インド就職を検討するとき、インドの転職エージェントからは

インドでの仕事はとても大変ですが、インドを経験すると次の転職でキャリアアップできます

と聞きます。この記事では、インド就職の何が大変で、どうしてキャリアアップできるのかをご説明します。

インドは長時間労働ではありません

「仕事が大変」と聞くと、深夜残業や休日出勤などをイメージしますが、インドでは日本ほどの長時間労働は基本的にありません。

インド人は、ごく一部の超優秀なエンジニアや会計士(世界中どこへ行っても戦えるレベル)にだけ仕事が集中して非常に忙しいです。インドは人件費が安いので、通常の仕事であれば追加で人を雇った方が良いのです。ローカルのレストランなどへ行くと、客が3人しかいないのにホールのスタッフが10人以上いるなどといったこともザラです。日本の飲食のように、店長が倒れるまで働くなどということは基本的にありません。

インド人はあまり残業をしないので、日本人も基本的には残業をしません。日本でバリバリ働いている駐在員でも、インドへ来たら定時に帰ることが多いです。これだけ聞くと、とても楽で何のキャリアにもならないようですが、日本では鍛えられない能力を鍛えられます。

インド就職で日本人が期待される役割

日本人がインドで働く場合には、日系企業での本社とのブリッジ役か、外資系やインド系の企業で日系企業へ向けて営業をする仕事であることが多いです。

日本人との関わりや日本語の使用が全くない仕事の場合には、高い給料で日本人を雇う必要はないので、インド人と同じ給与水準(年収40~50万円)になってしまいます。欧米やシンガポールのようにもともと給与水準が高い国であれば、日本社会や日本企業から全く切り離された環境で現地人と同じ給与で働くことも可能かもしれませんが、インドでは日本社会や日系企業との関わりを断ち切ることはほぼ不可能だと思います。
日本人に期待されるブリッジ役としては、インド人に対して日本本社や日系顧客の期待する水準を伝え、日本本社や日系顧客が満足する成果を出さなければなりません。細かい実務はインド人が手を動かしてくれるので、日本人に期待されるのは基本的にインド人のマネジメントになります。

インド人マネジメントの大変さ

Aという成果物を3月末までに提出しなければならない場合

日本人
Aという成果物を3月末までに提出してください

と伝えるとほぼ100%の確率で

インド人
OK sir, No Problem !

と言われます。これで期日通りに成果物が出てくるのであれば日本人がインドにいる必要はありません。しかし、単に「お願いします」だけだとまず間違いなく期日までには出てきません。3月31日になって

日本人
Aはできましたか?

インド人
来週には終わりますからNo Problemです。

ということになるケースが少なくありません。この事態を防ぐためには、インド人が「わかりました。できます」と言っても、本当にできるのかどうかを確認する必要があります。この確認に工夫が必要です。

インド人マネジメントのポイント

インド人の作業が期日までに間に合わない原因としては

  • 能力が足りない
  • 時間が足りない

という2つの可能性があります。インド人スタッフに能力があるかどうか心配な場合に「本当にできるの?」という聞き方をしてしまうと、プライドを傷つけてしまうことになり関係が悪くなります。

私はこれで何度か失敗しました。そこで、聞き方としては

日本人
この資料をどのように作るのか分からないので、私にも教えてもらえますか?今回の作成担当はあなたですが、後学のために私も知っておきたいです。今回の資料作成にはどのような情報が必要ですか?

などと、下から質問をします。そうすると、

インド人
分かりました。教えてあげましょう!

という感じで、懇切丁寧に教えてくれます。そして、そのインド人の説明が曖昧だった場合には「こういう場合はどうなりますか?これは、こうではないですか?」などと質問していくと、本当に能力があるかどうかを確認できます。

一方、時間が足りないかどうか心配な場合には、「3月31日までにAという資料を作成するには、3月20日までにBという資料が完成してなければならないと思いますが、大丈夫ですか?3月のこの週は、Cというタスクで忙しいのではないですか?」などと、細かく入って確認していきます。

こういった細かいやり取りを鬱陶しがられて「うるさい、期日までにやり切るから放っておいてくれ」などと言われたことはありません。インド人は、細かく大雑把に依頼すると大雑把に帰ってきますが、細かく聞いていくと細かく回答してくれます。

インド人の特徴

東南アジアで働く日本人から、タイやインドネシアなどだと「日本人」「日本製」というだけで信頼されるなどと聞いたことがあります。インド人もどちらかというと親日ではありますが、「日本人」というだけで無条件で信頼されるわけではありません。

話の筋が取っているかどうかがとても重視されるので、日本人だからと言って理不尽なことを言っていると相手にされません。従って

上司の命令に"No"は有り得ない。前からの決まりなんだから、納得できなくても従いなさい。

などと言っているとインド人のマネジメントは難しいです。インド人は常に根拠や理屈を聞いてきますが、論理的に筋が通っていれば黙ります(但し謝りません)し、筋が通っていなければ相手が顧客であれ上司であれ猛然と反論します。
インドで働くときには「相手の言っていることを鵜呑みにせず、納得できるまで議論する」ということが常に求められ、納得できないことを曖昧なままにして進めると大変なことになります。日本のように「上司が帰らないと帰れない」「意味のない定例会議が多い」など理不尽なことで時間が取られないので残業時間は短いものの、常に自分の考えを持って主張する能力は鍛えられるのではないかと思います。

インドでマネジメントの経験を積む上での注意

インド人をマネジメントするのは様々な困難が伴いますが、上記の例からも分かる通り、インド人は鈍感な人が多いです。

No」なら「No」と、ハッキリと直球で言いたいことを主張してもあまり気にしません。遠回しな言い方では話が通じず、ドストレートに言いたいことを言う習慣がついてきます。

特に、オフィスのホワイトカラーの人達はビジネスマナーが高いですが、街中の人達とコミュニケーションを取るときは単に主張をするだけでなく、大声で主張しなければ聞いてもらえないこともあります。

インドでのマネジメントに慣れた人が東南アジアへ引っ越すと、文化の違いに戸惑うことが多いと聞きます。日本人もそうですが、東南アジアには繊細な人が多く、たとえば他の人がいる前で怒ったりするとメンツを潰されたとして辞めてしまう人もいます。

鋼のメンタルを持っているインド人と接することに慣れてしまうと、他の国へ行った時に摩擦を起こしてしまう可能性もあるので、その点は注意が必要です。

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