インドは旅行するだけでもそれなりにストレスが溜まります。途上国の旅行は概して大変ですが、インドの場合は東南アジア諸国と比べても特別に注意すべきことがあります。

そこでこの記事では、インド在住者の視点でインド旅行で具体的に何を注意すれば良いのかをご紹介します。インド旅行を計画されている方は予め心の準備をしていかれることをお勧めします。

寺院では足が汚れる覚悟をする

日本でも、神社仏閣を参観するときには靴を脱がなければなりませんが、日本の場合、靴を脱ぐのはあくまでも屋内で、建物の床はピカピカに磨かれています。

ところがインドでは、なんと屋外で靴を脱がなければならない寺院が非常に多いです。屋外なので気温が35度を超える灼熱の地獄である場合には、下手をすると足を火傷します。

屋外なので普通に水溜まりもありますし、場合によっては牛の糞らしきものが落ちている場合もあります。

インドの寺院

見づらいかも知れませんが、上の写真を詳しく見て頂くと、屋外にも拘わらず映っている人が全員裸足です。ここは寺院の入口ですが、ここから一番奥までずっと裸足でいかなければなりません。 

そして、靴は境内に持ち込むことができません。靴を寺院の中へ持ち込むことはヒンドゥーの神様に対して失礼になるのでしょう。

良い寺院であれば靴を預けるカウンターがあって、番号札を受け取って預けるのですが、大抵のところは寺院の入り口に靴が脱ぎ散らかされています。人が多いと、参観後に自分の靴を探すのに一苦労します。 

敬虔な(?)インド人の中には、自宅から裸足で歩いてくる人がいます。外を裸足で歩いてきた汚い足で寺院へ入るのは、靴のまま寺院へ入るのと同じくらい神様に失礼ではないかと個人的には思うのですが、その辺りの感覚は全く異なるようです。

寺院だけでなく教会でも裸足になることを要求されることがあります。チェンナイには「サントメ教会」という教会があります。ここにはキリストの12人弟子の1人である聖トマスの墓があるとされています。

その墓へ参拝するときに裸足になるのですが、インド人がみんな当然のように裸足になるのに対し欧米人は(恐らくキリスト教徒と思われますが)ドン引きした表情をしていました。 

とにかくインドを観光する限り「汚いところを裸足で歩く」ことは避けられません。そのままだと足が汚れて靴を履くときにウンザリするので、インド観光に観光用靴下かウェットティッシュは必携です。

外国人料金に腹を立てない 

途上国の観光地では外国人に割高料金を請求するところが少なくないようですが、インドも例外ではありません。

タージマハールでは、2018年初旬はインド人25ルピーに対して外国人は1000ルピー(40倍)でした。今年1月に聞いた話では、更に値上がりしてインド人35ルピー、外国人1300ルピーになったそうです。今後どんどん値上げしていくと聞いています。

※2019年5月現在、1ルピーは約1.6円です。

国を挙げて外国人からお金を巻き上げるのは凄いことですが、多くのインド人がまだ外国旅行をするほどのお金がない中で、インドまで旅行に来られる外国人からはお金を取ってもいいだろうという考え方も分からなくはありません。 

これは諦めて支払うしかありません。航空券数万円をかけてインドまで来て、たった1~2千円のために観光を諦めるというのは勿体ないでしょう。

もちろん、インド側も外国人観光客のそういった心理を理解して値段設定をしているわけですが・・・ 

日本人でもインド慣れした猛者になると、「私はインド人です」と強引に主張して入るそうです。インドの北東、ミャンマーとの国境付近に「マニプール州」という州があるのですが、そこの住民は東アジア系の顔つきで日本人とも似ています。従って、「マニプール出身だ」と主張してインド料金で入ってしまうのだそうです。

マニプール州の言葉はマニプールの人にか分かりません。マニプール州にもヒンディー語が話せない人は大勢いるので、英語しか話さないからと言って疑われる理由にはなりません。

ただ、そもそもこれは詐欺です。

良い大人はマネせずに大人しく外国人料金を払いましょう。

物乞いに同情しない

 物乞いが多いのはインドに限らず途上国であればどこの国にも当てはまることだと思います。しかし、インドの物乞いのしつこさは次元が違います。酷い人になると1時間以上もついてきます。

物乞いに限らず、インド人は全体的に鋼のメンタルを持っていて、断られたり怒られたりするくらいでは全くめげません。

仕事でも、東南アジアなどで日本人が現地スタッフを頭ごなしに怒ってしまうと傷ついて辞めてしまうという話を聞きますが、インド人はド直球にキツい言い方でハッキリと主張しても殆どへこたれません。

この「鈍感力」は見習うところがありますが、物乞いのメンタルも強いので観光客からすればかなり鬱陶しいです。断っても断っても着いてきますし、場合によっては観光が終わるまで入口で待っていることもあります。

大声でハッキリ「No」と怒鳴りつけて走って逃げる、くらいの対策が必要です。

物乞いは1人にお金を渡すと10人、10人にお金を渡すと100人寄ってくると言っても過言ではありません。

詐欺師を警戒する

インドは、南アフリカのように白昼堂々強盗殺人をされるということは聞いたことがありません。

しかし北インドを中心に、観光地には詐欺師がとても多いです。しつこい物乞い・物売りは無視すれば良いですが、詐欺師は巻き込まれると面倒なことになります。

日本語で話しかけてくるインド人についていったり、夜中に1人歩きをしていたら被害に遭います。インドで行方不明になったまま帰ってこない日本人もいますので、注意が必要です。

特に詐欺の被害をよく聞くのは

  • 深夜のインディラ・ガンディー空港のプリペイドタクシー
  • ニューデリー駅の陸橋

です。ニューデリー駅の陸橋については、「地球の歩き方」にも注意が詳しく書かれており、とても有名な詐欺ポイントであるにも関わらず大勢の人が騙されています。

私は、「地球の歩き方を熟読してニューデリー駅での詐欺のことも予め知っており、無視するつもりで行ったにも拘らず何故か詐欺師に引っかかってしまった」というバックパッカーにバラナシで3人も会いました。

私はまだ通ったことがないのですが、地下鉄のニューデリー駅を出てから国鉄のニューデリー駅の陸橋へ向かうまでの間は本当に厄介な場所のようです。

なお私はバラナシで詐欺に引っかかりそうになりました。インドの治安全般について、詳しくは下記記事をご参照ください。

とはいえ、普通に旅行をしていれば大丈夫です。慣れてきて油断をした時が非常に危ないです。

鉄道はオンラインで予約する

ニューデリー、コルカタ、チェンナイ、バラナシといった大きな駅には、外国人専用の鉄道予約窓口があります。多くの旅行者は外国人専用窓口でチケットを予約しますが、特にニューデリーなどの場合には非常に混雑します。

あるバックパッカーの方から聞いた話では、ニューデリーの外国人専用窓口で4時間近くも待たされたそうです。そこで、鉄道のチケットは旅行代理店を使うかオンラインで予め予約するのがオススメです。

以前はインドの鉄道のオンライン予約にはインドの携帯電話が必要で、決済もインドの銀行が発行するデビットカードでなければ不便だったのですが、日本の携帯電話番号とクレジットカードで簡単に予約ができるようになったそうです。詳しくは下記記事をご参照ください。

インドのオンライン電車予約が便利に!外国人ツーリスト枠が取れます。

但し外国人料金は高めのようです。インド在住の方(インドの携帯電話とインドの銀行が発行したデビットカードがある方)はインド人枠でIRCTCのウェブサイトやアプリからインド人と同じ料金で予約ができます。

いずれにしても、インドの鉄道は事前に予約することをお勧めします。

水道水は飲まない

これはインドに限らず海外であれば当たり前のことかも知れませんが、インドでは絶対に水道水を飲んではいけません。

時々、初めての海外旅行でインドへ来る強者の方で、ホテルの水道水を飲んではいけないということを知らない方がいるので、念のために注意喚起させて頂きます。

インドで水道水を飲んだら大変なことになります。様々な病気を引き起こす可能性があります。

ボトルは蓋が閉まっているか確認する

インドでも水、コーラ、スプライト等のペットボトルは各所で販売されており、ペットボトルの飲料水は流石のインドでも安全に飲むことができます。

スーパーなどで売られているペットボトルであれば問題ありませんが、観光地や道端の露店で売られているペットボトルの水の中には、その辺の水を汲んで蓋を閉めて売っているものもあるようです。

私は一度だけ、買ったら蓋が開いていたペットボトルがありましたが、購入時には必ず蓋が閉まっているか確認した方が無難です。

観光地などで売られているラッシーなども、お腹を壊すことで有名です。

インドの水はA型肝炎や腸チフスなどを引き起こして大変なことになるので、怪しい水は絶対に飲まないでください。

道を尋ねるときには複数人に確認する

インド人は意地悪ではなく親切心から、知らないことでも適当に回答することが多いです。

日本人にとっては間違ったことを教えられるよりは素直に「知らない」と言ってくれた方が親切なのですが、このあたりはインド人とは価値観が違うようです。

このような前提から、インドでは自信満々で道を教えられた場合でも念のため複数人に確認した方が良いです。

これはインド人と出かけたときにインド人から学びました。

そのインド人は、Googleマップを使えない(携帯が圏外)の交差点で道が分からなくなった時、その場にいた人に次々と「〇〇はどこだ?」と聞いて回りました。

1人に聞いて自信満々に「あっちだ」と言われても満足せず、"Thank you"と言った後に次々と別の人にも聞いていきます。

そして、5人くらいが異口同音に「あっちだ」と言ったら初めてそちらへ進みます。

次の交差点へ来たらすぐにまた何人にも聞いて回ります。特に商店の店主などは地元の人なので積極的に聞いていきます。

これを繰り返していくうちに、無事に目的地へ辿り着くことができました。

例えば最初に聞いた人から自信満々に「直進して3番目の角を右に曲がって、突き当たりを左」などと言われたとしても、その通りに進んではいけません。

紙をトイレに流せないがゴミ箱もない

これはインドだけでなく台湾、中国、東南アジア諸国などでも一般的なことですが、トイレットペーパーを便器に流してはいけません。

排水管が細いので詰まってしまうためです。

中国などの場合、便器の隣にトイレットペーパー用ゴミ箱が必ず設置されており、長時間清掃されないと大量のトイレットペーパーにハエがたかって不潔極まりないことこの上ありません。

但しインドの場合、中国や東南アジアと違うのはトイレットペーパーを捨てるゴミ箱がない場合が多いです。

従って、トイレットペーパーが溜まることもなければハエがたかることもなく、トイレは比較的清潔に保たれています。

「インドのトイレ」というと非常に不衛生な印象がありますが、個人的な印象としては中国の方が耐えられないトイレが多かったです(最近はだいぶ清潔になってきていますが)。

なぜトイレットペーパーを捨てるゴミ箱がないかと言うと、インド人はトイレットペーパーを使わず、シャワー(またはン水桶)と左手でお尻を拭くからです。

従って、トイレットペーパーを便器に流してはいけないがトイレットペーパーを捨てるゴミ箱もないというとんでもない状況に追い込まれます。

ここは諦めてインド式にシャワーと左手でお尻を拭くのが1番なのかも知れません。しかし、それが耐えられない場合にはトイレットペーパーを捨てる用のポリ袋などを持参すると良いかも知れません。

それを持ってトイレから出る必要はないかも知れませんが、トイレットペーパーをポリ袋に入れてトイレに放置しておいてあげれば清掃の人も片付けやすいのではないかと思います。

パスポートを紛失しない

どこの国でもパスポートを紛失したら大惨事ですが、インドでは3倍苦労します。

インド警察・FRRO(入国管理局)という2大モンスターと関わらなければならないからです。

パスポート紛失時の具体的な対処方法については、在インド日本大使館のホームページをご参照ください。

苦行目的でインドへ来た修行僧の方以外は、警察とFRROには関わらない方が良いです。

警察・FRROの厄介さについては下記記事をご参照ください。

また、パスポートを紛失した場合の手続きについては下記ブログが参考になります。

インドでパスポートを紛失したら?知識編

パスポートを紛失したら恐ろしいことになるので、緊張感を持って旅行をして頂ければ幸いです。

注意すれば楽しいインド旅行

インド旅行には他の国とは違った独特の注意が必要となることが多いですが、上記の点に注意していればとても楽しく旅行をすることができます。

インドの注意点のほか、インド旅行に必要なものをまとめた記事を作成しましたので、インド旅行が初めての方はぜひご参照ください。

ところで、インドの魅力にハマって「長期でインド旅行」をしたいと思った場合には、会社を辞めてバックパッカーになる方法の他に、インドで就職するという方法もあります。

インド旅行という観点からインドに住むことについて書いた記事もご参照ください。

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