しょーじさんは北インドのデリー・グルガオンと南インドのバンガロールで生活した経験をお持ちのため、北インドと南インドを比較する視点から貴重なお話を伺うことができました。
なおデリーとグルガオンは隣接しており、地下鉄で1時間ほどの距離にあります。
一方、デリーとバンガロールは2,000km近く離れているので、同じインドといえども気候や人の気質、言語などが異なります。
この記事を読めば、デリーとバンガロールの生活の違いが分かります。
しょーじさんはTwitterで活発に情報発信をしているので、インドについて知りたい方は必見です。
インド新卒海外就職についてブログ記事にして頂きました!
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— しょーじ🇮🇳@バンガロール (@shojishoji_in) March 28, 2020
なお、本記事では1ルピー=1.5円として計算します。
記事中の※はしょーじさんのコメントではなく、ブログ管理人による補足事項です。
この記事はしょーじさんの生活に関する記事ですが、仕事に関する記事は新卒でのインド就職に成功する秘訣とは?会計事務所勤務しょーじさんをご参照ください。
インドのビザの取得
前職も現職もビザは必要書類を調べて自分で手配しましたが、大きな問題はありませんでした。
前職のときは本当にスムーズでしたが、現職の就労ビザ申請の際は前職の退職レターの手配が必要だったので、その点が少し大変でした。
※2020年3月現在、インドの就労ビザ基準は「年収162万5千ルピー(約250万円)以上であること」という条件だけなので、職歴のない新卒の方や、大学を卒業していない方でも就労することができます。
2020年現在はe-FRROというオンライン申請ができますが、初めてインドへ来た2017年当時はFRROの役所へ訪問して申請をしなければなりませんでした。
FRRO事務所へは4回ほど訪問しましたが、毎回3時間ほど待たされた上に、訪問するたびに担当者が代わって要求される書類が変わったりしました。
バンガロールでの申請時(2019年)にはe-frroが導入されていました。
しかしデリーからバンガロールに転職する人が少なかったようで、結局何度かFRRO事務所を訪問しなければなりませんでした。
バンガロールのFRRO事務所では1回インタビューがあり、それっきり連絡がなかったので2回目以降もフォローアップのため訪問しました。
銀行口座の開設までに3ヶ月ほどかかり、口座開設までは給料も振り込まれなかったので、その間の3ヶ月は日本のお金を崩して生活していました。
デリーとバンガロールの生活費
しょーじさんの1ヶ月分の生活費(バンガロール)
項目 | インドルピー | 日本円 |
食費 | 20,000 | 30,000 |
家賃 | 30,000 | 45,000 |
電気代 | 700 | 1,050 |
携帯電話代 | 470 | 705 |
WiFi | 999 | 1,500 |
交通費 | 7,000 | 10,500 |
合計 | 59,169 | 88,755 |
月20,000ルピー(30,000円)くらいです。
平日の昼ご飯は社食でカレー、ご飯、サラダを食べていますが、50ルピー(75円)ほどです。
夜ごはんや半分は自炊で、残りの半分はZOMATOやSIGGYというアプリを利用して出前を注文しています。
3割インド料理(ミールスなど)、7割がアジア系(チャーハンなど)です。
ZOMATOで注文するときは200~300ルピー(300~450円)ほどかかります。
週末はzomato mix 200〜300ルピー
外食はほぼしません。特にバンガロールは渋滞が酷いので遠出する気にはなりません。
油、ミルク、缶詰といったインド人も使う調味料や、卵などの持ち運びが大変なものはBig BasketやAmazonを利用してデリバリーしてもらいます。
醤油やみりんといった日本の調味料については、デリーでは大和屋という日本食材店や韓国食材店で入手できます。
韓国食材店はデリーとグルガオンにそれぞれ2~3店舗ずつありました。
バンガロールで日本の調味料は売られていないため、日本への一時帰国の時かバンコク、デリーなどで購入してきます。
一方、野菜などで新鮮さを求める時はデリバリーではなくスーパーへ買いに行きました。
野菜は1kg数十〜100ルピー(150円)で買えるので、とても安いです。
肉については、一般のスーパーでもチキンやマトン(羊肉)は買えます。あとは魚を売っていることもあります。
鶏肉については1kg100ルピー(150円)ほどです。
インドにしては珍しくバンガロールにはステーキ屋は多いですが、それでもスーパーで牛肉や豚肉は販売されておらず、専門店へ行かないと買えません。
自炊をするときは1食あたり100ルピーくらいのイメージで、1ヶ月の食費は月20,000ルピー(30,000円)ほどです。
1年目はデリーで家を借り、2年目はグルガオンへ引っ越しをしました。3年目の今は転職後、バンガロールで家を借りています。
しょーじさんが住んだデリー、グルガオン 、バンガロールの家の情報をまとめると下記の通りとなります。
デリー | グルガオン | バンガロール | |
家賃 | 25,000ルピー | 25,000ルピー | 30,000ルピー |
敷金 | 会社払い | 会社払い | 60,000ルピー |
間取り | 1BHK | 1BHK | 2BHK |
管理人に英語は | 通じない | 通じない | 通じる |
自家発電 | なし | なし | あり |
デリーの家は勤め先の会社の社長のおじいちゃんが所有していた家で、グルガオンの家は社長の親戚が所有していた家でしたので、相場よりは安かったと思います。
敷金(デポジット)は会社が払ってくれていて、毎月の家賃は給与から天引きされていました。
※デリー、グルガオンの敷金は通常家賃の1ヶ月分です。
デリーの家は1BHKで、1ヶ月の25,000ルピー(37,500円)/月で、電気代も込みでした。
リビングが広かったです。
グルガオンの家は2BHKで、家賃は同じく25,000ルピー(37,500円)/月(電気代も込み)でした。
デリーは古い家が多いため、何回か修繕をしているようです。
水道が止まることもありましたし、ギザが燃えたこともありました。
※ギザというのはインドの湯沸かし器のことで、シャワーを浴びる15分くらい前にギザをつけておくとお湯でシャワーを浴びることができます。ギザが小さいと少しの間しかお湯を浴びられません。冬のデリーでは寒いので、デリーの家選びにおいてギザの大きさはとても大切です。
電気接続が悪く、ギザが発火してしまうのです。何度も発火しました。
その都度、オーナーに言って修理工を派遣してもらい応急措置をしながら騙し騙し使っていました。
オーナーはヒンディー語しか話せませんでしたが、英語の聞き取りはできるようなので、私がひたすら英語で一方的に主張をしていました。
全く伝わらない時には時は会社の人に電話をしてヒンディー語で話してもらったり、近所の人を呼んで通訳してもらったりしていました。
グルガオンはコンドミニアムでしたので管理人(但し、やはり英語できません)がいて、その人を呼んでいました。
会社に電話で要件を伝えて、会社から要件を伝えてもらうこともありました。
オーナーとの相性は特に悪くありませんでしたが、設備が古いのだけが難点でした。
1BHKで月30,000ルピー(45,000円)、家具付きです。
バンガロールの家は敷金(デポジット)が10ヶ月分であることが一般的でしたので、とりあえず2か月のデポジットでOKな家を見つけて臨時で入居したのが今の家です。
近いうちにもっと良い家を見つけて引っ越しをしたいと思っています。
Lock-in periodはなく、2ヶ月前の通知で出られます。
※Lock-in periodとは最低入居期間のことです。例えばLock inが1年の場合、たとえ1ヶ月で退居しても1年分の家賃は払わなければなりません。
築2~3年の新しい家で、内装も良く設備の不備もありません。オーナーも英語を話せるのでとても助かります。
バンガロールのオーナーは日本でいう弁護士?司法書士?のような法律資格を持っているようで、優秀なので助かります。
デリーやグルガオンの家は社長の親族の家だったので紹介でした。
一方、バンガロールの家はnon-brokerというアプリで探しました。このアプリを使えば不動産仲介手数料を支払う必要がないところが良いです。
デリー・グルガオンはほぼ毎日に停電が発生したにも関わらず、マンションに自家発電装置がなかったため停電したら消えっぱなしでした。
真夏の45度の熱帯夜の中、クーラーも扇風機も止まり汗だくになりながら水を浴びて寝るようにしていましたが、暑くてなかなか眠れませんでした。
バンガロールの家はフルバックアップの家で、停電になっても自家発電装置が稼働して照明もクーラーもつきますが、そもそもバンガロールでは停電が1ヶ月に1回しか発生しません。
※フルバックアップとは、停電時にも全ての家電が自家発電装置で動く家のことです。家によっては「停電時には照明と扇風機のみが動き、冷蔵庫は止まるので食べ物は全部腐る」といった家もあるので入居時に確認が必要です。
またバンガロールは1年を通じて涼しく、25~30度くらいなので、エアコンをつけることは年に数回しかありません。扇風機だけで十分です。
暮らしやすさで言うと、圧倒的にバンガロールの方が暮らしやすいです。
デリーでは毎日のトラブルが半端ではありません。一方、バンガロールはデリーほどは問題が起こりません。
逆に言うと、デリーの方が毎日様々な困難に直面するため、問題解決能力が鍛えられる環境にあります。
生活も仕事もデリーの方が本当にトラブルが多いです。
例えばUBERに乗っていても、デリーの方が警察に止められてトラブルになることが多いです。
インドはデリー→ムンバイ→バンガロールの順にトラブルが多い印象です。
デリー | バンガロール | |
気温 | 冬の気温は1桁台、夏は45度 | 1年を通して25~30度 |
冷暖房 | 冬は暖房必須、夏は冷房必須 | 暖房不要、冷房は年に数回 |
停電 | ほぼ毎日 | 月に1回程度 |
英語 | あまり通じない | よく通じる |
※しょーじさんにお話し頂いた内容を表にまとめました。インド在住者の中にはバンガロールに憧れる方も多いですが、上記の表を見て頂けばバンガロールがデリーと比べて如何に快適な環境なのかが一目瞭然ではないかと思います。
電気代は1ヶ月700ルピー(1050円)です。バンガロールではエアコンをかけることは1年を通じてほぼありません。
どうしても暑い時だけ、年に数回つけますが、基本的には扇風機だけで大丈夫なので電気代はかなり抑えられます。
携帯電話のキャリアはAirtelですが、電話代は1ヶ月470ルピー(705円)です。
部屋のWiFiは1ヶ月 999ルピー(1500円)です。
デリーとグルガオンにいたときは会社支給のドライバー付き車で通勤していました。
基本的に私が1人で使っていましたが、たまに他の社員とシェアをしていました。
社有車はプライベートでもたまに使えました。
バンガロールではUBERで通勤していますが、距離は7kmで100ルピー(150円)ほどかかります。こちらは自己負担です。
近い移動(車で5分くらい)の時はオートリキシャに乗りますが、こちらは30ルピー〜50ルピー(45円~75円)ほどです。
状況によって使い分けています。
ヘアカットはモールに入っているような中級のお店でやってもらっていますが、400ルピーくらいかかります。
歯医者だけかかったことがあります。
グルガオンのモールに入っている外国人向けの歯医者で、詰め物の入れ替え作業をしてもらいましたが、4本治してもらって40,000〜50,000ルピー(60,000~75,000円)しました。
4本うち1本は虫歯が進行していたので、15,000(22,500円)セラミックで被せ物を作る
1本10,000ルピー(15,000円)くらいのイメージです。
あとは、皮膚科でアレルギーの診察をしてもらいました。コンサル料500ルピー〜1000ルピー(800~1500円)と薬代です。こちらはローカルの医者でした。
医者にはどの薬を使ったら良いのかを教えてもらいました。
なお会社の医療保険では入院だけカバーされているので、診察代は全額自己負担でした。
ドライクリーニングを依頼しています。スーツをフルでクリーニングしてもらうと1,000ルピー(1,500円)ほどかかります。
バンガロールでは虫はほぼ出ません。デリーは2〜4月頃に蚊が大量にでました。
5月過ぎると暑すぎて蚊も出ません。
デリーでもバンガロールでも虫にはあまり困りませんでした。
※インドは5月に最も暑くなる地域が多いです。
バンガロールの治安は良いです。特に昼間に関しては全く問題ありません。
一方、デリーとグルガオンはちょっと嫌な感じがすることがありました。少なくとも夜10時以降に外を歩ける雰囲気ではありません。
具体的には、ひょっとしたら麻薬をやっているのではないかと思われる人がいたり、街中で怒鳴っている人がいたりしました。
私自身は酷い目にはあったことはありませんが、気をつけた方が良いと思います。
デリーとグルガオンでは、レストランなどを除き英語は基本的には通じません。
従って、ヒンディー語ができないと不便を感じることはあります。
何となく英語を理解してもらえるのでメチャクチャ苦労したわけではありませんが、最低限のヒンディーは必要ではないかと感じました。
バンガロールでは問題なく英語が通じます。
デリーとグルガオンの状況は酷いです。空気清浄機は購入しましたが、気休め程度にしかなりませんでした。
一方、バンガロールはちょっと砂っぽいくらいで空気は綺麗でした。
- Clear Trip 旅行をするときに飛行機の予約などをするためのアプリです。とても見やすいデザインで使いやすいです。
- Non-broker 先ほどご紹介した、住宅を探すためのアプリです。このアプリで家を見つければ不動産仲介手数料がかかりません。
- Urban Clap 修理工などを呼ぶことができるアプリです。電気やACなどを修理してもらうことができ、1回あたり200~500ルピー(300円~750円)で呼ぶことができます。部品の交換等が発生した場合には別途部品代が必要です。
- Pay TM インドで主流の決済方法はPayTMとGoogle Payですが、PayTMでは映画のチケットを予約し、支払をすることもできます。そこがGoogle Payとの違いです。
基本的に外出はせず家にいます。先ほど言った通り渋滞が酷いので、外出をする気になりません。
家で映画を見たり本を読んだり、近くのカフェでのんびりしたりしています。
日本の休日と変わりません。たまに友達とご飯食べることもあります。
日本人会のサークルなどには参加していません。集団で日本人と会うことはほぼありません。
日本人サークルには駐在の方が多いですが、駐在の方は私よりも年上の方が多く、年齢層が異なるためなかなか共通の話題がありません。
現地採用の人はあまり日本人サークルには顔を出していない印象です。
インドに対しては期待値ゼロで来たので、インドの印象がネガティブに触れることはありません。
期待値が高いとストレスが高くなるので、期待値を下げれば下げるほどストレスの原因が減るはずです。
インドに対して何も期待しないのがインド生活のポイントです。
何も期待していなければインドの良い面も感じられます。例えば、先ほどご紹介したような便利なアプリも意外と発達していて、思ったよりも過ごしやすいです。
バンガロールといえどもまだまだ道路はガタガタですし、インフラという面では未成熟ですが、日本とは異なり通勤で電車に乗らなくていい点は助かっています。
日本に期待できることは美味しいご飯だけで、日本へ帰りたいと思うことはありません。
インドで働くと希少性が上がりますし、日本ではなかなか会えないような大手企業の方とも話す機会を得られます。
日本人なら誰もが知っている大企業でインド事業を任されている役職の人と会える機会もあります。
日本で働いていて20代の若手社員がそんな人と話をする機会はなかなかないと思うので、生活面が大変でも日本へは帰りたくありません。
日本の調味料と缶詰です。
インドは住んでみると意外と居心地が良いです。
しょーじさんの体験談を読んでインド就職のイメージを持ってもらえたかと思いますが、以下のような不安もあるかと思います。
- インドで自分に合った仕事があるか?
- インドでビザは下りるか?
- インドに適した履歴書や職務経歴書の書き方
- 面接でのアピール方法
- 将来のキャリア戦略
こういう不安を一人で抱え込むのはつらいですよね。
インド就職の進め方に不安がある方は、海外就職に特化したキャリアコンサルタント・グローバル人材塾の無料キャリア相談を受けてみることをお勧めします。
百人いれば百通りのキャリア戦略がありますので、ぜひプロの力を活用してインド就職を実現してください。
グローバル人材塾の詳細は海外就職の希望者は必見!グローバル人材塾をオススメする3つの理由の記事をご参照ください。