。
キャッシングの上限は1日10万円までですが、ショッピングについてはその枠外です。ショッピングの上限額が設定されているのかどうかについては分かりません。
私は10万円を引き出した後でレストランへ行き、インドのデビットカードで決済をしましたが支払をすることができました。ショッピングなので日本円を入手できるわけではないですが、インドルピー口座の資金を日本円として使うわけなので、実質的に同じことです。
7150円を使ったところ、INR 4795.97がインドの口座から引き落とされました。
レートは1ルピー = 1.49円となります。
ショッピングの方が若干レートが良いようです。
日本円には少しずつこまめに交換するのがお勧め
インドから日本へ帰る段階になって、インド口座にあるルピーを全て日本円へ変換するのは中々大変です。
外国人登録(FRRO)が終了するとインドの銀行口座も閉じられてしまう可能性があるため時間のかかる国際送金にはリスクがありますし、かと言って全て現金で日本円へ両替して持ち帰るのも負担だと思います。
そこで、年に数回の一時帰国時に少しずつ日本円へ変換して日本で貯金するのがお勧めです。
というご意見もあるかと思います。
確かにインドの定期預金は6〜7%という高い利回りが出ますが、突然帰任になるという可能性もありますし、インドの定期預金利息で儲けた分はインドの所得税と為替差損と銀行手数料で大部分が飛んでしまうという説もあります。
従って、どちらが得なのかを慎重に計算して決断することをお勧めします。