得意なこと

自信のない人が自己肯定感を高めるための7つのステップのうち5つ目は「得意なことを見つける」ということです。

前回の記事行動力のない人がやる気を出して行動力を高めるために必要な考え方では、趣味を見つけるためには新しいことにチャレンジすることが重要で、行動力をつけるには行動しない自分を責めないことが重要、とお伝えしました。

しかし、趣味で好きなことをしていても、仕事が苦痛過ぎると趣味をやる気力すら奪われる場合があります。

趣味と違って仕事は好きなことだけをやっていれば良いというわけにもいかず、誰かの役に立たなければお金が入ってきません。

そこで、負荷を下げるために最も有効なことは得意な分野に集中することです。

得意な分野に集中するためには、前提として自分の得意な分野を自分で理解していなければなりません。

しかし、得意なことを見つけるというのも簡単なことではありません。

そこでこの記事では、得意なことを見つける方法についてご紹介します。

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得意なことを見つけるための事前準備

実際に得意なことを見つける前に、いくつかの事前準備が必要です。

得意な仕事に集中して良いということを理解する

はじめに、自己肯定感が低い人は「得意なことに集中して良い」という感覚を持てません。

他の人はすぐに仕事が終わるのに、私は時間もかかってミスばっかりだ。どうすれば苦手な仕事を克服できるんだ。

と、苦手なことを克服しようと考える傾向にあります。

しかし、苦手なことを克服する必要はありません。

どんなに苦手なことを頑張っても、それが得意な人にはかないません。

学校教育で「通信簿がオール5の人が偉い」と考えられてきたため、何でも一人前にできなければならず、得意なことばっかりやっているのは悪いことだと刷り込まれて来たかも知れません。

しかし実際には、苦手なことは得意な人にお願いすれば良いです。

ピータードラッカーという経営学者も、それぞれが得意なことに特化して苦手なことは得意な人に任せるべきだと書いています。

優れた人事は人の強みを生かす。弱みからは何も生まれない。結果を生むには利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを動員しなければならない。

ドラッカー「経営者の条件」ダイヤモンド社 P102

職場の中でも、自分の苦手な分野は同僚にお願いして、得意な仕事を積極的に引き受けて構いません。

「得意な仕事」とは何かを理解する

「得意なこと」の定義は大して努力していないのに人から感謝されることです。

一生懸命努力した結果できるようになったことは「得意なこと」ではありません!

私は「簡単なことを間違えない」とか「迅速かつ正確に事務を処理する」ということが非常に苦手です。前職が経理だったので、とてもそれを実感しました。

例えば"5,780円"という請求書の金額を"5,870円"と入力してしまい、気がつかないということがよくありました。

入力ミスがないかをチェックするのも苦手で、自分では頑張ってチェックしたつもりなのに必ず1つや2つは大きなミスが残ります。

誤字脱字などのケアレスミスは致命的なので、当初は「ミスしないように頑張ろう」と考えてケアレスミスをなくす工夫などを研究して対策をしたりしていました。

しかし、ケアレスミスを無くそうとすると今度は緊張して時間がかかりすぎてしまい、納期までに間に合わず、強引に間に合わせようとしてもっと大きなミスをする・・・ということの繰り返しでした。

その結果「ケアレスミスの撲滅は人に任せた方が良い」という結論になりました。

細かい数字の入力作業などを担当したときには必ず他の人に「すみません、私は入力ミスが多いのでお手数ですがダブルチェックをお願いします」と確認をお願いしています。

そうすると、細かい性格の人が嬉々としてチェックしてくれ、「全然違ってるじゃないですか!」と指摘してくれます。

以前は「こんな簡単なミスをするなんて情けない」と落ち込んでいましたが、最近はケアレスミスを指摘されて落ち込むのを辞めて「ありがとうございます!」と感謝しています。

世の中には「他人の細かいミスを指摘することが得意で大好きな人」というのが一定数いて、昔はそういう人達のことを鬱陶しく思っていたのですが、最近は逆に感謝するようになっています。

私は簡単なことを正確に処理するのは苦手なのですが、複雑で込み入った問題の全体像を理解して「問題の原因はこれです。改善策はこれです。」と分かりやすく説明するのは得意です。

今は上司とも相談し、問題の大枠を整理して分かりやすく説明する、という仕事は私が積極的に担当しますが、正確さと迅速さが求められる仕事については他の人に協力してもらっています。

おかげで、私も楽ですし周りの人からも「助かる」と言われることが増えました。

誰でも必ず得意なことと苦手なことはあり、苦手なことを裏返すと得意なことが見つかる場合もあります。

色々なことにチャレンジする

前回の記事で、趣味を見つけるには色々なことにチャレンジすることが必要とお伝えしましたが、この点は得意なことを見つける場合も同じです。

そもそも経験が少ないと、「一生懸命頑張ったのに評価されない経験」も「大して頑張ってないのに褒められた経験」も積むことができません。

従って、色々チャレンジして「ピタ」っとハマるものを探す必要があります。

これは、アップル創業者のスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行った有名な演説でも言われています。

And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle.

スティーブ・ジョブズ スタンフォード2005年スピーチ

以下は私の訳です。

そして偉大な仕事をするための唯一の方法は、あなたがその仕事を愛することです。もしあなたがまだそれを見つけていなければ、探し続けてください。立ち止まらないでください。あらゆる心理的な問題と同様、あなたがそれを見つければ分かります。そして、偉大な関係と同様、年を重ねるごとに良くなっていきます。だから、それを見つけるまで探し続けてください。立ち止まらないでください。

このように、気に入った仕事が見つかるまで探し続ける大事だ、と説かれています。

但し日本の場合にはポンポン転職する人は信用されない傾向にあるので、転職以外の方法で新しいことにチャレンジすることも必要かも知れません。

例えば

  • 夜や休日を使って副業をしてみる
  • 社内の新しい業務にチャレンジしてみる(上司に相談する)
  • 趣味を通じて新しい経験を積む

といった方法が挙げられます。

例えば、自分が普段やっている営業の仕事をマニュアルにまとめてみるだけでも新しい仕事の経験と言えます。

図やイラストを使ってマニュアルを作成し新入社員に研修をしたところ好評だった、ということであれば「資料作成やプレゼンテーション」が得意ということが分かるかも知れません。

また例えば、普段は総務の仕事をしているものの、趣味のサークルで企画した新しいイベントのお客さんを募るためにホームページを作成したところ大勢の客が集まった・・・ということであれば総務よりもWebマーケティングが得意だと気づくかも知れません。

得意なことを見つける3つの方法

ここから、得意なことを見つけるための3つの方法をご紹介します。

人から褒められたことを思い出す

色々なことにチャレンジしていると、あまり自分では頑張ってないつもりでも、何故か人から褒められたり驚かれたりする、ということが何かしらあるはずです。

それが、まさに得意なことです。

ところが自己肯定感の低い人はここで

こんな簡単なことで私のことを褒めるなんておかしい。何か裏の目的があるんだろうか?それとも私のことをバカにしてるんだろうか?

などと考えてしまいます。

しかし、あなたが簡単だと思っていることでも他の人にとっては本当に難しいのです。

自己肯定感が高ければ、人から褒められると「これが得意なことなんだ!じゃあこれを伸ばしてみよう!」となるのですが、自己肯定感の低い人が周囲から褒められると「この程度のことで私のことを褒めるなんて、あの人はおかしい」となってしまいます。

短所の逆を考える

自己肯定感の低い人は長所を褒められても素直に受け取れないかも知れません。

その場合には、自分の短所を逆から考えて長所として捉えることをオススメします。

短所を長所に変える発想の例
  • 心配性 → リスク察知能力がある
  • 完璧主義 → 念入りな確認ができる
  • 同時に複数のことができない → 集中力がある

    自己肯定感が低い人の場合、自分の短所はすぐに見つかるのではないでしょうか?

    そして「すぐに自分の短所が分かる」ということも、客観的に自分を見ることができる、分析力があるといった長所に繋がります。

    もし、その短所をどのように長所へ変換すれば良いのかが分からない場合、そこは自分で考える必要はありません。

    友達に

    私の短所は遅刻が多いことなんだけど、これってどういう長所になるかな?

    と聞いてみたり、TwitterやYahoo知恵袋などインターネットで質問を投げても良いかも知れません。

    インターネットだと「その短所は、どう考えても長所になりません」という酷いことを言う人もいますが、それは無視して大丈夫です。

    上司、同僚や友人の長所を考えて伝えてみる

    自分のことが自分で分からない場合は、職場の上司、同僚や友人の長所を考えてみてはいかがでしょうか?

    例えば私が以前働いていた部署の上司はパワハラ傾向があり、部下全員から物凄く嫌われていました。

    しかし「全員から嫌われる」ということは、裏を返せば特定の人をエコひいきせず、全員を公平に扱っているとも言えます。

    これはマネージャーとして大切なことではないでしょうか。

    上司や同僚の長所が見つかったら次はどうするかと言うと、それを真正面から伝えます。

    上司であれば「ちょっとご相談があります」と言って面談の時間を取ってもらう、同僚であれば1対1でランチなどに誘って話を聞いてもらう、といった具合です。そして

    ○○さんは、特定の部下をエコひいきせずに全てのメンバーを対等に扱っているところが素晴らしいと思っています。全員を公平に扱うことで部署メンバー間の横の連帯も生まれますし、部署全体での成果に良い影響があるのではないかと思います。
    一方、私は自分の長所が得意なことが見つからずに悩んでいます。○○さんから見て、私の長所は何だと思いますか?

    と単刀直入に聞きます。こう言われて

    は?お前に長所なんかあるわけないだろう?

    と言い返せるほどのサイコパスはまずいませんし、そんな人格否定をしてくる上司であれば即刻パワハラで内部通報をするか転職をした方がいいです。

    上司にしろ同僚にしろ

    「私は、○○があなたの長所だと考えています。あなたから見て、私の長所は何だと思いますか?」

    と真正面から聞けば、必ずあなたの長所を一生懸命探し出してくれるはずです。

    冗談っぽく言うのではなく、時間を取ってもらって真剣な雰囲気で伝えることが重要です。

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    努力が不要なわけではない

    ところで

    「頑張らなくても褒められたことが得意なこと」ということは、努力は必要ないってこと?

    という疑問が生じるかも知れませんが、努力も大切です。

    努力していなくても人から褒められるような得意なことを、さらに磨いて努力していくことで大きな結果を出すことができます。

    苦手なことは努力しても結果に繋がらず、自己嫌悪に繋がるだけです。

    得意なことは楽しく感じられるものなので、長時間継続することができ、結果的に成果に繋がります。

    得意なことに集中する

    得意なことが見つかったら、できるだけ苦手なことを減らして得意な仕事を増やしていくようにします。

    ただ、これについてもある程度のテクニックが必要です。

    そこで次回は、得意な仕事に集中していくための方法についてご紹介します。

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