この記事では、1円=140ルピアとして計算します。
成長著しいインドネシアへ
幼少の頃にマレーシアで暮らしたことがあり、東南アジアが好きで、大学時代も東南アジアのNGOにインターンなどをしていました。
日本で働いていた頃は欧米人と仕事がすることが多かったですが、成長著しい東南アジアの地で働いてみたいと思っていました。
インド、フィリピン、インドネシア、シンガポール、マレーシアの求人も見ていましたが、基本的には国よりも仕事を基準に選びました。
しかしインドネシア自体にも魅力を感じました。
インドネシアは世界第4位の人口、平均年齢が29才という今後の成長性が期待される国です。
例えば、インドネシアで日系のレストラン経営やお菓子販売をしている企業を訪問したとき、「ジャワ島以外の島などにも販路を広げれば広げるほど売り上げは伸びていく」という話を聞いて、まさにインドネシアの経済が伸びていることを実感しました。
インドネシアは成長途上のため、既に経済成長を達成したタイやマレーシアと比べると生活環境はキツく、就職希望者は少なく、売り手市場という点も魅力です。
業界の仕事にとても興味があり、やりたい仕事でした。
また、日本株の売買を趣味程度にやっていたときに、その企業のビジネスモデルや成長性に注目していた企業でした。
マレーシアやタイと比べて待遇が良いということもありました。
未経験の業界でしたが法人営業の経験があったこともあり、内定をもらうことができました。
- 法人営業でのお客様との関わり方
- 法人営業でどのような成果を出したか
- 仕事をする上で意識していること
などです。
TOEICは900点でした。
前職でもメールや電話会議、出張などである程度英語は使用していました。
基本的に会社が全てやってくれましたので、苦労したことはありませんでした。
- 卒業証明書
- 前職のReference Letter
などが必要でしたが、前職の人事がすぐに対応してくれました。
ビザの登録は日本の大使館で申請できるのですが、時間がなかったのでインドネシアへ来たあとタイへ渡航し、タイのインドネシア大使館で申請しました。
ビザの更新はシンガポールでやる人が多いです。
入社後すぐにマネジメント業務を担当
インドネシアの市場について情報を収集してクライアントに情報提供をしたり、無形商材を扱う業務を行なっています。
会社は日系企業で、売上の4割が外資または現地企業、6割が日系企業です。
私の担当は法人営業で既存顧客への対応、新規顧客への提案、現地ローカルスタッフのマネジメントを担当しています。
私の上司にあたる駐在員が退職することになり、インドネシア拠点で常駐している日本人は私だけという状況になりました。
オフィスにはインドネシア人のスタッフが10数人ほどいます。
現在は、他のASEANの国に日本人上司がいますが、とても良い関係で、いつもアドバイスをもらいながら仕事しています。
日本の本社経由での仕事の依頼や、インドネシアの日系企業のつながりから仕事がもらえることもあり、完全な新規獲得にそこまでまだ注力していません。
日系企業のマーケティング予算は年々限られてきており、会社としては外資やローカル企業への提案により力を入れていくつもりです。
前職は大企業でしたが現在の企業は(日本本社も)規模がそこまで大きくないため、日本とインドネシアの違いよりも社風の違いが大きいです。
前職では何を決めるにも時間がかかりましたが、現職はスピード感があります。
そして、前任の駐在員が退職したことにより私がインドネシア拠点で唯一の日本人となったことにより、インドネシア人スタッフのマネジメントや日本の本社へのレポートも担当するようになりました。
前職ではマネジメントの役職に就くのは、40代以上からでしたが、今の会社は年齢に関係なく、どんどん責任のある仕事を任せてもらっています。
日本語ができるインドネシア人スタッフもいますが、英語の方が上手いので、スタッフとは英語でやり取りをします。
日々ローカルスタッフに英語で仕事の説明や指示を行い、フォーマルな英語の文章の作成なども行うので、英語力は日々上がっています。
日常生活でも英語のニュースを見たり聞いたり、できる限り英語力を上げるように意識しています。
またクライアントが日系企業であっても先方のローカルスタッフと英語でやり取りをすることもあります。
インドネシア人同士の会話やメールはインドネシア語で行なっているようですが、基本的に会社の共通言語は英語です。インドネシア語も勉強中です。
定時は9:30〜18:30ですが、実際には8:30~21:00くらいで働いています。
前職はメーカーだったので、担当している製品とお客さんは限られていましたが、現職は無形の商材を扱っており、クライアントはあらゆる業界におり、様々な種類の異なる仕事を短時間にこなす必要があるので、非常に大変です。
インドネシア人は定時で帰ることが多いですが、イベント前などで仕事があるときは残業してくれます。
現職のインドネシア人スタッフは、インドネシアの中では高い経歴の人が多いため責任感も強く、働きやすいです。
一方、クライアントも一流企業の社員の方が多くインドネシアの実情をよく理解してくれるため、人間関係でのストレスはありません。
スタッフに修正や追加を依頼するときに「インドネシアではそんな細かいことは気にしない」と言われることがあります。
日本人顧客の求めるクオリティを担保するためには、スタッフに厳しく言わざるを得ないこともあります。
インドネシア人スタッフにもプライドがあるので、日本の基準を簡単には理解してくれません。
私の業務ではインドネシアのマーケット情報などを正確に伝えなければならず、誤った情報を伝えると信用を失うことになるので、そこが大変です。
インドネシアではメディア自体にも誤字脱字があったりするので、意識の差があると感じます。
但しそうは言っても優秀な社員が多いので、仕事の納期は守ってくれますし、言えば直ります。
ローカルメンバーとの仕事に少し慣れてきました。
コミュニケーションを取るとき、目的、内容、期限、誰が責任者かなどを明確に説明するよう心がけています。
特に、それぞれの仕事をどのような目的で行うのかについて丁寧に説明をするように心がけると、アウトプットのズレが少なくなってきました。
きちんと説明すれば適切なアウトプットを出してくれることを理解したので、きちんとしたアウトプットが出てこないときは自分の説明不足だということが分かりました。
医療費は実費を会社へ請求する形です。
今回のコロナでの日本への一時帰国費用について会社が負担してくれています。
Aさんの生活
ここからはAさんのジャカルタでの生活について詳しく伺います。
Aさんの1ヶ月の生活費
Aさんのジャカルタでの1ヶ月の生活費はおおよそ以下の通りです。
項目 | インドネシアルピア | 日本円 |
食費 | 5,000,000 | 35,714 |
家賃 | 6,500,000 | 46,429 |
水道光熱費 | 450,000 | 3,214 |
携帯電話代 | 150,000 | 1,071 |
WiFi代 | 500,000 | 3,571 |
交際費 | 3,000,000 | 21,429 |
被服費その他 | 2,000,000 | 14,286 |
支出計 | 17,600,000 | 125,714 |
食費は月に35,000円くらいです。
1食あたり(ルピア) | 1食あたり(円) | |
朝ごはん | 30,000 | 214 |
社食(インドネシア料理) | 37,500 | 268 |
日本食レストラン | 100,000 | 714 |
タイ料理など | 80,000 | 571 |
ジャカルタにはファミリーマート、ローソン、ファミリーマートといったコンビニもありますが、日本と比べると少し劣化版です。
デリバリーも利用できます。
インドネシア人は野菜を食べないので、インドネシアで外食をすると揚げ物ばっかりで苦労します。
なお私はジャカルタ市内に住んでいますが、ちょっと郊外だと違うかも知れません。
会社の近くのスーパーにパパイヤという日系のスーパーがあり、そこで肉も魚も手に入ります。
現地の野菜は安いですが、輸入野菜は高いです。
欧米系のスーパーでも肉や野菜を購入できますが、地元の人が行くような市場は行ったことはないです。
但し買った野菜に虫が入ったりするので、日本食レストランをデリバリーする駐在員も多いです。
みりんも味噌もカレーのルーも手に入りますが、日本の2〜3倍はします。
自分の前任の駐在員が住んでいた部屋をそのまま引き継ぎました。
1ヶ月の家賃 | 650万ルピア(約46,000円) |
間取り | 1K |
広さ | 30平米 |
階数 | 49階 |
契約期間 | 3ヶ月 |
デポジット(敷金)の金額 | 500万ルピア(約3.3万円) |
問題点 | 虫が多い |
私が住んでいるところは去年開通した電車の駅も近い中心部ですが、ジャカルタ中心部で46,000円という家賃は破格です。
中心部で日本人が住むアパートだと10万円以上はするところも多いです。私は家賃を節約して、その分たくさん旅行などに行こうと思っています。
少し古いアパートなので安いのですが、下にはファミリーマートや洗濯屋さんがあり、会社へも徒歩で行けるので、特に不自由はしていません。
家にはプールーやジムもついているので節約しようと思えば使えますが、私は使っていません。
なお20代前半だとコスという共同のシェアハウスに住んでいる方も多いです。
コスはキッチンとリビングが共同で、シャワー・トイレ付きの自分の部屋があるシェアハウスです。
コスであれば50,000円もしないところが多いですが、中には75,000円くらいする高級なコスもあります。
郊外だと家賃は下がりますが、ジャカルタは渋滞が酷いので郊外に住むと渋滞に悩まされます。
不動産の仲介業者から「オーナーが良い人」ということで入居しましたが、その仲介業者さんが家のことは全部やってくれます。
実際にオーナーは親切な方で、私の部屋は3ヶ月契約で、3ヶ月分の家賃を前払いしていますが、通常は1年契約のため3ヶ月契約というのは短いです。
オーナーは英語も話せるので大変助かります。
なお49階なのに蟻がよく出ます。ゴキブリも1回いました。
虫はよく出るので殺虫剤は必須です。
なお停電は経験したことがありません。
前に住んでいた人は1回経験したと言っていました。
1ヶ月の水道光熱費計 | 3,000円 |
1ヶ月の携帯電話(10GB) | 1,000円 |
1ヶ月のWiFi費用 | 4,000円 |
携帯電話はプリペイドで、使い終わったら買い足す形式ですが、30日間の有効期限があります。
5GBずつでも買い足すことができます。
私の会社はジャカルタ中心部にあり、家から徒歩10分弱のため通勤費はかかりません。
お客さんのところへはMRTやGrab(タクシー配車アプリ)などを使用します。
タクシー配車アプリの初乗りは150円くらいです。
ジャカルタの街は徒歩で移動することを前提とした作りになってないため、お客さんのところに徒歩では行くことはありません。
ジャカルタは広いのですが、新宿のようなオフィス街、繁華街が各地にたくさんあります。
オフィスから車で10~15分のところにオフィス街がたくさんありますが、雨が降った場合にはタクシーの値段が2〜3倍になります。
なお郊外の工業地帯へ移動すると、車で1〜2時間かかり、その場合には交通費も跳ね上がります。
インドネシアの現地採用はジャカルタの中心部の他に、チカランという工場が多い地帯で働いている人もいます。
なおGrabでは四輪タクシーの他にバイクも利用できます。
休日は道が混んでないのでタクシーを使いますが、平日は電車の方が早く行けたりします。
地下鉄の初乗りは30円くらいです。
日系の美容院があり、カットのみで4,000円くらいかかります。
日本と変わらない価格で日本人に切ってもらえるので、とても助かっています。
ジャカルタ市内に日系の美容院は結構あります。
一度だけ、蟻に噛まれて病院に行ったことがあります。
インドネシアへ来てから3ヶ月以内だったので、クレジットカードの保険で賄うことができました。
ジャカルタには日系の病院もありますが、日系の病院に皮膚科はなかったので「シロアムクリニック」というローカルの総合病院へ行きました。
シロアムクリニックでは病院側が日本語の通訳サービスを無料でつけてくれました。
ローカルの病院でしたが、清潔さなどの面で全く違和感はありませんでした。
利用しています。
10着くらい出しても1000円も行かないので、安価に利用できます。
週に1回、1時間ほど頼んでいます。1回1000円くらいです。
前任の方から引き継いで利用しています。
なお駐在員の中には週に3回くらい利用している方もいて、そうすると1回あたりはもっと安くなります。
上記以外の雑費が2万円くらいかかります。
もし今後ゴルフを始めると、1回1万円弱ほどかかると思います。
その他Aさんの生活全般
家族がジャカルタへ遊びに来た時に、通りすがりのバイク早速iPhoneをポケットから盗まれました。
但しジャカルタでも数少ない観光地、東南アジアで一番大きいモスクの前で盗まれました。
観光地なのでスリに狙われやすかったのだと思います。
生活している中では1回もなく、ジャカルタで日常生活を送っている日本人は現地に融合していれば大丈夫だと思います。
私自身、夜遅くまで飲んでGrabで帰ることもありますが今のところ危ない目に遭ったことはありません。
仕事する相手はほぼ英語が話せますが、生活面ではある程度の現地語が必要です。
- タクシー用語(右、左、真っ直ぐ、止まれ、など)
- 数字
但しインドネシア語はアルファベッドなので、レストランのメニューがわからなくてもググれば写真を検索できます。
そういう点では、タイなどのように全く違う文字を使っている国よりは便利です。
何となく、タイ・ベトナムよりは英語を喋れる人が少し多い気がします。
例えば銀行関係の書類は英語の訳がついており、銀行員も英語ができる人はいます。
賃貸の契約書などはインドネシア語だけですが、Google翻訳で分かるのでそこまでは困りません。
翻訳ツールは駆使しています。インドネシア語を少しずつ勉強中です。
ジャカルタはバイクが多く、インドのデリーほどではないものの大気汚染は酷いです。
とはいえ、家に空気清浄機を設置しているという話はそこまで聞きません。
ジャカルタへ来たばかりの頃はストレスもあったのか、お腹を壊したこともありました。
- Grab(東南アジアで有名な配車タクシーアプリ。デリバリーやマッサージの手配などもサービスは多岐にわたる)
- Gojek(インドネシア独自の配車タクシーアプリ。デリバリーやマッサージの手配などもサービスは多岐にわたる)
- OVO(電子決済サービス。日本でいうPayPayに相当)
友人と食事に行ったり、マッサージやモールなどへショッピングに出かけたり、読書などをしています。
毎月、バリや他の東南アジアの国々に旅行しようと思っていましたが、仕事の忙しさとコロナでまだ全然行けていません。
私はまだ参加していませんが、もし日本人会のサークルに参加すると日本人との繋がりも広がっていくと思います。
野球やサッカーなどのサークルに参加している現地採用の方も多いです。
しかし、友人に友人を紹介してもらうという形で日本人との繋がりは広がっていきます。
そこまで大きなギャップはありません。
ジャカルタはGrab、Gojekなどのサービスや、MRT(電車)が昨年開通したことなどもあり、以前と比べて非常に暮らしやすくなっています。
現地採用でも会社から(ドライバー付き)車を支給してもらっている人もいて、満員電車に揺られることがありません(私は徒歩です)。
日本と比べて職場環境がカリカリしません。
人件費が安いので、クオリティの良いマッサージを安価で受けることができ、Grabでの移動やデリバリーなどの便利なサービスも安価に利用できます。
虫が出ること、また生鮮食品なども日本ほど質の良いものは手に入りにくいことです。
今はLINEやZOOMなどでいつでも日本の家族や友人とコミュニケーションを取れるので、帰りたいと思うことはありませんでした。
但し虫が出たとき、お風呂にゆっくり浸かりたいと思ったときなどは日本へ帰りたいと感じることもあります。
日常での生活面では基本的にはなんでも手に入ります。
但し医薬品関連、化粧品関連などは日本と同じものは手に入らないことも多いので、日本から持ってくると良いかも知れません。
また、保存がきく日本食やお酒もインドネシアでは高額なので、日本から持って来た方がいいです。
イスラム教ではお酒を飲んでは行けないのでお酒は高いです。
酒税が最低でも200%以上するため、日本から焼酎やウィスキーを持ってくる人が多いです。
現地のビールなら1杯500円くらいですが、ワインは一杯1000円以上します。
インドネシアはお酒が好きな人は向いてないかも知れません。
イスラム教のラマダン(断食)の時期には食べるのに気を使います。
イスラム教徒以外にはラマダンは強制されませんが、イスラム教徒の前で堂々とご飯を食べるのは控えた方が良いかも知れません。
また、金曜の午後は男性の礼拝があって仕事が進まないことがあります。
イスラム教徒は1日に5回の礼拝をすることになっていますが、今の勤め先はイスラム教徒ばかりではないので、毎日の礼拝で仕事に支障が出るという状況ではないです。
Aさんの体験談を読んでアジアでの海外就職に興味を持った方は、ぜひ【はじめてのアジア海外就職】実現までの道のりまとめの記事をお読みください。
情報収集の方法から、海外就職実現までの段取りをご紹介しています。