R.T.さんは2年半ほどバンコクで生活し、インタビューを受けて頂いた直前の2020年2月までバンコクで働いていましたが、このたび日本へ帰国されました。
R.T.さんにとってバンコクの生活はあまり良いものではなかったらしく、バンコク生活を通じて日本の良さを再発見したようです。
バンコク生活に興味のある方は必見です。
なお記事では1タイバーツ(THB)=3.5円として計算しています。
"※"の箇所は、R.T.さんのコメントではなく当ブログ(アジアで暮らす)管理人の補足コメントです。
バンコク生活を始めるための手続き
ビザ取得手続きは自分でやりましたが、タイの大使館へ行って言われた書類を用意すればスムーズに取れました。
外国人登録という訳ではないですが、日本で取得したビザはタイから出国すると無効になってしまいます。
従って、タイに入国したらすぐに役所へ行って改めてビザ申請をしなければなりません。
だからと言って、ノービザでタイへ入国してタイ国内で就労ビザを申請しようとしてもダメで、一度日本の大使館でビザを申請する必要があります。
タイへ着いてからは会社の人が書類を準備してくれて、指示された場所にサインをするだけだったので特に大変なことはありませんでした。
私が勤めていた会社は現地採用の人を何人も雇った経験があり、総務がしっかりやってくれていたので再提出などはありませんでした。
しかしタイに進出したばかりで会社がビザ手続きに慣れていないと書類不備でやり直しになることもあるようです。
ビザの手続きが90日に1回ごとに必要となりますが、その手続きは会社の人がやってくれました。
但し1年に1回は本人が役所へ行かないといけません。
銀行口座は会社の人と一緒に作りに行きましたが、就労ビザがあればスムーズに開設することができ、即日で口座が開設されます。
銀行によっても外国人が作りやすいところと作りにくいところがあります。
タイの銀行は日本より便利なこともあります。
携帯のアプリがあって、携帯で家賃払ったりすることもできますし、キャッシュカードを紛失した時もすぐに再発行してくれます。
タイではよくATMにキャッシュカードが飲み込まれるので、キャッシュカードの再発行には慣れているのかもしれません。
役所も銀行も書類は全てタイ語ですし、英語もあまり通じません。
従って、手続きはタイ人にやってもらわなければできません。
タイの手続きは書類がとても多く、全部で5cmくらいの分厚さになることもあります。全て読んでいるとはとても思えない量です。
タイ人と一緒に役所や銀行へ行って「ここサインして」って言われたところにサインするだけです。
自分が何にサインしているのか全く分からないので、依頼したタイ人が悪い人だったら危ないですね。
ビザ以外に特に手続きはないので、身分証はパスポートしかありません。
しかし取引先を訪問する時にビルの入口で身分証を預けなければならないことが多く、毎回パスポートを預けるのが心配だったので運転免許証を作りました。
私はタイで運転するわけではないのですが、免許証があると身分証として使えるので便利です。
タイの国内線であれば、パスポートがなくても免許証を身分証として搭乗できます。
また例えば、観光地や遊園地へ行った時にタイ人料金と外国人料金がある場所があるのですが、タイの免許証を持っていると安いタイ人料金で入場できます。
運転免許証の申請時もタイ語の書類をいっぱい持っていきましたが、免許証の申請は一人で何とかなりました。
バンコクの生活費
R.T.さんの1ヶ月の生活費
項目 | タイバーツ | 日本円 |
家賃 | 12,000 | 42,000 |
水道代 | 60 | 210 |
電気代 | 700 | 2,450 |
通信費 | 1,000 | 3,500 |
食費 | 10,000 | 35,000 |
交通費 | 1,000 | 3,500 |
ヘアカット | 1,000 | 3,500 |
合計 | 25,760 | 90,160 |
※飲み会やゴルフをすると出費は跳ね上がります。飲み会は1回あたりTHB 1,000〜2,000(3,500〜7,000円)、ゴルフは1回あたりTHB3,000〜4,000(10,500〜14,000円)が目安です。
※それ以外にも、旅行や一時帰国(会社が負担しない場合)にもお金がかかる場合があります。
食費はTHB 10,000(30,000円)くらいです。バンコクへ来た当初は外食が中心でしたが、バンコク生活の後半は自炊と外食が半々でした。
外食の場合、日本食は定食やラーメンだったらTHB 300~350(1,050~1,225円)くらいです。
タイ料理を外食するとTHB 40~60(140~210円)くらいで食べられます。
最初のうちはタイ料理も食べていましたが、私はタイ料理が苦手で食べ飽きてしまったので、外食をする場合には日本食が中心でした。
タイ料理は全般的に量が少なくてお腹いっぱいにならならず、しかも辛くてお腹を壊します。
タイ料理が好きな人でも、やはり長い間住んでいると食べ飽きてしまうので、皆さん1日1回くらいが限界になるようです。
同僚の人達はお昼にタイ料理かコンビニでTHB 100(350円)くらいの微妙な日本食(親子丼とか、豚丼とか、おにぎりなど)を食べているようでした。
バンコクにはフジスーパーなど日本と全く同じものを売っているスーパーがあり、日本の食材は一通り手に入りますが、値段は日本国内の3倍もします。
日本から食材を輸入する時に高い関税がかかるようで、納豆でも野菜でも肉でも、何でも日本の3倍して、とても高いです。
従って、醤油やみりんなどの調味料は日本から持って来ていました。
以前香港を旅行した時、香港は関税があまりかからないようで、香港のスーパーは日本の値段とほぼ変わらない値段で売られていました。
シンガポールのスーパーは日本の1.5倍くらいの印象でした。
Big Cなどのタイの地元のスーパーは安いですが、野菜の種類が少なく、肉は鶏肉ばかりです。
牛肉や豚肉もあることはありますが、例えば豚肉で言うとバラ肉がないなど、ちょっとイメージしてる肉とは違います。
野菜で言うと、キャベツや白菜、人参、じゃがいもなどは日本と同じですが、もやしやナス、かぼちゃは種類が違ったり売っていないこともありました。
マイフードという、無農薬の野菜をタイで作っている会社がありますが、そこだと日本の野菜が多く、トマトやキャベツが日本からの輸入品の野菜より安く買えます。
タイローカルのスーパーよりは高いですが、フジスーパーなどの日本から輸入した食材を売っているお店よりは安いです。
なおBig Cとテスコロータスはタイのローカルスーパーで、タイのローカル品の販売、たまに輸入品も売っていますが全体的に安いです。
家賃 | THB 12,000(42,000円)/月 管理費なし |
敷金 | 家賃2か月分 |
間取り | 1studio (ワンルーム) |
広さ | 21~22平米 |
築年数 | 5年 |
立地 | オンヌット駅から徒歩2分 |
その他設備 | プール・ジム付。周辺にコンビニやスーパー等もあり |
家賃はTHB 12,000(42,000円)です。管理費などはありません。
敷金(デポジット)は2ヶ月分です。バンコクでは敷金は2ヶ月分が一般的で、前払家賃と合わせて3ヶ月分を事前に用意する必要があります。
広さは21〜22平米で、間取りは1studio(日本でいうワンルームマンションです)なので全ての部屋が繋がっています。なお現地採用が住んでいる家は35平米くらいが多いです。
洗濯機やシャワーやトイレ、キッチンもついているので不便はありませんが、ちょっと狭いかなというくらいです。
築5年くらいと新しく、プールとかジムもついており、家近くにコンビニやスーパーや商業施設があったのでとても便利です。
マンションにはセキュリティも常駐しています。
立ってるセキュリティはタイ語しか話せませんが、事務室で座っていたスタッフは英語を喋れたので、何か用事があった時は事務室の英語を話せる人に話しかけました。
場所はオンヌット駅から徒歩2分程度のところにありました。オンヌットは中心部のプロンポンから電車で10分くらいの便利な場所です。
オンヌットは新しい家がどんどん建てられて人も増えているようです。最近は以前に比べて電車も混雑していたので困りましたね。
他の現地採用の人の話を聞くと、THB 20,000(70,000円)くらいで暮らしている人は家については文句ないようです。
ただ実際はTHB 10,000〜15,000(35,000〜52,500円)くらいの家で暮らしている人が多く、そうすると私のようにちょっと狭かったり、あるいは古かったり中心地から離れたりと、何かしら不便を感じる人はいます。
バンコクも物価は上がっていますが、家賃については値上がりしてはいないようです。但し5~10年など長期的なスパンだと家賃も値上がりしています。
とはいえ、駅近の綺麗な物件に入れたり、ジムやプールつきだったり、家具や家電もついていたりするので、日本と比べれば家の満足度が高い方が多いのではないかと思います。
「バンコクは嫌い」と言っていた私の友人も、家に関しては満足していたようでした。
強いてバンコクの家の問題点を挙げるとすると、周囲の音がうるさいことです。廊下の音とかが凄く聞こえるので、日本人は結構気になるかも知れません。
タイ人は音を立てることについて特に気にしないようで、「バーン!」と音を立ててドアを閉めたりします。
私は日系の不動産業者で探しました。
日系の不動産業者は家賃3万バーツ以上の駐在員向けマンションしか扱わないのが一般的ですが、2箇所くらい現地採用向けの物件を扱っている日系の不動産業者があります。
1社は田端雄介さんが経営されているNayoo不動産です。
※詳細はタイのバンコクでおすすめの不動産会社を経営されている日本人をインタビューの記事をご参照ください。
もう1箇所は鈴木不動産です。鈴木不動産は駐在員向けの案件が中心である印象はあります。
私は入社日の3〜4日前にタイへ行きましたが、すぐに家は見つかり入ることができました。
あります!会社のビルは結構停電していましたし、家も停電しました。雨が降ると停電する場合もあります。
同僚は停電によってデータが飛んだりとかしていたので、可哀想でしたね(笑)
電気工事などによって、計画的な停電もたまにあります。その場合は丸1日停電します。
マンションに自家発電装置などはないので、停電したらエアコンも止まります。
5分くらいならいいのですが、30分も止まると暑くて参りました。
アリが出ましたが、蚊やゴキブリは部屋にはいませんでした。
蚊に刺されて困ったという話は聞いたことがありません。
ゴキブリは友達の部屋に出たらしいですが、あまり聞きません。
水道代はTHB 60(210円)/月、電気代はTHB 700(2,450円)/月くらいです。
バンコクは常に暑いので、1年中クーラーをつけています。
インターネットと携帯電話が合わせてTHB 1,000(3,500円)くらいです。
電車の場合、隣の駅なら16バーツ、3つくらい先だと26バーツ、10駅くらい離れていると40バーツくらいのイメージです。
通勤費は自己負担なので、回数券を買って利用していました。
行きたいところが駅からちょっと離れてる場合も多く、その場合にはバイクタクシーやGrabを利用しました。
運転免許証は取得しましたが、身分証として使うだけなのでタイで運転することはありません。
なお私の会社はタイ人でもドライバー付の車を利用することができましたが、これは恵まれている方で、最近は駐在員でも自分で運転される方が増えています。
日系のところでは、カットだけであればTHB 1,000(3,500円)程度、染めるとTHB 2,000〜3,000(7,000~10,500円)ほどします。
1回あたりTHB 3,000(10,500円)までの診療であれば会社の保険でカバーされます。
保険でカバーされる病院とカバーされない病院があるため、注意が必要でした。
サミティベート病院という大きくて有名な総合病院がありますが、そこは高額なので1回あたりTHB 3,000(10,500円)では収まらない可能性があるので行かなかったです。
DYM、サクラクロスクリニック、ブレズクリニックなどの小さいクリニック系の病院ではもう少し費用が抑えられます。
ブレズクリニックでは費用がTHB 1,000~2,000(3,500円~7,000円)で、自己負担がなかったです。
定期検診へ通っていました。THB 1,000(3,500円)でクリーニングをしてくれます。
歯医者は自己負担で、治療をしたことはありません。
虫歯を抜いたりインプラントを入れたりすると高く、何万バーツもします。
海外へ来る前に歯の治療をした方がいいです。
2〜3ヶ月に1回くらいクリーニングを頼んでいました。1回THB 600(2,100円)ほどです。
コンドミニアムのサービスでもともとついているところもある
タイに長く住んでいる人で家賃が20,000バーツくらいの人はメイドを頼んだりしているそうです。
私の場合は年に2回日本へ一時帰国をしており、それ以外に旅行も行っていたので、それなりにお金を使いました。
またタイ語学校にも通っていました。
生活費は安かったですが、結局旅行や一時帰国にお金がかかってしまいました。
あと、凄く飲みに行くのが好きだったり、ダイビングやゴルフが好きな人は結構お金がかかります。
飲み会は1回あたりTHB 1,000〜2,000(3,500〜7,000円)くらい、ゴルフは1回あたりTHB3,000〜4,000(10,500〜14,000円)くらいかかります。
営業職などの場合、現地採用であってもゴルフや飲みへ行かないといければならない会社があります。
給料が多い駐在はいいですが、待遇の悪い会社で現地採用として働きながら自己負担でゴルフや飲み会へ行かなければならない場合は結構大変だと思います。
現地採用でも、商社の営業で毎晩夜遅くまで飲みに行かないといけない場合もあります。
そういった付き合いが嫌いな方は就職をする前に面接できちんと確認した方がいいですね。
その他バンコクの生活全般
治安は全般的に悪くはないと思いますが、タクシーの運転手にナンパされたことはあります。
日本人の若い女性だと分かると狙われやすいので、タイ人に見えるような服装にしていました。
喋らなければ日本人だとは分からないので、外ではできるだけ喋らないようにしていました。
周囲の話によれば、引ったくりなどは多少あるようです。
駐在員が強盗にあったという話は聞いたことがあります。
タクシーなど、タイ人が普段使うようなところだと英語は通じません。
ホテルやカフェ、高級レストランなど、外国人向けの高いサービスを提供する場所では通じます。
タクシーに乗るときやローカルのタイ料理を頼む時に必要となる最低限のタイ語は覚えるようにしていました。
仕事でも、タイ語を使っている人は結構います。
インドほどは酷くないと思いますが大気汚染はあります。
11月から3月頃の乾季の時期は空気が悪いです。
空気清浄機を購入したり、マスクをつけて歩いている人も結構います。
AQI(大気汚染指数)は200くらいです。
※大気汚染指数は100を超えると健康に悪いとされており、日本は100を下回っていますが、冬のインドでは999になることもあります。
タクシー配車アプリのGrabと、出前アプリのGrabFoodがあります。Grab Foodではマックなども届けてくれます。
スーパーで買ったものを家まで届けてくれるHappy Freshというアプリもオススメです。
日本人が少ない場所を求めて、新しいカフェやレストランを探したりしています。
長期休暇であればタイ国内と近隣諸国に旅行します。
バンコクに日本人は4万人ほどいますが、多くは駐在員のおじさん達なので、20〜30代の独身に限ると狭い社会です。
「知り合いの知り合い」くらいまで広げれば全員と繋がるかも知れません。
もし日本人しか住んでいないコンドミニアムに住むと毎日顔を合わせることになりますが、そうでなくてもスーパーや飲み屋でも知り合いとは会います。
私は営業でしたが、プロンポンの定食屋へ行くと取引先の方などと会うので避けていました。
また、定食屋の客層は駐在員のおじさんが多いので、20代の女性が1人で定食屋へ入って食べていると目立つんですよね。
先ほどお伝えした通りタイのローカルフードは嫌いなので日本食を食べていたものの、あまり日本人がいない穴場を見つけるようにしていました。
良くも悪くも何でも緩いところと、タイ国内や海外の旅行へ気軽に行けたのが良かったです。
また海外移住や就職をしたい人はいても、実際に実行する人はひと握りなので、海外で知り合う日本人には行動力が高い人が多かったです。
外国人の知り合いや友達も、タイに住んでいた方が作りやすいかもしれません。
日本で当たり前だと思ってたことが当たり前ではなかったということに気がつくことができました。
わかりやすい所で言えば、日本だと
- 水道水が飲める
- 気軽に車の運転ができる
- すぐに友達や家族に会える
など、とても恵まれた環境で育ったと実感しました。
前は海外が良い所かと思っていましたが、日本にもタイにも良いところと悪いところのどちらもあることに気づ区ことができました。
どっちが良いとか悪いといったことは無いと感じましたが、人によって向き、不向きはあると思います。
とにかく食べ物が合わなかったです。バンコクで日本と同レベルのご飯を求めると非常に高くなります。
バンコクでも物価が上がっているので、美味しいものは高いです。
日本ではバンコクほどのお金出さなくても、スーパーの惣菜も外食も美味しく食べられます。
タイ料理は安いのですが辛いのでお腹を壊します。タイ人でもお腹を壊す人は意外と多いそうです。
冷たい飲み物も体に良くないですし、エアコンが効きすぎて部屋の中は寒かったです。
早く日本に帰りたいと思っていたので、今回帰国することができて嬉しいです。
調味料の他にはパスタソースなどを持ってくることをオススメします。
パソコンや携帯はタイも日本も値段が変わらないので、日本で買った方がいいのではないでしょうか。
R.T.さんの体験談を読んでタイ就職のイメージを持ってもらえたかと思いますが、以下のような不安もあるかと思います。
- タイで自分に合った仕事があるか?
- タイでビザは下りるか?
- タイに適した履歴書や職務経歴書の書き方
- 面接でのアピール方法
- 将来のキャリア戦略
こういう不安を一人で抱え込むのはつらいですよね。
タイ就職の進め方に不安がある方は、海外就職に特化したキャリアコンサルタント・グローバル人材塾の無料キャリア相談を受けてみることをお勧めします。
百人いれば百通りのキャリア戦略がありますので、ぜひプロの力を活用してタイ就職を実現してください。
グローバル人材塾の詳細は海外就職の希望者は必見!グローバル人材塾をオススメする3つの理由の記事をご参照ください。