本記事では1ルピー=1.5円として計算します。
文中の※印はE.A.さんのコメントではなく管理人の注記事項です。
公務員から途上国の現地採用へ
大学卒業後は公務員をしていたのですが、公務員は定型的な業務が多く、また職場の方も安定志向の人が多くて考え方が合わなかったので、転職したいと思っていました。
日本でも転職活動をしてみましたが、公務員のキャリアが評価されないためうまく行きませんでした。
アラサーから民間企業でのキャリアを積むことを考えたとき、日本国内よりも海外の方がチャンスが多いのではないかと考えました。
また私は学生時代に1年ほど海外へ留学をしており、もともと海外に興味がありました。
未経験にも門戸が開かれており、キャリアアップのチャンスがある国で働きたいと思いました。
途上国であれば希望者が少ないため競争が少なく、恐らく採用に困っている企業も多いためチャンスがあるのではないか、また途上国の経験があればどんな環境であっても生きていける力がつくのではないかと考えました。
最初はアフリカを希望しました。
アフリカには日系の転職エージェントがないので、GoogleやTwitterを利用して自分で探しました。
具体的には、アフリカで起業をされているスタートアップの経営者の方をTwitterでフォローして「採用していませんか?」と尋ねたりしていました。
何社か面接を受けましたが、アフリカへの就職はうまくいきませんでした。
アフリカの次に注目したのがインドです。
インドでは転職エージェントへ登録して4社〜5社ほど面接を受けました。
商社の総務や、日系の駐在員向けのサービスをやってる会社をご紹介いただきました。
現在の会社は物流関係の会社(Forwarder)で、私は営業を担当しています。
私は貿易や物流にもともと興味があり、特にフォワーダーであれば陸海空の全てのサプライチェーン全般の専門知識や経験を体系的に身につけられるのではないかと考えました。
引越屋さんも受けましたが、Fowarderほどの専門知識は身につけられないように感じました。
とても面倒見の良い会社で、上司に何を質問しても丁寧に教えてくれるので、非常に良い会社に入れたと思っています。
- どうしてインドでの就職を希望するのか?
- 何年くらい働けるのか?
TOEICの点数は700点くらいでした。
日本にいる間に独学で英語を学びましたが、スピーキングは得意ではありません。
面接で英語チェックのあった会社もありましたが、入社した企業では英語チェックはありませんでした。
ビザは、基本的に会社が手配してくれたので、やることはほぼありませんでした。
外国人登録(FRRO)も職場の総務の方が手配をしてくれたのでスムーズでした。
ただ登録の時に日本の免許証かマイナンバーのコピーが必要になるため、それは日本から準備する必要があります。
銀行口座は作成までに1ヶ月ほどかかりました。
サプライチェーンのスペシャリストを目指す
物流企業のジャパンデスクを担当しています。
- インド人スタッフが収集したインドの物流に関する情報を和訳する
- 顧客からの問い合わせを担当部署へ振り分ける
- 問題が発生した時に、問題の原因を突き止める
- 法人営業(ルート営業)
といった仕事をしています。
但し未経験で就職したため、現在は勉強をしている期間であり、上司からは「1年後にはこの仕事ができるようになってね」と言われています。
正直なところまだ研修のような感じで、上司の金魚のフンみたいに話し合いの場に一緒に行って話を聞くくらいのことしかしておらず、給料分の価値は提供できていません。
前職は公務員であり、日本の中でも特殊な職場だったと思うので、前職と現職との違いが日本とインドの違いに起因するものなのか、それとも役所と民間企業の違いに起因するものなのかは分かりません。
現職ではTEAMS(チャットやオンラインミーティングのアプリ)を使いこなしていますし、コロナウィルスの影響によるリモートワークもスムーズにできています。
一方、公務員の職場は頭が硬かったため、古いやり方に固執していました。
今は8:00に家を出て8:30に職場に到着し、17:30に出て19:00に家に到着します。
夕方は渋滞があるので帰りは少し遅くなります。
8:30~17:30が定時ですので、残業はありません。
インド人とのコミュニケーションは全て英語なので、英語は日々使っています。
但し、喋るのには自信がないため聞くことが多いです。
ムンバイはインドの様々な地域から人が集まっているため、インド人スタッフの訛りも多種多様のため中々慣れません。
正直、まだ研修を受けているような立場なので、苦労していることは特にありません。
但し私より立場が上のインド人マネージャーに業務のリマインドをしなければならない時は、プライドを傷つけないようコミュニケーションをしなければならないため気を使います。
論点ずらしたり、人の話を聞いてなかったりすることです。
インド人はみんなディベート好きで、自分に都合が悪いことになると論点ずらしてどうでもいい話をする傾向があります。
会議でも、どうでも良い話ばかりしたまま最後まで結論を出さずに会議が終わってしまうこともあります。
論点をすり替えされたら話を元に戻すことが重要です。
入院した時のみ対象となる医療保険があります。
また日本への帰国費用が年に1回だけ支給されます。
会社を選ぶときには、面接で業務内容をよく聞いて、キャリアに繋がる業務内容かどうかを念入りに確認した方が良いです。
転職が成功か否かは実際に働いてみるまで分からないものですが、海外はそれなりのリスクがあるので、面接でよくよく吟味して頂きたいです。
「現地採用は悲惨だから絶対に辞めた方が良い」という現地採用の方もいますが、面接時に業務内容についてきちんと吟味されていたのかどうか疑問に思います。
失敗しても自己責任なので覚悟は必要ですが、国内転職では得られないキャリアが得られるのは海外就職の良い点です。
ムンバイの生活情報
ここからは、E.A. さんにムンバイでの生活情報をお伺いします。
ルピー | 円 | |
食費 | 20,000 | 30,000 |
家賃 | 56,000 | 84,000 |
電気代 | 2,000 | 3,000 |
水道代 | 0 | 0 |
ガス代 | 150 | 225 |
WiFi | 1,000 | 1,500 |
合計 | 79,150 | 118,725 |
朝食は自分で適当に自炊しています。
昼食は職場でデリバリーを頼むか、職場にあるレストランで食べます。お昼は300ルピー以下です。
夕食も自炊しています。
1ヶ月の食費は20,000ルピーくらいです。
スーパーへ行けば鶏肉も冷凍の豚肉も、海鮮もあります。
野菜は1kg数十ルピーで買えるのでとても安いです。
ムンバイには日本食材を売っているお店はありませんが、大きいモールの中に入ってる高級食材店には醤油があったり日本米があったりします。
米と調味料は日本から持ってきています。
デリーと比べると、ムンバイには日本人の味覚に合うレストランは多くなく、日本食レストランもデリーほどは美味しくないので、ムンバイでは自炊ができないと辛いと思います。
「自炊できないと地獄だ・・・」と駐在員の男性は言っています。
1ヶ月の家賃 | 56,000ルピー(84,000円) |
間取り | 1LDK |
広さ | 380sqf(35平米) |
デポジット(敷金) | 20万ルピー(30万円) |
家具家電の有無 | 家電のみ(Semi-Furnished) |
最低契約期間(Lock-in period) | 11ヶ月 |
家賃の値上げ | 1年ごとに7% |
- 家具家電について
Semi-Furnished(準家具つき)の物件で、冷蔵庫とオーブンとギザと電球などの家電はありましたが、家具はありませんでした。
不動産仲介業者が家具の販売もしているので、3万ルピーくらい払って一式購入して運んでもらいました。
- アパートのオーナーについて
アパートのオーナーはグルガオンにおり、何か問題があるときはマンションの管理組合に相談します。
管理組合の人には英語できない人も多いですが、英語のできる人を呼んできてもらったり、身振り手振りで話すなど、何とかしてもらうしかありません。
- 契約について
11ヶ月ロックインの契約です(11ヶ月以内に退居しても11ヵ月分の賃料は払わなければならない)。
家賃は1年で7%ずつ値上がりします。
- その他ムンバイの住宅に関して
今の家は停電などもなく、虫も出ないので家に不満はありません。
ムンバイの現地採用の家賃相場は4〜6万ルピーくらいですが、家賃をルームシェアしてる人もいる
※インドの中ではムンバイだけ突出して家賃が高く、デリー、バンガロール、チェンナイの家賃相場は3〜4万ルピーです。
最初はインド系のブローカーに頼みましたが良い家が見つからず、知人の紹介で知った日本人向けに不動産を紹介しているインド人ブローカー(日本語ができます)に今の家を紹介してもらいました。
20件ほど家を見せてもらいました。
会社が通勤車(営業車)を支給してくれており、月曜から土曜まで使えます。
土曜に買い出しへ行くときにも1人で営業車を使えるため、UBERなどのタクシーは数回しか使ったことがありません。
体が痒くなって皮膚科へ行ったことがあります。
ムンバイの私立病院へ行きました。
大きくて綺麗な病院だったので、不安はありませんでした。
予約して行きましたが、初診料が1,000ルピーで薬が500ルピーでした。
無料で日本語の医療アテンドをしてもらいました。
エリアによって治安状況は異なりますが、私の家の周りに関してはそんなに危なくないと思います。
夜10時くらいまでスタバに行ったりしてることもあるけど、徒歩でスタバから家に戻って来るときに危険な感じがしたことはありません。
なお日本人はBandraとかPowaiといったエリアに固まっています。
ムンバイには夜遅くまで女性も含めて大勢の人が出歩いており、肌を露出をしている人もいます。
ウェスタナイズされたインド人がいっぱいいるので快適ではありますが、あまりインドっぽくなので退屈です。
但しエリアによっては治安の悪そうなところもあり、明らかにスラムのところには行きません。
タクシー(UBER)でも、レストランでもスーパーだいたい英語は通じます。
現地語のヒンディー語やマラーティー語が分からずに不便を感じたことはありません。
日本人と関わる機会は少なく、基本的に家に引きこもって家事をするか、モールへ買い物に行きます。
何ヶ月かお金を貯めて旅行をしたいです。
インド人は思ったより親切だと思いました。
親切に色々と教えてくれようとしてますし、可愛がってくれます。
日本で働いていた時は残業がありましたが、インドでは定時でパシッと帰れるので嬉しいです。
一方困るところは、私は洋服を見たり買うのが好きなのですが、インドの洋服はちょっとセンスが違うのでつまんないと思います。
日本っぽいOLの服を買いたいと思っても、そういうのがありません。
西洋風の服を売ってる店もありますが、やはりセンスが違うと思います。
インドではZARAとH&M以外に服を買えるところがないです。
もう1つインドが困るところは、道が渋滞していて家から職場まで7kmなのに2時間かかることです。
ハッキリ言って時間がもったいないです。
しかし、日本へ帰りたいと思ったことはありません。
- 日本の調味料
- 洋服
- 証明写真
は持参することをオススメします。
それ以外のものはインドで入手できます。
化粧品なども大丈夫です。
※E.A.さんの体験談を読んでアジアでの海外就職に興味を持った方は、ぜひ【はじめてのアジア海外就職】実現までの道のりまとめの記事をお読みください。