USCPAは100万円近くの費用と1年以上の勉強時間が必要になるタフな試験で、途中で心が折れてしまう方も大勢いると思います。
そんなタフな試験なので、チャレンジするかどうか躊躇している方もいると思います。
と悩んでいる方に向けて、USCPAから撤退しても全く落ち込む必要がない理由を書きます。
私自身は2020年からUSCPA試験にチャレンジし、約1年で全科目ストレート合格しました。
と思われるかも知れませんが、私自身も他の分野では努力を継続できずに山ほど挫折・撤退を繰り返しており、100万を超えるお金を無駄にしてきました。
USCPAからの撤退を決断した人達のツイートなどを見ていると私の挫折経験と似ていたので、逆に「なんで私はUSCPAは努力を継続できてスムーズに合格したのか?」を考えました。
Contents
USCPAは誰でも合格できる試験か?
結論からいうと、USCPAは「継続して努力できれば」誰でも合格できる試験です。
USCPAは筋トレに似ている
大学入試では合格者数が予め決まっていますが、USCPAは合格者数に制限のない絶対評価のテストで、基準を超えれば他の受験者の点数と関係なく合格できます。
従って、USCPAは大学入試や甲子園出場よりも、筋トレや語学学習に似ていると言えます。
適切なフォームとタイミングで筋トレを行い、食事やプロテイン接種に気を遣う習慣を継続すれば、誰でも筋肉をつけられますよね?「2023年度に筋肉を10kg増やせるのは3000名まで」などという人数制限はありません。
しかし、継続するのがとても難しいから筋肉がつかないのです。
USCPAもそれと同じで、継続して努力できれば合格できますが、途中で心が折れて撤退する方はとても多いです。
1回の試験時間が4時間、1科目の受験料が約8万円(2022年9月時点)なので、1回不合格になると心が折れます。
せっかく頑張ってダイエットに成功しても、リバウンドした時に心が折れて運動を辞めてしまう人が多いのと似ています。
USCPAは恋活・婚活に似ている
USCPAは英語で行う会計の試験なので、英語や会計のバックグラウンドがある方が有利なのは間違いありません。
しかし、たとえ英語や会計のバックグラウンドがあるからと言って楽勝な試験ではなく、そこに胡坐をかいて努力を怠ったら落ちます。
逆に、英語に苦手意識があり、会計実務が未経験でも
という覚悟があれば何とかなります。インターネットの情報を見ていると
と斜に構えている人が多いのですが、会計実務経験や英語力がないことよりも、「どうせ頑張っても無駄だ」と始めから諦めているメンタリティの方が問題です。これは非モテが
と言っているようなものです。
もちろん、生まれつきのイケメンや美人がモテやすいのは間違いないです。ブサメンや不美人がパートナーを作ろうと思ったら、イケメンや美人の何倍も努力しなければなりません。この点について「不公平だ」と文句を言ったところで自分の幸福度は上がりません。
たとえ生まれつきの見た目が優れていなくても、化粧や服装で身だしなみを整え、コミュニケーション能力やホスピタリティ能力を磨いてモテている人は大勢います。
もともと恋愛に苦手意識があったものの、一生懸命努力してモテるようになった人達は異口同音に「モテは作れる」と言います。
これと同じで、会計実務経験や英語力があった方が有利なのは間違いないですが、努力で乗り越えられない差ではありません。
USCPAから撤退する人は努力不足なのか?
USCPAが本当に「努力すれば誰でも合格できる試験」なら、途中で撤退した人は努力不足の根性ナシなのでしょうか?
「USCPAは努力すれば誰でも合格できる」は合格者の戯言?
合格者や予備校が「USCPAは努力すれば誰でも合格できる試験」と言えば、途中でUSCPAに挫折した方は
と批判したくなるはずです。こう言いたくなる気持ちは痛いほど分かります。
しかし、USCPAから途中撤退した人が必ずしも努力が継続できない人というわけではありません。
単に努力の方向性がズレていただけです。
受験する動機を深堀りことが大切
私はUSCPAには合格できましたが、筋トレは何度も挫折しており、未だに筋肉はつきません。
また、結婚前の20代前半には女性からモテたいと思い色々と努力しましたが、あまり結果に繋がりませんでした(最終的に結婚できましたが)。
特に筋トレについては何度も挫折するので、「自分は努力ができない人間だ」と落ち込んでいました。
しかしUSCPAには約1年でスルっとストレート合格することができました。この違いの原因は何でしょうか?
その原因はチャレンジする動機にあります。
私がUSCPAにチャレンジした動機は、「好きな国に住んで旅行や生活を楽しみたい」ということでした。
USCPAチャレンジ時点で既にインドの会計事務所で働いていたのですが、USCPAを取得すると現地採用でも高給をもらうことができ、他の国への転職や日本への帰国もしやすくなります。
私は、会社の業務命令で海外転勤するのではなく、自分の住みたい国に自分の住みたいタイミングで住み、しかも現地での旅行や買い物を十分に楽しめるくらいの収入が欲しいと思いました。
USCPAを取得すると全て実現することが分かったので、とてもワクワクした気持ちでUSCPAにチャレンジしました。
ワクワクしているので、USCPAの努力もあまり苦痛には感じませんでしたし、大変な手続も「この先には夢の海外生活が待っている!」と思えば自然と気合が入ります。
わざわざ「頑張ろう!」と気合を入れなくても、勝手に身体が動き出すのです。しかし筋トレにチャレンジした時の私の動機は違いました。
「筋肉が足りない」という劣等感と、「このままだと将来、健康を害するのではないか?」という不安があったので、そのコンプレックスや不安を解消するために筋トレに臨みました。
劣等感をバネに努力して結果を出す方も大勢いますが、とても苦しい道のりです。
また、努力して結果を出せば一瞬はホッとしますが、劣等感や不安にはキリがないので次々と不安が襲ってきます。
不足感や劣等感から努力をしても結果は出せると思いますし、収入も上がると思いますが、それで果たして幸福になれるかどうかは別問題です。
ワクワク感からする努力は楽しいですし、あっという間に結果も出ます。もちろん、ワクワク感からする努力でも大変なことや苦しいことはありますが、心は折れないはずです。
目標達成のために、本当にUSCPA合格が必須なのかを考える
何らかの目標を持ってUSCPAの学習を始めたのだと思いますが、その目標を達成するためには、本当にUSCPA合格が必要なのでしょうか?
もし「USCPAを取得して年収を上げたい」と思っているのであれば、なぜ年収を上げたいと考えているのか?自分の人生にとって本当にその年収は必要なのか?を掘り下げて考える必要があります。
その場合、わざわざ100万円の費用と1年間の勉強時間を費やしてUSCPAを頑張らなくても、年収マウンティングをしてくる同級生との人間関係を断ち切って、趣味などを通じてもっと心地よい知り合いを作れば良いだけかも知れません。
つまり、USCPAに挫折した時には「自分は努力ができない人間だ」と落ち込むのではなく、「自分がUSCPAにチャレンジした動機は、本当に自分の内側から出てきたものか?世間の常識や周りの目に振り回されて、自分を見失っていなかったか?USCPA以外の選択肢はないのか?」を検討した方が良いと思います。
本当に自分の内側から出てきた目的であれば、わざわざ「頑張ろう!」などと力まなくても、どんな人でも勝手に身体が動いて頑張ります。
USCPAから撤退という結果になっても、自然と努力できる分野が他にあるはずなので、自己肯定感を下げて落ち込む必要は全くありません。
ハッキリ言って、USCPAに合格することよりも、自分の本音を見極めて、自分の気持ちに正直に決断し行動することの方が遥かに大切で、難しいです。
このように書くと、USCPAの受験を迷っている人は
と不安になりますよね。
その場合には、(時間とお金が許すなら)チャレンジしてしまえば良いと思います。
チャレンジして、「違った」と心の底から納得したなら、勇退すれば良いです。
USCPAからの撤退を決断する判断基準
USCPAは受験料が1科目およそ8万円×4科目、そして最低でも1年以上の勉強時間がかかります。
1科目の受験時間が4時間もあるので、1回受験するだけでも疲労困憊します。
ストレートに合格した場合でも32万円と16時間の試験時間がかかりますが、一度不合格になってしまうと、不合格の度に8万円を支払って4時間の試験に臨まなければならないので、かなり心が折れます。
これを繰り返すと、出費もかさみますし、時間も取られ、迷宮入りになってしまい絶望します。
特にAUDとBECの二科目は内容がフワフワしているため、沼にハマってしまい何度受験しても合格に届かない方が続出しています。
何十回も受験して、200万円以上の受験料を支払って根性で合格している方もおり、とても素晴らしいのですが、そこまで気持ちが続かない方もいると思います。
とはいえ、高い予備校代と受験料を払って受験にチャレンジしているので、簡単に撤退も決断できません。そこで、私が考えていた撤退の基準をご紹介します(あくまで私個人の見解です)。
1日休んで瞑想する
ずっと勉強を続けていると、時間が勿体ないため焦ってしまい休むことに罪悪感を持てなくなります。
しかし、目の前の勉強に追われていると、そもそも何のために勉強しているのか?という目標を見失いがちです。
もしくは、全く勉強に身が入らず時間ばかりが流れて焦りが止まらないかも知れません。
そこで、丸1日休んでリラックスするのがオススメです。
私の場合は公園で散歩したり、週末に1泊2日で京都や奈良のお寺へ行って静かな時間を過ごすと気持ちが落ち着くのですが、人それぞれ気持ちの落ち着け方はあると思います。
運動、料理、瞑想、写経など、色々な方法があると思います。
そのうえで、リラックスできたら「何のためにUSCPAを目指していたのか?」「その目的はUSCPAでなければ達成できないのか?」と、時間をかけて感情を掘り下げて考えます。
モチベーションが上がらない場合、将来の不安や周囲のプレッシャーで心理的に押しつぶされそうになっていることが多いと思います。
その場合には勉強を進めるよりもまず「USCPAなんて合格しなくても自分の人生は絶対に大丈夫。それでもUSCPAに挑戦したいのか?」を考えてワクワクする未来が想像できるのを考えるのがオススメです。
ここで「USCPAがないと自分の人生は終わってしまう」「USCPAくらい合格できなければ、この先何をやっても失敗するに違いない」などと感じているのであれば、その不安感の根拠を徹底的に掘り下げるのが先です。
自分の感情を掘り下げた結果、何のためにUSCPA頑張っているのか分からなくなってしまったら、これ以上の時間とお金を犠牲にしないために、撤退を検討する時期かもしれません。
「既に費やした時間とお金が無駄になってしまう」と不安になるかも知れませんが、「高いお金と多くの時間を費やして、結果は出なかったけど、それでも良い経験になった」と思えるくらいの器があれば、USCPAの資格なんてなくても別の道で100万円くらいすぐに取り返せます。
やれることを全てやってみる
もし自分の感情を掘り下げて「やっぱりUSCPAにチャレンジしたい」「USCPAに合格した未来を想像するとワクワクする」と感じるのに全く合格できないのであれば、やれるだけのことをやってみるのがオススメです。
個人的には、(相性があるものの)アビタスが最も合格者を輩出しており、Twitterでも学習仲間が大勢いて情報交換をしやすいので、他校で学習して上手く行かないのであればアビタスに乗り換えるのがオススメです。
アビタスには他行割引があり、プロアクティブやTACで受講経験があれば受講料が20%引きになります。
私は当初プロアクティブで学習していましたが、途中でアビタスに乗り換えました。詳細はUSCPAスクールをアビタスからプロアクティブへ変えた私が徹底比較の記事をご参照ください。
アビタス生で上手く行かない場合は、学習カウンセリングなど、アビタスの提供するサービスを全て使い倒しているかどうか確認しましょう。
アビタスの使い倒し方についてはアビタス生のUSCPA最短合格法!学習方法と直前対策の記事をご参照ください。
やれることを全てやり尽くして「これ以上もうできることがない」と思ったら、後悔なく撤退できるはずです。
撤退したあと「あの時あれもやっておけば・・・」と後悔することがないように撤退したいですよね。
USCPAから撤退しても受験料と勉強時間は無駄にならない
USCPAは、予備校代と受験代で100万円弱、勉強時間も1年以上と、多くの人にとってかなりタフな試験になります。
たとえUSCPAの合格まで至らず、途中撤退という結果になってしまっても、予備校に支払った高額の受講料と膨大な勉強時間は決して無駄になりません。
それは「たとえUSCPAに不合格でも、USCPAで学んだ内容を実務で活かすことがあるから」という理由ではありません。
たとえUSCPAで学んだ内容を一生使う機会がなくても、USCPA挑戦に費やしたお金と時間は無駄になりません。
なぜなら、失敗の経験を積めたからです。
USCPAの失敗経験にめげず、他の分野でも挑戦をすると、何らかの分野で上手くいくことが必ずあります。
私と逆に、USCPAには失敗しても、筋トレや結婚で幸せな結果を出せる人もいると思います。
エジソンは実験に1万回失敗したとき「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」と言ったらしいですが、1万回も失敗しなくても成功には近づきます。
USCPAに限らず、大きなチャレンジを繰り返すと、必ず成功と失敗があります。
失敗の経験と成功の経験があると、チャレンジをする前に「これは上手く行きそうだな」「これは失敗しそうだな」という感覚を掴めるようになってきます。
先ほど、「世間の目や周りの意見に流された挑戦は苦難の道だが、自分の内側から出てきた動機の場合はワクワクしながら挑戦できる」と書きましたが、USCPAに限らずどんな分野であれ挑戦と挫折を経験すると、自分の本音と周囲の意見を区別する力がアップするのです。
もちろん、自分の内側から出てきた動機でも失敗する場合もあれば、周囲に流された挑戦でも成功することもあります。
しかし、挑戦した後の感覚が明らかに違います。
自分の本心でチャレンジしたことなら失敗しても心が折れずに次へ立ち向かえますし、周囲に流されて成功しても不安や劣等感は解消されません(むしろ、成功すればするほど劣等感が強化されます)。
USCPAから撤退したら振り返りが大切
失敗した時は自分の本音を見つめ直すチャンスです!が、そのチャンスを無駄にしないためには、USCPA挑戦の振り返りが大切です。
振り返りをせずに次々と色んな資格に手を出して失敗しても、人生の経験値は上がらず消耗するだけです。
「なぜUSCPAにチャレンジしたいと思ったか?」という動機を振り返り、「なぜ努力を継続する気持ちがなくなったか?」という理由を深堀りすることが大切です。
「ピンチはチャンス」とか「禍福は糾える縄の如し」と言いますが、大きな挫折を経験した時こそ自分の人生を軌道修正するチャンスです。
USCPAを受験する動機は、収入アップ・キャリアアップのためだと思います。
では、なぜ収入アップをしたいのか?を突き詰めれば「幸せになりたいから」という答えに行き着くはずです。
従って、収入や資格に拘って幸福度を下げてしまっては本末転倒です。
「自分にとっての幸福は何なのか?」を考えて(感じ取って)、そこから逆算して目標を設定し行動することが大切です。
モチベーション維持法
「モチベーションの維持法」というと、「部屋の色を変えましょう」とか「早起きしましょう」など細かいアドバイスが巷に溢れていますが、私は何よりも「感情の掘り下げ」が大切だと思っています。
感情の掘り下げは、既に撤退基準の項目で述べた通り「なぜUSCPAを受験するのか?」を考え「USCPAに合格した後でどんな自分になりたいのか?」を想像してワクワクすることです。
私の場合は「USCPAに合格して海外生活や海外旅行を楽しみたい」という動機でしたが、わざわざ「モチベーションを上げよう」と思わなくても勝手に想像してワクワクしました。
時々疲れたら、YouTubeで海外の映像を見たらワクワクしてモチベーションが回復します。
もし「年収を上げて幸せな結婚をして温かい家庭を築きたい」という動機であれば、ホームドラマを見たり、将来の幸せな家庭を想像したり、街をブラブラして幸せな家族のイメージを具体化することがモチベーションアップになるでしょう。
また、専門性をつけて大きな仕事を回したいなら、「プロフェッショナル仕事の流儀」などの動画を見たり、経営者やビジネスで成功した人の本を読むことで「自分はどのような姿勢で仕事に向き合いたいのか?どのようなキャリアを積みたいのか?」をイメージすると良いかも知れません。
USCPAの先にワクワクした未来を描けないと、細かいモチベーション向上テクニックを実践しても「こんなことやっても無駄だなぁ」と意気消沈して逆効果になってしまいます。
USCPAは手段
言い古されていることですが、USCPAは収入アップやキャリアアップの手段に過ぎません。USCPAに合格して、収入アップを実現した先に幸せな未来をリアルに思い描けなければ、USCPAは苦しい戦いになります。
USCPAに合格できず撤退しても、幸せになれればそれでOKです。
合否に拘らず、USCPA試験との出会いを通じて皆さんが自分自身と向き合い、幸せな人生を歩むことを応援します!